新緑大仏に紫陽花大仏も!奈良・壷阪寺の特別拝観でご縁を結ぼう

新緑大仏に紫陽花大仏も!奈良・壷阪寺の特別拝観でご縁を結ぼう

更新日:2023/05/31 13:38

モノホシ ダンのプロフィール写真 モノホシ ダン 総合旅行業務取扱管理者、総合旅程管理主任者
奈良県の中部に位置する「高取町」は、旧高取藩の城下町です。高取山中には、山城としては日本一を誇る高取城跡の石垣が連なり、土佐街道と呼ばれる城下のメインストリートには古い町家が残されています。その高取町内の真言宗「壷阪寺」で、毎年春になると行われるのが「春の特別拝観」です。境内を覆う美しい新緑で心を癒し、特別拝観で眼病平癒の霊験あらたかな本尊十一面千手観世音菩薩とご縁を結んでみませんか?

城下町の面影を残す街並み「土佐街道」から「壷阪寺」へ

城下町の面影を残す街並み「土佐街道」から「壷阪寺」へ

写真:モノホシ ダン

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城下町の面影を残す街並みが続く「土佐街道」は、近鉄壺阪山駅から高取城に至る道で、当時のメインストリートでした。天空の城として有名な高取城跡へは、土佐街道を通って徒歩約2時間の道程です。

また高取城跡は、新緑のスポットとしても知られています。この機会に、高取城跡まで足を延すのもおすすめです。

<土佐街道の基本情報>
住所:奈良県高市郡高取町大字上土佐20−2(高取町観光案内所 夢創舘)
電話番号:0744-52-1150
アクセス:電車利用の場合は、近鉄吉野線「壺阪山(つぼさかやま)駅」下車すぐ
車利用の場合は、南阪奈道路葛城ICより約30分。西名阪自動車道郡山ICより約40分。高取町観光第一駐車場、または第二駐車場利用

城下町の面影を残す街並み「土佐街道」から「壷阪寺」へ

写真:モノホシ ダン

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その「土佐街道」から、車で約10分、徒歩で約40分のところに位置する西国三十三所第6番札所「壷阪寺」では、毎年春になると「春の特別拝観」が開催されます。

壷阪寺は、奉仕活動を行った縁でインドとの交流が盛んで、境内にはインド(天竺)から渡来した大きな石像がいくつもあります。その中で高さ15mの「壷阪大仏」と呼ばれる大釈迦如来石像はとくに有名です。

新緑と壷阪寺の境内を一緒に撮れるスポットもありますので、この時期だけの絶景をお楽しみください。

城下町の面影を残す街並み「土佐街道」から「壷阪寺」へ

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2007年(平成19年)に開眼法要を行った天竺渡来、大釈迦如来石像、いわゆる「壷阪大仏」は、境内の大石仏群の中の一体です。御前立に、十一面千手観音菩薩石像・文殊菩薩石像・普賢菩薩石像の三尊が居並び、まばゆいばかりのオーラを放っています。

「桜大仏」に続く壷阪寺の「新緑大仏」とは

「桜大仏」に続く壷阪寺の「新緑大仏」とは

写真:モノホシ ダン

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また「壷阪大仏」は、桜の開花時期には、まるで桜の衣を纏ったような姿から「桜大仏」と呼ばれています。いっぽう境内が新緑に包まれる季節には「新緑大仏」と言われています。新緑大仏は、例年4月下旬から7月上旬まで見ることができます。

「桜大仏」に続く壷阪寺の「新緑大仏」とは

写真:モノホシ ダン

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「新緑大仏」は、境内の特別遙拝台からの眺めがおすすめです。目にも鮮やかな葉桜や青モミジに覆われた大釈迦如来石像は、桜大仏に勝るとも劣らぬ美しさです。

「桜大仏」に続く壷阪寺の「新緑大仏」とは

写真:モノホシ ダン

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ほかに寺域の山の斜面にある、天竺渡来の「大涅槃石像」(手前)と「大観音石像」も必見です。大観音石像は、1983年(昭和58年)の開眼で、高さ20m、全重量は1200tもあります。

大観音石像の前にある大涅槃石像は、全長8mの涅槃像で、すべての教えを説き終えて入滅せんとするお釈迦様の姿を顕しています。

いずれの石仏も圧倒的な大きさなので、近づいてみてその巨大さを実感してみてください。

二大塔の同時初層開扉が行われる“春の特別拝観”

二大塔の同時初層開扉が行われる“春の特別拝観”

写真:モノホシ ダン

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ところで、壷阪寺の本尊十一面千手観世音菩薩は、眼病平癒の信仰が厚く、人形浄瑠璃『壺坂霊験記』でもその霊験が説かれています。

人形浄瑠璃のほかに、歌舞伎や講談などの演目にもなり、礼堂の裏手には物語の主人公「お里・沢市の像」もありますので、ファンの方には記念撮影に必見のスポットです。

二大塔の同時初層開扉が行われる“春の特別拝観”

