ご紹介するしだれ桜は、伊豆半島西海岸の伊豆市小下田。恋人達の聖地として全国的に知られる名所「恋人岬」のほど近くの国道沿いにある「最福寺」。境内を賑わすように、毎年3月下旬から花が開き始め、4月8日頃には満開となり、訪れた人を楽しませてくれます。
境内には、凡そ30本のしだれ桜が植えられていて、大きく垂れ下がった枝の先端にピンポン玉くらいの大きな花が密集してたわわに咲くのが特徴。花は、10数枚の厚手の花弁を付け、花びらが重なって咲く珍しい八重の可憐な花を咲かせます。
八重咲きのしだれ桜は、とても珍しく2001年に「日本花の会」から国内で4例目となる新品種として認定。国際命名規約にのっとり、世界共通名称の学術名を「サイフクジ」。和名を「伊豆最福寺しだれ」と命名されました。
このしだれ桜は、周辺の山で自然交配したしだれ桜を檀家が、お寺に植えたのが始まり。当初は、江戸時代からあったと伝わり、その昔は、対岸にある静岡市から白い花が見えたとの逸話も残されています。
塩害などにより、現在植えられているしだれ桜は2代目ですが、樹勢は良好です。本堂へ続く参道の両脇には、まるでトンネンのように覆い茂る桜の木もあり、お勧めの見所です。
しだれ桜は、見頃を迎えると、純白が美しい可憐な花を無数に咲かせます。大概の桜は、咲くとその色のまま花弁が散りますが、ここの桜の花は違います!
最福寺のしだれ桜は、つぼみの時はピンク色。開花すると、ご覧のような白色の花を咲かせ、散る頃になると再びピンク色になる変わった花なのです。本当?と疑った人は、きっといることでしょう。心当たりのある人は、お次の写真をご覧下さい。
こちらは、つぼみの状態。白い花とはかけ離れたピンク色をしていて、目を疑ってしまうことでしょう。つぼみの時に限らず、散る間際には、またピンク色になり、見頃の花に交じって、咲き終わりを告げるように刻々と変化する花は、儚くとも神秘的。まるで最後を知らせているようで、愛おしくとも思えてきます。
1本の木で、目に見えて劇的に変化が楽しめるとっても変わった花なのです。規模は小さいけれど、希少価値あり!一見の価値あり!の桜の見所です。
境内の隅には、郷土資料を展示する「夢の実現堂」があります。館内には、勝海舟・山岡鉄舟などの「明治三舟」と呼ばれる名だたる偉人が書いた書や、カラー写真の生みの親「長口宮吉」に因んだ資料などを展示しています。
また、江戸時代の囲碁の家元の一つである本因坊の弟子「近代碁の祖」と呼ばれる名棋士「14世本因坊秀和」の生誕地であることから、碁盤など囲碁に関わる貴重な展示物もあるので、覗いてみては如何でしょうか?
住所:静岡県伊豆市小下田1667
お問い合わせ先:0558-98-1212(伊豆市観光協会土肥支部)
拝観料:無料
駐車場:あり(無料)
2018年2月現在の情報です。最新の情報は、公式サイトなどでご確認ください。
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