「古くて新しい」東京・レトロ谷中のオシャレな楽しみ方

「古くて新しい」東京・レトロ谷中のオシャレな楽しみ方

更新日:2018/02/01 09:32

藤井 麻未のプロフィール写真 藤井 麻未 元秘境系海外旅行添乗員
東京の昔ながらの下町情緒が残るエリアといえば筆頭に挙がる谷中。そのレトロな街並みから近年は根津、千駄木と合わせ「谷根千」などといって人気の散策エリアとなっている。
谷中が人気を集めるその理由は、関東大震災や第二次世界大戦の戦火を逃れた旧来の古き良き町並み。そしてその古さを残したままオシャレで新しい発想のスポットが続々誕生しているところだ。今回はそんな「古くて新しい」谷中の楽しみ方をお伝えしよう。

古民家で昭和のノスタルジーに浸る

古民家で昭和のノスタルジーに浸る

写真:藤井 麻未

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谷中散策では夕陽が美しく見えるスポット「夕焼けだんだん」や食べ歩きや買い物が楽しい商店街「谷中銀座」などが定番であるが、ぜひ行って頂きたいスポットが「上野桜木あたり」だ。ここは昭和初期に建てられた3軒の古民家と路地をまるごと利用して、なんともレトロオシャレな空間へと修復再生したノスタルジックな複合施設である。

古民家で昭和のノスタルジーに浸る

写真:藤井 麻未

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3軒の古民家にはそれぞれ異なる店が入るが、どれも古民家の良さを存分に活かした個性的で温かい雰囲気が漂っている。まず目につくのが、天然酵母を使ったここでしか飲めない谷中ビールを扱う「谷中ビアホール」。3軒のうちでは最も当時の姿を残す家屋である。古い漆喰の壁や柱、そこにかかる古時計までもが当時のまま。まるで昭和初期にタイムスリップしたかのような感覚に陥る。

もう一軒にはお稽古事や各種交流会、アクセサリーや雑貨のポップアップショップなど自由に使えるレンタルスペース「みんなのざしき」がある。まるで田舎のおばあちゃんちに遊びに来たような懐かしい雰囲気の座敷で素敵なひとときを過ごしてみては。

古民家で昭和のノスタルジーに浸る

写真:藤井 麻未

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そして、路地に面して何やら魅力的なカウンターを出しているのがオリーブオイルと塩の専門店「おしおりーぶ」。世界各国の多種多様なオリーブオイルと塩、ビネガーが一堂に会しギフトにも最適だ。特に和食に合うオイルや塩はおススメ。ほんのり椎茸の風味がするオイルや海の旨味が凝縮されたウニ塩などは和風ステーキや和食などにも抜群の相性だ。試食をして驚きのマリアージュを見つけるのも楽しい。

同じ棟に老舗珈琲店「カヤバ珈琲」の姉妹店「Kayaba Bakery」も入っている。レモンピールの入った抹茶パンやあんぱん、カレーパンなど日本人らしい和風パンを沢山取り揃えているのも人気の秘密だ。

<基本情報>
住所:東京都台東区上野桜木2丁目15−6 あたり
営業時間:8:00-20:00 月曜定休(月曜が祝日の場合は営業、翌火曜日休みの場合あり)※各店舗によって営業時間、定休日など異なります。
アクセス:JR日暮里駅 南改札口から 徒歩約10分
JR上野駅 公園口から 徒歩約15分
東京メトロ千代田線 根津駅 1番出口から 徒歩約10分
東京メトロ千代田線 千駄木駅 1番出口から 徒歩約10分

レトロ喫茶で名物メニューを頂く

レトロ喫茶で名物メニューを頂く

写真:藤井 麻未

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谷中散策の醍醐味でもある古民家を使ったレトロ喫茶巡り。大正〜昭和初期にかけての歴史を感じる建物が沢山残っているからこその楽しみ方だ。昭和13年創業の「カヤバ珈琲」はその代表格。年季を感じる店内は看板や天井の梁に至るまで当時そのままのノスタルジックな趣。これが逆にとてもオシャレに感じるのだ。

レトロ喫茶で名物メニューを頂く

写真:藤井 麻未

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カヤバ珈琲に来たらまずは名物「たまごサンド」を食べてみよう。いわゆるゆで卵をマッシュしてマヨネーズと和えたサンドイッチとは一味違い、ここではふわとろに焼き上げられた絶妙な柔らかさの厚焼き卵が、ふんわりと、そしてしっとりとした厚めのサンドイッチパンに挟んであるのだ。間にはからしマヨネーズが薄く挟まれ、まろやかな卵焼きの甘味を絶妙に惹き立ててくれる。

レトロ喫茶で名物メニューを頂く

写真:藤井 麻未

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珈琲店というだけあってもちろんオリジナルのブレンドコーヒーは絶品なのだけれど、ここへ来たら是非味わってもらいたいのが「ルシアン」だ。ルシアンはココアとコーヒーを合わせた温かい飲み物。創業当時から愛されてきたカヤバ珈琲のもうひとつの名物だ。コーヒーよりもコクがありココアよりも香ばしい、なんともクセになる風味なのである。

<基本情報>
住所:東京都台東区谷中6-1-29
電話番号:03-3823-3545
営業時間:火〜土 8:00-22:30
  月・日 8:00-18:00
  定休日なし
アクセス:JR「日暮里」駅から徒歩10分
地下鉄千代田線「根津」駅から徒歩10分
根津駅から617m

お気に入りの寺を見つけて

お気に入りの寺を見つけて

写真:藤井 麻未

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そして谷中のもうひとつの顔といえば、「寺町」としての街の機能である。谷中にはもともと災いや敵の襲来から江戸を護るため、徳川家の菩提寺として寛永寺が建てられた。後にその子院も次々と建てられ、更に幕府の政策により多くの寺院が移転してきたため、この付近はコンビニよりも寺院の数の方が多いと言っても良い。

お気に入りの寺を見つけて

写真:藤井 麻未

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大小様々な寺院がひしめき合っているが、同じようでいてよく見ると趣が異なり、境内の風情ひとつとっても表情豊かである。寺院はたいてい境内までは自由に入ることが出来るので、気になった寺院にふらっと入りお気に入りの場所を見つけてみるのもなかなか楽しい。静寂に包まれた境内に身を置いていると不思議と心が落ち着くだろう。慌しい現代社会の喧騒からしばしエスケープしてみるのも、寺町としての谷中の新しい楽しみ方かもしれない。

おわりに

古き良き街並みの残る谷中の楽しみ方、いかがだっただろうか。谷中はただ単に古民家が連なるだけではない。これらの歴史的、文化的価値を熟知した地元民により新しくオシャレな場所としてうまく再生、保存されているところに人気の秘密がある。ビル街を抜けてノスタルジックな東京の原風景へ、タイムスリップ散策をしてみてはいかがだろうか。

2018年1月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/10/21−2018/01/21 訪問

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