ブルガリア共和国「通称:ブルガリア」は、日本ではヨーグルトのイメージが強くあり、その他についてはあまり知らない、という人もいるかもしれません。ところがその歴史はとても古く、紀元前四千年頃の遺跡、黄金品が発見されており、考古学上はここに世界的な文明があったのではないかと議論されている場所です。
周囲を異なった国に囲まれて、東欧の歴史ではよくあることですが、異なった民族との戦いが長く続きました。東ローマ帝国に支配された期間もあり、その遺跡も町のいたる所に残されています。
そのブルガリアの首都ソフィアで「アレクサンドル・ネフスキー大聖堂」の基礎工事が行われたのは1882年。建物の着工は1904年、完成するのは1912年となり日本では大正元年となります。
3170平方メートルの敷地面積があり、建物は約5千人を収容出来る規模。特長的なドームが交差するバシリカ建築です。また、聖堂のドームは45mの高さとなりますが、鐘楼を含めると50mを越える高さとなり、大迫力と言えるでしょう。
ブルガリア総主教の拠点とされるアレクサンドル・ネフスキー大聖堂は、長らく続いたオスマン帝国の支配を終わらせた露土戦争 (1877年-1878年)がきっかけとなり建設されました。その理由はトルコ軍と戦ったロシア兵を追悼するためだったのです。
大聖堂入り口には聖者たちの絵が描かれており、この時点で既に大聖堂の美しさを感じることが出来るでしょう。
大聖堂の内部に入ると、窓には外からの淡い光が差し込み、独特の世界観を見せてくれます。
ところで大聖堂の名称となっているのは人物名です。アレクサンドル・ネフスキー(1220年−1263年)は聖者と位置付けられる人で、侵攻して来る他民族に対し数々の戦いに勝利しました。
アレクサンドル・ネフスキーは熱心な正教会信者でしたが、東欧のキリスト教は東方のキリスト教であり、一般的に日本人が思い描くイエス・キリストの像、あるいはマリア像が掲げられるキリスト教のイメージは西方となります。
聖者となった理由の一つに、東方に進出してきたカトリックの影響を排除することに熱心だったことが挙げられています。このようにキリスト教世界でも、実は東西に分かれた異なる歴史があることを知っておいて損はありません。
教会内に入り奥に進むと、そこは厳粛にして眩い世界。内部は様々な色で彩られていますが、イタリア産の大理石、ブラジル産のシマメノウ等が大胆に使われ、圧倒的な美しさと言えるでしょう。
ところで教会内部にはキリスト像がありません。これが東方キリスト教の特長と言えるのです。ではなぜなのかですが、像を使うことは偶像崇拝と考えられたことによります。しかしながらイコン画に代表されるようにイエス・キリスト、あるいは聖者を絵として信仰の対象として来た歴史もあるのです。
キリスト像、マリア像を目にしたことがある日本人からすると、まったく異なった印象を受ける教会内部ではないでしょうか。
なお、ブルガリア国内では約650万人の正教会信者がいると言われています。
教会内での注意点です。あくまでも信仰の場であることから、脱帽をしましょう。そして私語をしない、一般の方にカメラを向けない等、十分に注意をして下さい。
なお、大聖堂内での撮影は有料です。正門を入った右側に受付がありますので撮影を希望する場合には手続きを行い、内部撮影中に係員からチケットの確認をされた場合は対応出来るようにしておきましょう。
日が暮れて来ると、大聖堂は幻想的な雰囲気を作り出してくれます。時間の許す限り、光の世界を楽しんでみましょう。
段差がある足元に注意をしながら、大聖堂を一回りしてみてはいかがでしょうか。夕暮れとライトアップが作り出すコントラストを旅の思い出に残して下さい。
住所:Ploshtad Al. Newski 1 1000
電話:010-359-2-9881704
連絡先:Al. Nevski Sq., Sofia
2018年03月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
トラベルjpで250社の旅行をまとめて比較!
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索