近鉄奈良駅からぶらぶらと15分ほど東に向かって歩いていくと、赤い鳥居の氷室神社が見えてきます。奈良時代、春日奥山に造られた氷室(氷の貯蔵庫)に氷の神(闘鶏稲置大山主命・大鷦鷯命・額田大仲彦命)を祀ったのが始まりとされ、のちに現在地に移築されました。大阪氷卸協同組合など製氷業者の信仰が篤く、神前にタイやコイ(本物です!)を封じ込めた高さ1mの氷柱が奉納される「献氷祭(5月1日)」は大変有名です。
通常は観光客もほとんど訪れず、大変ひっそりとした神社ですが、3月下旬ごろになると、一気に境内全体がピンク色の衣装を纏って、華やかさを増していきます。
氷室神社のしだれ桜は「奈良一番桜」と呼ばれ、奈良で最も早く開花する桜であると言われています。氷室神社の桜の開花を追うように、あちこちで桜が開花していくそうで、いわば古都の春の始まりを告げる大変縁起の良い桜なのです。
境内には何本かしだれ桜がありますが、最も迫力のあるものは、「四脚門」と呼ばれる門前に建つ一本です(上記写真参照)。こちらは樹齢約100年。長きにわたって多くの人々の目を楽しませてきた老木です。
参道や鏡池を中心に様々なしだれ桜が植えられていて、私達の目を楽しませてくれます。氷室神社ではこの境内を利用して、毎月1日の夕刻から夜に「氷献灯」と呼ばれるイベントが行われています。氷のオブジェの中にろうそくを灯し、参道や回廊を幻想的に照らし出します。毎月1日に開催されているので、ぜひ旅行のタイミングを合わせて訪れてみてはいかがでしょうか。
氷室神社の桜は、実は訪れるタイミングが非常に難しい事でも有名です。それもそのはず、他のしだれ桜と比べてもその開花がかなり早い事にその原因があります。例年、3月20日ごろから見頃を迎え、4月に入るとすでに散ってしまうようです。氷室神社の宮司さんのfacebookなどを利用して、よりベストな開花のタイミングをぜひ探ってみてください。
ちなみに、氷室神社のすぐ近くには奈良公園、東大寺、興福寺、奈良国立博物館、飲食店などの店舗が入った複合施設「夢風ひろば」など、奈良観光で是非訪れたいスポットが目白押しです。奈良駅からも近い市街中心地で、このような風景が楽しめるのは正に奈良ならでは、といったところでしょう。
【名前】氷室神社
【住所】奈良市春日野町1-4
【電話番号】0742-23-7297
【アクセス】近鉄奈良駅から徒歩10分から15分
奈良の春を告げる氷室神社のしだれ桜、いかがだったでしょうか。奈良には吉野や談山神社など桜の名所が数多くありますが、奈良市内でも気軽に素晴らしい桜が堪能できます。ぜひ周辺の観光やグルメと合わせて、一足早い奈良の春を感じに訪れてみてくださいね。
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(2024/9/17更新)
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