まずはルツェルン鉄道中央駅を出ると目の前に飛び込んで来る、長さ204mの屋根付きの木製の橋「カペル橋」を見学しましょう。
この橋は1333年にルツェルンの街を防衛する為に建造されました。この橋の途中には「水の塔」と呼ばれる、高さ43mほどの八角柱の塔が立っており、かつて監獄や拷問所として使われていました。
橋の内側の梁の部分には、17世紀に描かれたルツェルンの歴史を表す一連の絵があります。1993年に起きた大火災により橋の大部分が焼けてしまい、絵の多くも焼失してしまいました。
しかし、ルツェルン市民の意地と誇りで、あっと言う間に橋も絵も再建されました。ぜひ修復された橋と絵に注目しながら渡って下さい。木の色の違いで、再建された部分とオリジナルの箇所が分かるでしょう。
カペル橋の下に流れるロイス川を上流方面に7分ほど歩くと、カペル橋と同じような屋根付きの木製の橋「シュプロイヤー橋」が見えてきます。規模こそはカペル橋よりも小さいながら、橋の中央部には17世紀に作られた立派な礼拝堂が設けられており、こちらも見応えがあります。橋は礼拝堂を中心にして、南側が1408年建造のオリジナル、北側が19世紀頭に再建されたものです。
梁にはカペル橋同様に一連の絵が描かれていますが、こちらは67枚からなる「死の舞踊」という物語になっています。これは1625年からスイス人画家カスパー・メグリンガーが35年もの年月をかけて描き上げた大傑作。後期ルネッサンスにおけるスイス絵画の重要作品の一つです!
シュプロイヤー橋から上流へ少し歩いて行くと、ムゼック城壁が見えてきます。ここは毎日のように観光客が多く訪れる人気の高いルツェルンの観光スポット。壁の始まりの目印は太いネーリ塔です。ここを起点にして城壁を巡りましょう。
今も旧市街に残るムゼック城壁は1386年に築かれ、現在見られるものは全長約900mの城壁と9つの塔です。
壁の周囲は美しい自然に囲まれており、初春から晩夏にかけては緑が大変美しく、のんびりと歩くのに最適。のどかで優雅なひと時を過ごせるでしょう。この途中に次の段落で紹介する農家経営のレストラン「ホフバイツ・ヒンテル・ムゼック(Hofbeiz Hinter Musegg)」があります。天気の良い日はこちらで食事をするのがおすすめ!
現在残る塔は9つ、そのうち「シルメル塔」「時計塔」「ヴァハ塔」「メンリ塔」の4つは上に登ることができます。
塔から眺めるルツェルンの街並みは実に見事でなのでおすすめです!旧市街の赤茶色の屋根瓦、その背景に広がる湖と山々の景色は訪れる人を優雅な気持ちにさせてくれるでしょう。ぜひここを訪れたのなら、いずれかの塔に登ってみてください。何回登っても毎度違う感動がありますよ。
<ムゼック城壁・基本情報>
住所:Schirmertorweg
営業時間:4月1日〜11月1日8:00〜19:00
※塔は12月〜3月のみ閉鎖。
ムゼック城壁の途中にある農家直営のオーガニックレストラン「ホフバイツ・ヒンテル・ムゼック(Hofbeiz Hinter Musegg)」。ここはナチュラル志向の人々が集まる、酪農大国ならではのスイスらしいレストランです。採れたての野菜や果物をふんだんに使った料理や、新鮮な卵、搾りたての牛乳から作られるチーズやバターなど魅力的な食材を活かした食事を提供しています。暖かく天気の良い日には、ぜひここへ寄り道をしてゆったりと贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
レストランのメニューもスイスの農家らしい品々ばかり!メインはハムプレート(Trockenfleisch-Blattli)やチーズプレート(Kase-Blattli)、ハンバーガーなど。「おやつプレート(Zivieri-Blattli)」というスイスの食事文化をよく表したメニューもあります。食材は全てオーガニック!
ここで「おやつプレート(Zivieri-Blattli)」について少し説明をします。昔のスイスは農民たちは早朝から夕刻まで働く必要があったため、朝食と昼食、昼食と夕食の間にも軽食をとるという習慣がありました。Zivieri(ツフィエリ)とは「午後の軽食」という意味です。ちなみに午前の軽食は「Znueni(ツニュウニ)」。その習慣は現在では、一般家庭にも浸透しており、日本のおやつのような感覚です。
デザートは、作りたてのミルクアイスクリームとアップルケーキのクリーム添えなど、農家らしい素朴なものを提供しています。カフェとして利用するのもおすすめです!
