三峰川と藤沢川の二つの川の合流付近のこの地に、かつては高遠城がありました。
古くは諏訪一族が支配していましたが戦国時代、武田信玄が侵略。武田氏の支配下になり、その後山本勘助が城を改修し、武田家滅亡後たびたび城主を変えながらも、城は江戸時代まで存続しました。
ところが明治になり政府より民間に「売却」された高遠城はその建物すべてが取り壊され荒れ放題に…。
その状況を見た旧高遠藩士が、桜の馬場(馬場とは馬の練習をするところ。江戸時代には馬場の堤によく桜が植えられていた)より桜を移し公園として整備され、現在では桜の名所として人々の目を楽しませています。
アクセス
電車:JR飯田線 伊那市駅・伊那北駅〜バスで25分
車 :中央自動車道 諏訪IC〜R152経由で50分(東京方面から)
伊那IC〜R361経由で30分(名古屋方面から)
少しアクセスしにくい場所にありますが、ここでしか見られない1500本もの可憐な「タカトオコヒガンザクラ」はわざわざ足を運んででも見ておきたい場所。
桜の時期には桜祭りが開催され、ライトアップ(日没〜22時)もあるので、最盛期の周辺道路はいつも渋滞です。
筆者は満開の時期の日曜日に行きましたが着いたのが14時過ぎだったせいか比較的スムーズに一番近い駐車場(有料)に入れました。帰る側の道路は渋滞がおきていましたが…。日曜日に行く場合は午後の方がねらい目かもしれません。
入園料:桜の咲き始めから散り終わりまで 大人500円、小人250円
開園時間:8時〜22時(最盛期:6時〜22時)
見頃:4月中旬
タカトオコヒガンザクラはコヒガンザクラの亜種、高遠の固有種で日本全国でもこの高遠にしかない桜。
筆者はこの高遠城址公園を初めて訪れた時に
「赤みのあるピンクで小さくて、なんて可憐な花なんだろう」
と思いました。
その時はまだ咲き始めでしたが、2013年の満開の時期に訪れると花の色が白い気が…。
気のせいかとも思いましたが、地元の方の話では
「理由はわからないけど、今年はなぜかいつもの年より花の色が白い」
とのことでした。何らか気象条件で例年より色が白くなってしまったのかもしれません。
上の画像は2008年に訪れた時の写真で、花の色が赤みを帯びています。
城址公園の桜がもっとも美しく見えるお勧めの場所がこの「桜雲橋」。二の丸から本丸の間の堀にかけられている橋で、この橋の下を歩くこともできます。
両側の橋の袂から桜が堀を覆うよう伸びているいるので橋が雲(桜)の中にあるみたいに見える、まさしく「桜雲橋」ですね。
二の丸側からの橋入口には高遠城下より移築した「問屋門」があり、「桜雲橋」とともに絶好の写真スポットになっています。
公園内は1時間もあれば十分に見て回れる広さですが、よく整備され見応えは十分。桜が咲き誇るその様子は「桜のための城跡」と言っても過言ではないでしょう。高遠城時代の建築物は何も残っていませんが、空堀や土塁などは当時のまま。その遺構も桜の引き立て役となっているのかも知れません。
また公園のシンボル的な存在、赤い屋根の高遠閣は昭和11年の建築。有形文化財に登録されていますが、休憩所として利用することができます。(桜最盛期:利用料200円)
数ある桜の名所の中で、古くから高遠城址公園が「天下第一の桜」と称されてきたのは1500本もあるその規模はさることながら、タカトオコヒガンザクラという他にはない種類の桜だからではないでしょうか。
ソメイヨシノがたくさん見られるところは全国的にも多いですが、この桜はこの「高遠」の地でないと見ることができないのです。
可憐でありながら天下第一、そんな桜を見に一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
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(2024/9/9更新)
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