写真:雲本 らて
地図を見るJR目黒駅から恵比寿ガーデンプレイスに向かう途中にある坂道で、2005年に「東京富士見坂」と名付けられています(それまでは無名坂)。坂道からの富士山眺望が特に優れている地点として、国土交通省が選定した「関東の富士見百景」(128景233地点)のひとつにもなっています。現地には、そのことを示す案内板も設置されています。
写真:雲本 らて
地図を見る東京富士見坂は富士見百景のひとつということで、この坂道に訪れた際は坂上からの景色にまず注目すべきです。ただ、坂道からの富士山眺望は、訪れる時期や時間帯がかなり限られています。まずは冬のよく晴れた日の朝方か夕方の時間帯を狙ってみましょう。うまくいけば、写真のように遠景に富士山が望める都心部随一の絶景が堪能できます。
写真:雲本 らて
地図を見る1年で坂上から富士山を眺めることができる時期は限られています。もし東京富士見坂を訪れて、富士山が見えなかった時は、坂道自体を楽しんでみるといいでしょう。閑静な住宅街の中を通る急坂は、上り降りするだけでも体力をつかうほどの傾斜具合です。都内でもこれほど坂道の雰囲気も良くて急な傾斜の坂道はそれほどはありません。ぜひそちらのほうでも楽しんでみてください。
写真:雲本 らて
地図を見るさらに難易度はあがりますが、東京富士見坂からは富士山はもちろん時期がぴったりとあえば、ダイヤモンド富士(富士山の山頂部と太陽が重なって見える現象)まで見ることができます。東京富士見坂からなら2月11・12日および10月30・31日の日没頃しか見えず、曇りや雨ならさらに日数は限られてきます。
なお、ダイヤモンド富士を見物もしくは撮影する際は、太陽を直接見ることになるのでサングラスなど直射日光を遮るアイテムがあれば快適に体験できると思います。ぜひこれらのアイテムも持参してチャレンジしてみることをおすすめします。
写真:雲本 らて
地図を見る東京富士見坂のひとつ北側の道にも「富士見坂」があります。大正後期にできた坂道で、目黒の富士見坂と言えばこちらの坂道のことを指し地域の人たちに親しまれてきました。
このあたり一体はかつて千代が崎と呼ばれ、江戸時代の頃は東に品川の海を、西に富士山を眺めることができる眺望のよい場所だったそうです。また江戸名所図会には「景色の優れたところで、松平主殿頭の別荘「絶景観」があったところ」と記されています。古地図で確認しても別荘「絶景観」があったところには、松平主殿頭の下屋敷の記載があり、その規模の大きさもかなりのものです。
写真:雲本 らて
地図を見るまた、松平主殿頭の下屋敷内には、千代が池という大きな池があったと伝えられています。南北朝時代に武将新田義興が遠く離れた戦地で最後を遂げたのを知り、それを悲しんだ当時の側室の千代が身を投げた池だったことから、その名がつけられたという記録が残っています。
なお、千代が池は長さ約100m、幅約45mほどの大きさがあり、三田用水を利用した水が滝となって池に落ちる景色が雄大だったことから、「目黒千代か池」と題して歌川広重が浮世絵で描いている場所としても有名です。
写真:雲本 らて
地図を見る目黒の富士見坂からは富士山は見えないといわれることが多いのですが、実は見えます!こちらも東京富士見坂と同様、冬のよく晴れた日の朝方か夕方の時間帯に訪れることができれば、ビルの向こうに富士山を眺めることができます。東京富士見坂に比べると、ビルに隠れて見えないポイントが多いので、現地でもわかりにくいのですが、今回の富士見坂でいえば、坂上あたりから見ればなんとか富士山眺望が体験できます。
今回は、目黒の富士見坂とあわせて、富士見百景のひとつでもある東京富士見坂についても紹介してみました。江戸時代から存在する富士見坂が都内にはいくつかある中で、どちらも歴史の浅い坂道ではありますが、現在の東京都心部という限られた条件でいえば、坂道から富士山を綺麗に見ることのできる唯一の場所です。そしてこれらは地形や現在の高層ビルの立地状況などの条件がうまく重なり、なんとか見ることができているとも言えます。
ぜひともこのような体験が都心部でもまだできるうちに歩いて体験してみることをおすすめします。
<基本情報>
東京富士見坂
所在地:東京都目黒区目黒1丁目1と2の間および品川区上大崎2丁目24と23の間
アクセス:JR・目黒駅より徒歩4分
富士見坂
所在地:東京都目黒区目黒1丁目2と3の間
アクセス:JR・目黒駅より徒歩5分
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(2024/4/20更新)
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