銚子川ブルーは水色の奇跡!思わず息をのむ三重・魚飛渓の絶景スポット

銚子川ブルーは水色の奇跡!思わず息をのむ三重・魚飛渓の絶景スポット

更新日:2018/03/09 10:57

津田 泰輔のプロフィール写真 津田 泰輔
三重県の伊勢よりさらに南、紀北町という山と海に挟まれた小さな町に、奇跡の川と呼ばれる「銚子川」が流れている。大台ケ原を源流とし、高度1400メートルを17キロで太平洋に到達するという高低差のある川で、その早い流れが下流まで抜群の透明度を作り出している。
その水の色の美しさからつけられた名前は「銚子川ブルー」。その美しさを堪能できる魚飛渓の絶景スポットを紹介しよう。

道路横でも驚きの青さ。わき見運転にご注意を

道路横でも驚きの青さ。わき見運転にご注意を

写真:津田 泰輔

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銚子川ブルーが堪能できる魚飛渓へは、紀勢自動車道海山ICから国道42号を経由して約15分もあればたどり着くことができる。ただし、魚飛渓というエリアが明確に表示されておらず、駐車場も整備されていないので、どこからどこまでが魚飛渓なのかわかりにくい。国道42号線からなら、銚子橋を西に折れて川沿いをずっと上流へ。途中、種まき権兵衛の里を横目に進み、魚飛橋を渡って銚子川の支流「又口川」沿いの道に入ったところからが一般的に「魚飛渓」と呼ばれる場所にあたる。

大きな駐車場はなく、道路沿いの少し広くなった場所に停めて川に降りるというのが基本スタイルになるのだが、夏休みなどは水遊び客であふれるので、前出の種まき権兵衛の里に車を停めるか、キャンプ場「キャンプinn海山」を利用した方が良いかもしれない。

魚飛渓の道路を進んでいると左手に美しい川の流れが見えてくる。ちょうど水の流れが少なく淵になっている所が絶景ポイント。「銚子川ブルー」と呼ばれるエメラルドグリーンもしくはコバルトブルーの透き通った水の色が目に飛び込んでくることだろう。
くれぐれもわき見運転にご注意を。

これぞ銚子川ブルー「砂碁」

これぞ銚子川ブルー「砂碁」

写真:津田 泰輔

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魚飛渓に入ってすぐ、左手にトイレが見えてくるのだが、そこから100メートルほど先に銚子川ブルーが最も色濃く見えるポイント「砂碁」がある。大小さまざまな奇岩が続く魚飛渓だが、ここだけは少し広い砂浜が広がっている。

川に降りる明確な道はないのだが、2ヶ所ほどガードレールの隙間から降りるルートが作られている。急な岩場を降りる必要があるのだが、ロープが設置してあったりするので、注意して降りてみよう。

これぞ銚子川ブルー「砂碁」

写真:津田 泰輔

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川に近づくとそこに広がるのは言葉を失うほどの美しい光景。川底まではっきり見える透明度にうっすらとブルーに輝く水の色。光の当たり方で、ブルーにもグリーンにも変化する。水はゆるやかに流れているものの、透明度が高すぎてまるで流れが止まっているようにも見えるぐらいだ。

これぞ銚子川ブルー「砂碁」

写真:津田 泰輔

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砂碁から下流側を見た景色がこれ。魚飛渓の中でここが最も川幅があり、流れもゆるやかなので、夏には水遊びに興じる子供たちであふれる場所でもある。少々不安なターザンロープも吊り下げられているので、家族連れで訪れるのも良いだろう。

川面が光に揺れる「千畳敷」

川面が光に揺れる「千畳敷」

写真:津田 泰輔

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次の絶景スポットは千畳敷と呼ばれる、とても広く平らな一枚岩が特徴の場所。ここも看板は標識もなく、ただガードレールの隙間から降りることができる。車なら少し広くなっている場所がある場所に駐車して川に降りよう。ここも急な斜面になっているので注意して降りてほしい。

川面が光に揺れる「千畳敷」

写真:津田 泰輔

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見下ろすと波紋を広げながら波打つ自然のプール。白い一枚岩がまるでプールサイドのようになっている。川に降りればこの岩の上にも行くことができる。

川面が光に揺れる「千畳敷」

写真:津田 泰輔

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千畳敷の岩の上、水際に立った写真がこれ。先に紹介した砂碁は水の流れが少なく静かで神秘的な雰囲気があったが、こちらは川の渓流が流れ込んでいるので、常に水面が波打ち、光がゆらゆらと揺れて明るい雰囲気の場所になっている。

見下ろせば水色の奇跡「魚飛つり橋」

見下ろせば水色の奇跡「魚飛つり橋」

写真:津田 泰輔

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千畳敷から少し進んだ先には吊り橋もかかっている。吊り橋の近くは道路も少し広くなっていて、車も停めやすい。また夏場限定で駐車場も設置されるので、魚飛渓の拠点として利用するのも良いだろう。ここより先は道も細くなっているので、普通の人はここからUターンして引き返すことをお勧めする。

吊り橋の床はクレーチングでできているので、歩きながら下の川を見ることもできる。なかなかのスリルなので、高所恐怖症の方はご注意を。ただ、ここから眺める眼下の景色が素晴らしい!必見の絶景ポイントだ。

見下ろせば水色の奇跡「魚飛つり橋」

写真:津田 泰輔

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橋の下も川が少し深くなって、色濃く水がブルーに染まっている。透明度も抜群で、川底の石ひとつひとつもはっきりと見ることができる。怖いくらいの深い色。
先ほどまでの千畳敷や砂碁は明るい水のイメージだったが、ここはもっと深くて暗いイメージ。これもまた銚子川ブルーの色なのである。

見下ろせば水色の奇跡「魚飛つり橋」

写真:津田 泰輔

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もともと銚子川は、水源の大台ケ原から高低差を一気に流れる急勾配の川である。これは、同じく「仁淀ブルー」と呼ばれる高知県の仁淀川とも共通する条件で、流域に人の手が入っておらず水の流れも速いため、美しい水のままで下流に達するのだ。

さらに大台ケ原から紀北町、尾鷲市などは日本屈指の豪雨地帯。年間降水量は日本平均の約2倍もあり、豊富な水量が美しい水を維持するのに寄与している。

また川底の石の白さも水が青く見える要因の一つ。白いからこそ水の色が際立つ。このようにブルーの名を持つ銚子川は、様々な自然条件が組み合わさってできた奇跡の川なのである。

人の手が入っていない自然の水は透明で美しい水色

銚子川の流れる紀北町は、面積の約9割を森林が占めている平野部の少ない地帯。人の手が入っていない自然の水は透明で美しい水色をしているのだと気づかせてくれる。

紀北町はまだまだ知る人の少ない場所ではあるが、熊野古道の伊勢路のなかで「最も美しい石畳」といわれる馬越峠があり、伊勢湾に面して豊富な海の幸にあふれ、中でもマンボウの串焼きなどここでしかない食べ物もあったりする。
歴史、自然、食べ物の揃う魅力あふれる場所。いつかクローズアップされて人が集まる前に一度訪れてみて欲しい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/01/14 訪問

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