ご紹介する「雲見くじら館」は伊豆半島の南西部、松崎町雲見地区の国道136号線沿いの雲見大橋のたもとにあります。くじら館は、観光案内所に併設されていますが、知らずに通り過ぎてしまうほどの小さな建物。
海岸近くにあって夏は賑わいを見せますが、それ以外のシーズンは人通りが少なく閑散としてます。訪れる人が少なく、ここが資料館?と、疑ってしまうほどマイナーな見所です。
クジラ館の3階は観光案内所。2階が資料展示コーナーになっています。展示コーナーへ足を運び、展示室の入口のドアを開けると、いきなり現れるのがこちらの宙づりになったドデカい骨!
これがセミクジラの骨格標本で長さは12m。体重はおよそ20トンもあります。このセミクジラは1977年に雲見港に迷い込んだクジラで、日本でも数少なく貴重なものということで、ここにくじら館を建て保存することにしました。
くじらは、大きく分けてハクジラ類・ひげクジラ類に分類され、セミクジラはひげクジラ類に属します。ひげクジラ類のほどんどが大型種。展示されているセミクジラは、大人の背丈をはるかに超えてしまうほどの圧巻な大きさですが、このクジラは何とまだ子供のくじらというから驚きではありませんか? 人間に例えると推定年齢10歳の男の子なのです。
セミクジラは南北両半球の温暖海域に生息していて、日本の小さな港に迷い込むなんて滅多にないそうです。国内で見られる所は数えるほどで、まして現在は絶滅の危機に瀕し、国際条約で取引が禁止されている非常に珍しいクジラです。そんなクジラの骨を、すぐそばで見られてしまうなんてここぐらいのものでしょう!
セミクジラの骨格標本はかなりの年月が経っていますが、しっかりと骨の原型をとどめていますよ。
展示室は、骨格標本を囲んで写真や漁具などの資料も展示しています。中でも見てほしいのが、壁に飾ってある数十枚の写真です。展示されているクジラは、発見した当日はまだ生きていて、翌日に死んでしまいました。はかない命でしたが、浜辺で尾を奮い立たせて暴れる躍動感溢れる写真など、当時の情景を思い浮かべながら見学できるのも魅力の一つです。
こちらは、からくり人形です。何で人形?と思われるでしょうが、この人形は、セミクジラのひげを利用したからくり人形なのです。セミクジラは、歯がない代わりにクジラひげを持ち、プランクトンを食べます。
ヒゲは4.5mにも達し、丈夫で昔から最良のバネ材として利用されたそうで、その実例として人形が展示されています。実際に、紐をひっぱって動かすことができるので、是非試して強度を感じてみてはいかがでしょうか?
くじら館の前は、クジラが迷い込んだ港や浜辺が広がっています。波打ち際には、足湯ができる温泉もあるので、足湯をしながら浜辺を眺めてみても良いですね。
※11月〜4月は外気に触れて源泉温度が低下するため、足湯を利用することはできません。
住所:静岡県賀茂郡松崎町雲見387
電話番号:0558-45-0844(雲見温泉観光協会)
入館料:大人100円、小学生以下50円、幼児無料
営業時間:午前9時から16時(閉館20分前までに入館して下さい)
休館日:火・水・木曜日
2018年1月現在の情報です。最新の情報は、公式サイトなどでご確認ください。
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