大都会の中のローカル線!「南海汐見橋線」で昭和レトロ体験

大都会の中のローカル線!「南海汐見橋線」で昭和レトロ体験

更新日:2018/05/10 09:17

木村 優光のプロフィール写真 木村 優光 和風景写真家、夜景愛好家
南海電鉄は大阪の繁華街でもあるなんば駅を起点とし、和歌山方面や高野山方面へ向かう関西の大手私鉄。これらの本線系列とは別に、大阪側にはもう一つの起点があります。その駅こそが「汐見橋駅」。ここからは「南海汐見橋線」と呼ばれる支線が、「岸里玉出駅」までの4.6kmを約9分かけて結んでいます。大都会にも関わらず沿線風景は昭和色が非常に濃いローカル線。昭和レトロ気分を味わいに行ってみよう!

出発はターミナル駅の面影が残る「汐見橋駅」

出発はターミナル駅の面影が残る「汐見橋駅」

写真:木村 優光

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大阪ミナミのターミナル駅でもあるJR難波駅から西へ300m、大都会の喧騒が十分残る場所に「汐見橋駅」があります。千日前筋に面して堂々と構える駅舎は周りの建物とはカラーが異なるレアもの。一歩駅舎内へ踏み入れると、昭和の空気が漂っているかのようで、初めて訪問する人誰もが呆気にとられます。

出発はターミナル駅の面影が残る「汐見橋駅」

写真:木村 優光

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改札こそ自動式になってしまいましたが、昭和時代は間違いなしにここには板金製もしくは木製の改札があったはず!改札を目の前にして目を閉じてみると、そんな光景が頭の中に描かれるでしょう。現在は「汐見橋駅」と「岸里玉出駅」の折り返し運転ですが、昭和時代は和歌山県の高野方面まで行く列車が走っていました。そのため現在の寂れた構内とは対照的に非常に賑わっていたのかもしれませんね。

出発はターミナル駅の面影が残る「汐見橋駅」

写真:木村 優光

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現在、「汐見橋駅」を発車する列車本数は1時間に2本設定されていますが、「汐見橋駅」に到着した列車から降りてくるお客さんは多くても5人・・・。そのため、運行されている車両は今どきのステンレス製の味気ない車両ではなく、ローカル線と言わんばかりの鋼鉄製2両編成!

なお、数年前まで、「汐見橋線」はなにわ筋線と接続する計画もありましたが、「汐見橋駅」ではなく難波駅へ計画変更されたため、いつ廃止されてもおかしくない路線です。

<基本情報>
住所:大阪府大阪市浪速区桜川3-8-74
アクセス:南海汐見橋線汐見橋駅、阪神なんば線、地下鉄桜川駅下車すぐ

「汐見橋駅」から乗車5分!寂れた「木津川駅」

「汐見橋駅」から乗車5分!寂れた「木津川駅」

写真:木村 優光

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「汐見橋駅」から列車に乗ること約5分の「木津川駅」ですが、こちらも1日の平均乗降客数は10人?!駅周辺は小さな工場が集まった工業団地で、すぐ近くを木津川が流れています。駅舎は角が丸みを帯びた非常にモダンな造りですが、所々に錆びかかった外観はどことなく忘れかけられたかのような雰囲気。しかも、無人駅のため設置された数個の自動改札機が寂しさを漂わせています。

駅前も店舗などは一切なく、無造作に覆い茂った雑草が駅舎を取り囲む状態!そして、砂利が敷かれた駅前広場にはバス停もタクシー乗り場も一切ありません!あるものは木津川方面へアクセスする砂利道のみ!まさに秘境駅ばりの駅周辺に、秘境駅ファンにとっては生唾モノに違いないでしょう。

「汐見橋駅」から乗車5分!寂れた「木津川駅」

写真:木村 優光

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「木津川駅」から列車に乗る場合、改札を抜けて構内踏切を渡りますが、現在こそ縮小された構内はかつて広大な敷地を有していたことが少なからず予測できます。というのも、当時は和歌山方面で採れた木材を木津川の貯木場まで運搬するための貨物駅で、全盛期の駅構内には木材運搬用の貨車がたくさん留置されていました。