写真:モノホシ ダン

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壷阪寺の“春の特別拝観”では、まず二大塔(多宝塔・三重塔)の同時初層開扉が挙げられます。いずれの塔内にも、平安時代作で秘仏の大日如来像が安置されています。

二大塔の同時初層開扉が行われる“春の特別拝観”

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三重塔は、境内の建造物の中で最も古い建物のひとつで室町時代の1497年(明応6年)に再建され、重要文化財に指定されています。

三重塔を建立したのは、当時、この地域を支配していた戦国大名越智氏で、その後、筒井氏との抗争で寺は猛火に包まれ、ほとんどの御堂は焼失しました。

しかし、この塔は兵火を免れ、それ以来、火難除けの塔、塔内にある大日如来も火難除けの仏として信仰されています。

<二大塔(多宝塔・三重塔)同時初層開扉の基本情報>
期間:2023年4月29日(土)〜7月2日(日)
拝観料:無料(別途入山料)

「壷阪観音お身拭い特別参拝」で観音様とご縁を結ぼう

「壷阪観音お身拭い特別参拝」で観音様とご縁を結ぼう

写真:モノホシ ダン

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壷阪寺の御本尊の十一面千手観音菩薩像は、礼堂(重要文化財)に続く本堂の八角円堂におられます。八角円堂は、周囲を回ることができ、大和平野や畝傍山、二上山などの山並みを見渡すことができます。

「壷阪観音お身拭い特別参拝」で観音様とご縁を結ぼう

写真:モノホシ ダン

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春の特別拝観で一番のおすすめが、「壷阪観音お身拭い特別参拝」です。壷阪寺の御本尊の十一面千手観音菩薩像の膝に特製の布で触れ、観音様とご縁を結ぶことができます。

<壷阪観音お身拭い特別参拝の基本情報>
期間:2023年4月29日(土)〜7月2日(日)
参拝志納金:500円(別途入山料)

「壷阪観音お身拭い特別参拝」で観音様とご縁を結ぼう

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壷阪寺の御朱印はいくつかありますが、基本の御朱印は「西国六番本尊朱印」(右)です。

ほかに、お寺でいただける全国で唯一の御城印「高取城御城印」が有名です。墨書きされている“高取芙蓉城”とは、高取城の別名です。

壷阪寺「大和三大観音あぢさゐ回廊」の紫陽花大仏とは

壷阪寺「大和三大観音あぢさゐ回廊」の紫陽花大仏とは

写真:モノホシ ダン

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ほかに初夏のイベントとしては、壷阪寺は、西国三十三所観音巡礼の奈良県内の霊場である岡寺、長谷寺とともに、3カ寺に咲く紫陽花を巡る「大和三大観音あぢさゐ回廊」に属しています。

壷阪寺では、春の桜大仏、初夏の新緑大仏で知られる壷阪大仏の周りをカラフルな紫陽花で飾る「紫陽花大仏」として彩色します。

壷阪寺「大和三大観音あぢさゐ回廊」の紫陽花大仏とは

写真:モノホシ ダン

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大仏の周りを飾る鉢植えの紫陽花では、紫陽花の種類にも注目です。一般的な西洋アジサイのほかに、八重咲のガクアジサイや、お皿のように丸くくるんと縁ができた花びらが特徴のおたふくアジサイなど珍しい紫陽花も見ることができます。

壷阪寺「大和三大観音あぢさゐ回廊」の紫陽花大仏とは

写真:モノホシ ダン

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また、壷阪大仏を間近に望む舞台には、6体の地蔵菩薩が隠れるようにしておられ、美しい紫陽花に囲まれて至福の表情を浮かべています。お地蔵様それぞれの手の形、いわゆる「印相」も異なりますので紫陽花とともに拝見してください。

なお壷阪寺がある高取町は、古来から薬業が盛んな地としても知られています。町の薬屋さんや、高取町観光案内所・夢創舘のすぐ裏手にある「くすり資料館」では、薬業の歴史を学ぶこともできます。土佐街道の散策や、壷阪寺の「春の特別拝観」で高取町を訪れたら、歴史体験の旅も楽しんでください。

<大和三大観音あぢさゐ回廊の基本情報>
開催期間:2023年5月27日(土)〜7月9日(日)
見学料:無料(別途入山料)

壷阪寺の基本情報

住所:奈良県高市郡高取町壷阪3
電話番号:0744-52-2016
入山時間:8:30〜17:00(受付は16:30まで)
入山料:大人600円(18歳以上)、小人100円(17歳以下)、幼児(5歳以下)無料
アクセス:近鉄吉野線「壺阪山駅」から徒歩約40分
車利用の場合は、有料駐車場利用

2023年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/11/26−2023/05/27 訪問

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