こちらのメニューは日曜限定の9:30〜17:00まで楽しめるサンデーブランチ・ビュッフェです。焼きたてパン、農家で採集した果物から作ったジャム、新鮮なゆで卵、もぎたてのりんご、ベーコン、焼き菓子など、どれも素材の味を最大限に活かしています!ランチとしても十分に楽しめる内容。
地方に行かずとも農家の食事を体験できるのは貴重です!ぜひ立ち寄ってみてください。
<ホフバイツ・ヒンテル・ムゼック基本情報>
住所:Diebold-Schilling-Strasse 13
Tel:+41-(0)41-412-1931
営業時間:水〜土11:30〜19:00、日9:30〜17:00、月・火は休み
※10月〜4月は営業していません。
ムゼック城壁を最後まで辿ると旧市街の外れに出ます。ここにはスイスの歴史を語るにおいて重要な「瀕死のライオン像」があるので必見。徒歩わずか数分程度です。
砂岩に美しく掘られた「瀕死のライオン像」を目の前にすると想像よりもずっと大きかったという印象を受ける人が多いかもしれません。この像は1792年に勃発したフランス革命の際、フランス王家のルイ16世とマリー・アントワネットを守護するために最後まで果敢に戦い命を落とした勇敢なスイス兵を讃えて、1821年にデンマーク人彫刻家、トルバルセンによって制作されました。
像の上部に「ヘルヴェティア人の信仰と美徳に寄せて(HELVETIORUM FIDEI VIRTUTI)」というラテン語の碑文が見られます。
瀕死のライオン像を見学した後は、旧市街地へ足を伸ばしてみましょう。小さな旧市街なので、徒歩で十分回れる規模です。街のところどころに美しいフレスコ画が描かれているので近づいて見てみましょう。
写真はヒルシェ広場。建築年は定かではありませんが、左手の白い建築物はネオゴシック様式で19世紀ごろに作られたという記述が残っています。豪華な装飾のフレスコ画がとても印象的。
ヒルシェ広場から南西方面へ1分程足を運ぶとヴァインマルクトと呼ばれる広場に出ます。美しいフレスコ画がファサード(建築物の正面部分)に描かれたこの建物はルツェルンの老舗ホテル、ホテル・デ・バランス。そのファサードがあまりにも美しい為に、装飾画目当てで訪れる観光客は後を絶ちません。ちなみに、このホテルの反対側はロイス川に面しており、カペル橋がよく見えます。天候が良ければ近郊のピラトゥス山も眺めることも出来ますよ。
ヴァインマルクトから西へ数歩の場所にあるお茶専門カフェ「ブレンド・テーハウス(Blend Teehaus)」。オーガニックにこだわりを持つ店長の選りすぐりのお茶が50種類ほどあり、バラエティーに富んでいます。インテリアは、落ち着いた色で統一されており、歩き疲れた体を休めるのにぴったり!店内は小さなスペースながらも味わい深いお茶とともにゆったりと静かに寛げるカフェです。
またブレンド・テーハウスでは、軽食をとることもできます。全ての素材はお茶同様にオーガニックで、食事メニューはビーガン。日曜日の「オリエンタルブランチ」は特に人気です。出されるメニューは、パンケーキ、サツマイモのレシュティ、オリーブ、フムス(ひよこ豆のペースト)、手作りスプレッド各種など、種類豊も富。
<ブレンド・テーハウス・基本情報>
住所:Furrengasse 7
Tel:+41-(0)41-545-8527
営業時間:火〜土11:00〜22:00、日10:00〜17:00、月休み
※食事を出す時間は火〜土12:00〜14:00/17:00〜21:00、日10:00〜14:00
続いてはロイス川を渡った向かい側の素敵なカフェ「マルディグラース(Mardi Gras)」にご案内しましょう。上記のブレンド・テーハウスとは異なり、ヨーロピアン・クラシックな雰囲気を持つカフェで特に女性に人気。内装は清潔感ある白い壁に素晴らしい絵画が多く配され、まるでギャラリーの中でお茶をしているようです。
カプチーノやラテ・マキアート、ブラックコーヒー、ミルクコーヒーなど、コーヒーの種類は多く選べます。手作りケーキとともに夜まで素敵なひと時を過ごしませんか?
ミルクフォームをたっぷり乗せたカプチーノの味は格別。たっぷりと掛かったココアパウダーは、旅の疲れた体にとても嬉しいです。
<マルディ・グラース・基本情報>
住所:Burgerstrasse 5
Tel:+41-(0)79-455-8520
営業時間:月12:00〜21:00、 火−金7:00〜21:00、土7:00〜20:00、 日9:00〜18:00
ここで紹介した周遊プランは、スイス一美しいと言われるルツェルンを1日で十分に楽しめる内容となっています。ルツェルンの象徴カペル橋、城壁の塔の上から見下ろす旧市街、白鳥が浮かぶ穏やかな湖、その背後に広がる雄大なアルプスの山々、フレスコ画が施された中世の建物と石畳の旧市街地、そして素敵なカフェで過ごすゆったりとした時間。ルツェルンっ子になったような気分で優雅な一日を過ごしてみて下さい!
※2018年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
【この記事は スイス政府観光局 とのタイアップです】
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