鹿児島最南端かつ沖縄最北端辺戸岬からわずか23qしか離れていない絶海の孤島・与論島。人口5,000人程度の小さな島には、島を取り囲む美しいビーチとアクアマリンの輝く海、ゆったりとした島時間とともに風に揺らめくサトウキビ畑、そして鹿児島と沖縄が融合したような独特の島文化が流れる、実に魅力の詰まった島なのです。
島の東側、大金久(おおがねく)海岸の沖合約1.5kmの場所に現れる白い砂浜「百合ヶ浜」。2017年11月に天皇皇后両陛下のご訪問でも話題になりましたね。中潮から大潮の干潮時にだけ現れるその浜は、特に春から夏(4〜10月)が出現しやすいシーズンと言われ、もっとも潮の引きが大きいときは海岸から歩いて渡れるほど遠浅の透き通るビーチが広がるんです。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る百合ヶ浜が出現しやすい条件は、旧暦の1日と15日のそれぞれ前後3日間とされています。潮の満ち引きは月の満ち欠けに影響され、旧暦1日と15日は現在の暦(太陽暦)に引き直すとおおむね月の半ばと月末月初頃に該当します。それを基に、年間の出現予想スケジュールが観光協会より公表されています。
しかし、あくまでも自然が相手。出現率が高いといわれるシーズンでも台風や季節風などにぶつかれば海が時化り(波が高くなって)浜は現れてくれません。一方で、一年を通して出現率がもっとも低いとされる冬の1月であっても、海況次第では出現してくれる可能性はあります。
年間出現予想スケジュールは関連メモにあるヨロン島観光協会サイトに掲載されています。しかし、海況は常に変化しているため、事前に観光協会等へ問い合わせしてみることを強くおすすめします。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る島を訪れた後は、早めにグラスボート取扱い会社へ連絡し、出没予定時刻の確認とボートの予約を済ませておきましょう。当日は待ち合わせ時間までに大金久海岸へ直接向かうか、グラスボート社にホテルとの送迎を依頼することもできます。
海岸に着いたら波打ち際まで寄せてくれたグラスボートに乗り込みます。冬場は特に潮の引きが弱いため、海水の高さが夏に比べて高い傾向にあります。海水に浸かり濡れてもいいサンダル等を持参しましょう。浜から約1.5km離れた沖合に浮かぶ百合ヶ浜を目指して出発!運行中は船長によるガイドが楽しめますよ。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るボートの中央には文字通りグラス(ガラス)がはめ込まれていて、浅瀬の海底を観察することができます。波間にたゆたうウミガメを船長が見つけると、ボートの下に潜り込ませるよう巧みにボートを操縦し、ガラス越しにウミガメの遊泳を楽しむことができます。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る冬は砂浜の規模が小さく上陸できるスペースがだいぶ限られますが、夏場と違って観光客に踏み荒らされていない美しいホワイトサンドバーが広がります。独り占め感覚で島を練り歩き、インスタ映えする写真も撮り放題ですよ!
写真:Mayumi Kawai
地図を見る百合ヶ浜には星のかたちをした砂「星砂」が堆積しています。“年齢の数だけ拾えば幸せになれる”という伝説のもと、星砂拾いが一つのイベントにもなっています。
ただし、極小で繊細な星砂は度重なる波の浸食で丸みを帯びてしまったものも多く、年齢の数を集めるのはなかなか骨が折れる作業。でも幸せつかみたい方は是非チャレンジしてみてください。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るもし年齢の数ほど拾えなくて悔しい思いをした方も大丈夫。大金久海岸入口に並ぶ地元のおばあちゃんたちによるアクセサリーショップで売られていますよ。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る秋から冬にかけてどんよりとした天気が続き、北風強く、意外にも肌寒い与論島。さすがに海水浴は厳しいところですが、一方で人混みを避け、ゆったりとした島時間と変わらぬ自然や文化を体験することができます。幻の百合ヶ浜は、たしかに出現率は低くなりますが、奇跡に遭遇できるチャンスは決して少なくはありません。また時折日が差せば、モルディブやタヒチにも匹敵する最高のアクアマリンオーシャンも楽しめます。
せっかくのバカンス、休日ぐらいは人混み避けてのんびりしたい、美しい海に癒されたいという方には是非穴場の与論島を訪れてみてはいかがでしょうか。
住所:鹿児島県大島郡与論町茶花32-1
お問い合せ:0997-97-5151(ヨロン島観光協会)
受付時間:8:30〜17:30
アクセス:飛行機とフェリーが鹿児島と沖縄から毎日就航。飛行機の場合、鹿児島からは日本エアコミューター、那覇からは琉球エアコミューターが就航。船の場合は、マルエーフェリーとマリックスラインの2社が鹿児島〜与論〜那覇間を就航しているため詳しくは各社にお問い合わせください。
2018年2月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/10更新)
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