猪ラーメン300円!鹿パスタにラスカル鍋?京都・梅本商店の衝撃

猪ラーメン300円!鹿パスタにラスカル鍋?京都・梅本商店の衝撃

更新日:2018/02/19 13:52

澁澤 りべかのプロフィール写真 澁澤 りべか 西洋史ブロガー
ジビエ、なんて横文字が似合うようなお店ではありません。
調理師免許を持つ本物の猟師が、近くの山で撃った猪や鹿を自らさばいて出してくれる小さな猟師小屋です。手作り感あふれる簡素な小屋は、大人が10数人も入ればすでに満員。
新鮮な肉がたっぷりのった看板メニューの猪ラーメンはなんと300円!
これ目当ての行列ができる、知る人ぞ知る名店、梅本商店は京都府南部の綴喜郡にあります。

住宅街の一角に突然現れる猟師小屋

住宅街の一角に突然現れる猟師小屋

写真:澁澤 りべか

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猪が出そうな山並みが見える、京都府南部の綴喜郡井手町。
JR奈良線の無人駅「山城多賀」駅を山側に降りて数分歩くと、住宅街の十字路の一角に、大きな「猪ラーメン」の看板が現れます。
ここが地元で噂の「梅本商店」。家族経営の猟師メシ食堂です。

撮影当時、写真右端の青いケースの中では、撃たれたばかりの鹿が流水につけられていて、足がはみでていました。勇気のある人はそっとのぞいてみてください。

住宅街の一角に突然現れる猟師小屋

写真:澁澤 りべか

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青いケースの後ろの檻には、狩りのお供である甲斐犬が2〜3頭います。真っ黒で怖そうに見えますが、近づいても吠えることなく、ちぎれんばかりにしっぽを振ってくれて、とてもかわいいです。
店主は甲斐犬のブリーダーでもあり、頼めば子犬をゆずってくれます。

住宅街の一角に突然現れる猟師小屋

写真:澁澤 りべか

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食堂は、よしずと波板で作ってあり定員は10数人程度。
休日ともなると御覧のように行列ができ、親子連れも多いです。冬場は防寒対策必須。列が長くなると、お店から温かいショウガ茶がふるまわれます。

どれも肉たっぷり!猪ラーメンに鹿パスタ

どれも肉たっぷり!猪ラーメンに鹿パスタ

写真:澁澤 りべか

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誰もが一番に頼むのが、看板メニューの猪ラーメン。「初代・猪ラーメン」300円と「二代目・猪ラーメン」450円の2種類があります。

猪を仕留めた本人である大将に、2つのラーメンはどう違うのかと尋ねると「おいしいのんと、おいしくないの!」と豪快なお答え。
実際には、初代の方は昔ながらの中華麺を使っていて、いわば昭和の味。二代目はいま風の、かん水を使っていない麺。若い人向き。是非食べ比べてみてください。人によって好みが分かれます。
これがさっきの答えの意味です。

写真は「初代・猪ラーメン」。肉のダシがきいたほんのり甘いスープに、麺が見えないほど大量の猪!こんなに肉がのっているのに、全然しつこくない!

どれも肉たっぷり!猪ラーメンに鹿パスタ

写真:澁澤 りべか

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ラーメンと並んで猪チャーハンも人気です。やはり肉が多め。
お肉はまったく臭みがなく、柔らかい中にもやや噛み応えがあり、かみしめるたび旨味があふれてきます。
そしてこちらもスープ付きで350円とびっくり価格。大盛りは500円。
もし食べきれなかったら、持ち帰りオッケーです。

どれも肉たっぷり!猪ラーメンに鹿パスタ

写真:澁澤 りべか

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ラーメン、チャーハンと中華のメニューが続きましたが、パスタもあります。
写真は「チェルボ・ペペロンチーノ」。チェルボとはイタリア語で鹿のこと。具は鹿肉のみの鹿パスタ。しっかりした赤身のお肉!
ワインが欲しくなる味です。ボトルワインは1本1500円。
ほかに「チンギアーレ(猪)・ナポリタン」もあります。

「ラスカル鍋」ってまさか・・・?

「ラスカル鍋」ってまさか・・・?

写真:澁澤 りべか

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鍋メニューも充実していて、定番のボタン鍋はもちろん、鹿のしゃぶしゃぶもあり。
そして「不老不死の鍋」・・・。その正体は胎児鍋!!猪や鹿の胎児を使います。
驚くのはまだ早い。壁に貼られたメニューの中に、まさかの「ラスカル鍋」の文字を発見。そう、アライグマの鍋です。
環境省と相談しつつ食肉化を進めているということで、捕獲後に健康状態をしっかり確認した上で提供するため数量限定。独特の匂いがあるものの、コラーゲンたっぷりです!

これらのレア鍋は事前に在庫を確認してからお出かけください。
もちろんビール、日本酒など鍋に合うお酒もあります。
(写真上部に飾られた鹿の角は売り物です。)

「ラスカル鍋」ってまさか・・・?

写真:澁澤 りべか

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鹿肉や猪肉は持ち帰りや発送(別途、送料と箱代が必要)も可能。珍しいジビエの鍋やカツを自宅で楽しめます。ホームパーティーにおすすめです。

仕留めた直後に皮をはいでさばき、かちかちに凍らせた肉塊が店内の冷凍庫に保管してあります。調理する直前に店内でスライスして使っているので、お肉はいずれも新鮮そのもの。

正月の1月2日から5日ごろは鹿がたくさん獲れ、新鮮さを保つため、家族総出、ほぼ徹夜で皮をはぐ日々だそうです。
写真は、大将みずから鹿肉をスライスしているところ。

「ラスカル鍋」ってまさか・・・?

写真:澁澤 りべか

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京都駅から電車と徒歩で約40分。
みやびな古都ではなく、昔話にでてくるような田舎の京都の雰囲気を、山並みを臨む猟師小屋で満喫してください。大将もそのご子息も話し好きで、質問すると色んなことを教えてくれます。
冬場は近くにある龍王の瀧での、滝行体験も主催しているとか。
紹介した以外にもマムシや昆虫などの珍メニュー、季節に応じたオリジナルメニューがあります。

不定休ですので、営業しているか、お目当てのメニューがあるかなどを、お出かけ前に必ずお電話でお問い合わせください。大将が山に狩りに行っていて留守、なんてこともあります。

「梅本商店」の基本情報

住所:京都府綴喜郡井手町多賀下川42−1
電話番号:0774-99-4302
アクセス:JR奈良線「山城多賀」駅下車、徒歩3分。
不定休

2018年2月現在の情報です。
最新情報・詳細はお店に電話でご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2018/01/28 訪問

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