ニューオーリンズ「ガーデン・ディストリクト」は墓地と高級住宅が名所!?

ニューオーリンズ「ガーデン・ディストリクト」は墓地と高級住宅が名所!?

更新日:2018/02/05 09:27

浅井 みら野のプロフィール写真 浅井 みら野 総合旅行業務取扱管理者、全国通訳案内士(英語)、世界遺産検定2級、JSBA スノーボード バッジテスト 1級
木漏れ日が降りそそぐ閑静な住宅地へ出掛けてみませんか。ニューオーリンズのガーデン・ディストリクト(Garden District)は、19世紀に建てられた住宅が今も多く残り、有名人も暮らす全米でも有名な高級住宅地。美しい洋館が優雅に建ち並ぶ景観は、綿花などで栄えた南部特有の時代らしさが感じられます。徒歩で散策する観光客も多く、今回は日本では珍しい墓地も含めた見どころを巡るコースのご案内です。

散策はリンクからスタート

散策はリンクからスタート

写真:浅井 みら野

「ガーデン・ディストリクト」があるのは、ニューオーリンズの中心地フレンチクォーターから5kmほど離れたアップタウン(Uptown)とよばれるエリア内。ギリシャ様式やビクトリア様式など様々な建築様式の邸宅が古くから残っていて、歴史建造物地区として国から指定もされています

フレンチクォーターからは、タクシーで約15分。セイント・チャールズ・ストリートカー(St. Charles Streetcar)という路面電車でも訪れることができます。路面電車を利用する際は、“セイント・チャールズ アット ワシントン(St Charles at Washington)”駅での下車がおすすめです。

散策はリンクからスタート

写真:浅井 みら野

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ウォーキングコース専用の地図や情報が多数出てますが、ガーデン・ディストリクトの拠点は“リンク(The Rink)”というマスタード色が可愛らしい建物。ローラースケートのリンク会場として建設されたのが名前の由来で、1884年に開催されたコットンの国際博覧会に併せてオープンしました。

現在はカフェやショップが入り、住民や観光客の憩いの場に。特にブックショップでは、近所に住む有名作家さんを交えてのイベントが定期的に開かれています。アメリカで大ヒットした“ヴァンパイア・クロニクルズ”などのファンタジー小説で有名なアン・ライスさんもご近所さんなんですよ。

<ガーデン・ディストリクト・ブックショップの基本情報>
住所: 2727 Prytania St, New Orleans, LA 70130
電話番号:+1-504-895-2266
営業時間:月曜日-土曜日 10:00〜18:00, 日曜日 10:00〜17:00

コマンダーズ・パレスで優雅な食事を

コマンダーズ・パレスで優雅な食事を

写真:浅井 みら野

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リンクからそのままワシントン・アベニュー(Washington Avenue)を南に進むと、レストラン“コマンダーズ・パレス(Commander’s Palace)”が見えてきます。1893年にオープンして以来、数々の賞を受賞してきたニューオーリンズを代表する名店です。爽やかな外観が目を引きますが、これは1974年の全面改装で大胆に彩られたもの。地元では“コマンダー ブルー”と呼ばれているんですよ。

コマンダーズ・パレスで優雅な食事を

写真:浅井 みら野

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この土地で誕生したクレオール料理が食べられるレストラン。オシャレをして入店するのが、昔から今も変わらない楽しみ方です。特に週末のお昼時にはバンドの生演奏も加わり、より優雅な時間を過ごせます。

<コマンダーズ・パレスの基本情報>
住所: 1403 Washington Ave, New Orleans, LA 70130
電話番号:+1-504-899-8221
営業時間:ランチ 月曜日-金曜日 11:30〜13:30 / ジャズ・ブランチ 土曜日 11:00〜13:00, 日曜日 10:00〜13:30 / ディナー 18:00もしくは18:30〜遅くまで(詳しい時間はレストランに問い合わせ)
定休日:マルディグラ(2-3月どこかの火曜日), 12/25