「汐見橋駅」から乗車5分!寂れた「木津川駅」

写真:木村 優光

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「汐見橋駅」から岸里玉出行きの列車が到着するシーンは、大都会にもかかわらずローカル色非常に濃い1枚として撮ることができます。可能であれば300mほどの望遠レンズで狙うと、2両編成の列車でも迫力ある1枚をゲットすることができますよ。

<基本情報>
住所:大阪府大阪市西成区北津守1-8
アクセス:南海汐見橋線木津川駅下車すぐ

下町色&レトロカラー濃すぎる「西天下茶屋駅」

下町色&レトロカラー濃すぎる「西天下茶屋駅」

写真:木村 優光

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「西天下茶屋駅」は上下線別の改札となっていて、「岸里玉出駅」方面の駅舎は昭和レトロ漂うモダンな造りです。今どき珍しくなった電話ボックスも駅舎の前に設けられているため、昭和のコラボレーションが実現しています。

下町色&レトロカラー濃すぎる「西天下茶屋駅」

写真:木村 優光

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「汐見橋駅」方面の駅舎は「岸里玉出駅」方面の駅舎に比べて簡易的。上下線の駅舎は駅前踏切で結ばれていますが、踏切付近で両社を比較するとその差は歴然!なお、上下線のホームは改札が別のため、両者の行き来は不可能になっていますので、乗車時等に十分に注意しましょう。

下町色&レトロカラー濃すぎる「西天下茶屋駅」

写真:木村 優光

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写真は岸里玉出方面へ向かう列車を後追い撮影した1枚です。駅の南側踏切には柳の木があるため、それを含めて撮ると、駅ホームからもレトロチックな1枚を撮ることが可能!周囲は下町情緒ある街並みのため、昭和時代にあちこちの路線で見かけたような風景が広がっていて、懐かしさを覚えるでしょう。

<基本情報>
住所:大阪府大阪市西成区橘3-5
アクセス:南海汐見橋線西天下茶屋駅下車すぐ

懐かしすぎて涙が出てきそうになる「銀座商店街」

懐かしすぎて涙が出てきそうになる「銀座商店街」

写真:木村 優光

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「西天下茶屋駅」から歩いてすぐの場所にある「銀座商店街」。知らない人からすれば何てことない商店街と思われそうですが、これが訪問して初めて分かるディープさ!そして昭和レトロ満点で懐かしすぎる光景に涙する人も多いのではないでしょうか。周囲の下町風の街並みと相まって、人情味ある大阪代表と言った感じの商店街です。

懐かしすぎて涙が出てきそうになる「銀座商店街」

写真:木村 優光

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商店街はほぼ全域アーケード状になっているため、雨天でも問題なし!アーケード内へ一歩入ると昭和の時代へタイムスリップしたかのようで、子供の頃に走り回った商店街を思い出す方も多いでしょうね。商店街の中では食べ歩きができそうなレベルのたこ焼きやイカ焼きなどが売られていますが、料金も半端ない安さに昭和の時代を思い出す方も多いのではないでしょうか。

料金も半端ない安さ!まさに昭和時代にタイムスリップしたかのよう!

懐かしすぎて涙が出てきそうになる「銀座商店街」

写真:木村 優光

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西天下茶屋はNHKの連続テレビ小説「ふたりっこ」の舞台にもなったことから、商店街にはメインキャストの石像が設置されています。テレビドラマなどのロケ地訪問が好きな方はぜひ訪問しておきたいですね。

<基本情報>
住所:大阪府大阪市西成区橘3-13-3
電話番号:06-6661-4421
アクセス:南海汐見橋線西天下茶屋駅下車徒歩約2分

さらに南へ足を伸ばせば・・・

南海汐見橋線の終着駅でもある岸里玉出駅からさらに先の南へは、これまた昭和レトロな沿線風景が広がる阪堺電車が走っているため、併せて訪問しておきたいところ。阪堺電車は路面電車形式ですので、所々で道路との併用区間が存在します。昭和レトロな街並みに囲まれて走っている阪堺電車を一目見れば、懐かしく感じる方も多いでしょうね。昭和レトロな旅を思う存分満喫してみてはいかがでしょうか。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/08/26 訪問

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