ラファイエット墓地は意外にも人気の観光地

ラファイエット墓地は意外にも人気の観光地

写真:浅井 みら野

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コマンダーズ・パレスの斜め向かいには、市営墓地で一番の歴史がある“ラファイエット墓地(Lafayette Cemetery)”が静かに訪れる人たちを迎え入れます。実はニューオーリンズの墓地はアメリカ国内でも独特の墓石や彫刻が残っているため、見学者も多いと聞きます。1時間半の墓地ツアーも毎日2回実施され、オンラインから予約ができます。

ラファイエット墓地は意外にも人気の観光地

写真:浅井 みら野

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墓地を観光…日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、火葬ではなく土葬という埋葬方法や、亡き故人が暮らしてるような家っぽいデザインの墓石からも文化の違いが感じられます。訪れる人たちの多くは観光客ですが、中には親族の方がお花をお供えに訪れることも。故人を偲ぶ所作は万国共通なんだと気付かされます。

<ラファイエット墓地の基本情報>
住所: 1416-1498 Washington Ave, New Orleans, LA 70130
電話番号:+1-504-658-3781
開門時間:7:00〜15:00
閉門日:主要な祝日(1/1, 7/4, 12/25 などその他7日間該当)

19世紀の名残りが感じられる建築の数々

19世紀の名残りが感じられる建築の数々

写真:浅井 みら野

ラファイエット墓地を後にしたら、交差するコロシアム・ストリート(Coliseum Street)を曲がり、東へ向かいましょう。コロシアム・ストリートと平行して走るプライターニア・ストリート(Prytania Street)に囲まれたエリアは、特に歴史が感じられるお屋敷や豪邸が集まる人気の散策エリアです。

こちらの玄関からのアーチが優雅な住宅ですが、なぜ階段が左右に分かれているのかをご存知でしょうか。当時、女性の足首を男性が見るのはタブーとされ、それを防ぐために男性用と女性用の階段を別々に造ったといわれているんですよ。

19世紀の名残りが感じられる建築の数々

写真:浅井 みら野

玄関先にぽっこりした石段。駐車することもできず、うっかり転んでしまいそうで邪魔に見えますが、こちらも当時の時代風景を伝えるもの。当時の主要交通手段は馬車だったため、降りやすいようにあえて設置されたのです。

19世紀の名残りが感じられる建築の数々

写真:浅井 みら野

他にもニューオーリンズらしい建築スタイルがこちら。フレンチクォーターでもよく目にするスパニッシュ・カリビアン様式といわれ、フランスやスペインに統治されていた影響を受けたデザインです。

新デザインや豪邸もここの魅力

新デザインや豪邸もここの魅力

写真:浅井 みら野

歴史が感じられる邸宅は十分魅力ですが、ガーデン・ディストリクトでは新しい住宅も見逃せません。その1つが発想の自由さ。柱が特徴的のこちらの住宅はギリシャ様式で、本来だと外観の色は白かグレーが基本。しかし、よく見てみるとパステルピンクとブルーが隠れて彩られていて、可愛らしい印象に。形式にこだわらない自由さがアメリカらしいですね。

新デザインや豪邸もここの魅力

写真:浅井 みら野

嘘のような大邸宅に出会えるのも嬉しいところ。お抱えの庭師が丁寧に育てたんだろうなぁと想像できる庭園と、それにぴったりな大豪邸がこつ然と現れ、思わず息がこぼれます。19世紀当初は家が2,3軒ほどしか建っておらず、その周囲は広大な庭園だったのがこのエリアの由来というだけあって、どの住宅の庭園も見事です。

新デザインや豪邸もここの魅力

写真:浅井 みら野

クリスマスなどのイベント前には、イルミネーションやデコレーションなどで訪れた人たちをさらに楽しませてくれるガーデン・ディストリクト。住民の方々も自分たちが住むエリアに愛着と誇りを感じていて、訪れる観光客を優しく迎えてくれます。

最後は今話題のマガジン・ストリートへ

コロシアム・ストリートとプライターニア・ストリート周辺を散策したら、最後は南下してマガジン・ストリート(Magazine Street)へ。マガジン・ストリートはオシャレなショップやレストランが何百mも続く、今注目の場所になります。ぜひ訪れた際は、高級住宅地でうっとりするような散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。

2018年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

【取材協力:ミシシッピ・リバー・カントリーUSA、ニューオーリンズ観光局】

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/12/03 訪問

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