千眼桜に西行桜、業平桜も!京都洛西で必見の3名桜

千眼桜に西行桜、業平桜も!京都洛西で必見の3名桜

更新日:2018/03/16 14:28

京都西京区大原野は、延暦3年(784年)に平城京から遷都された長岡京に近く、平安時代には皇族や貴族が優雅な鷹狩りを楽しんできた場所で、静かな里山の風景が広がる地域です。

その大原野の西に位置する小塩山の麓には、大原野神社、勝持寺、十輪寺といった古寺があり、その境内に咲く桜にはそれぞれ「千眼桜」「西行桜」「業平桜」と名付けられた名桜があります。今回はその3名桜を紹介します。

京春日(きょうかすが)大原野神社

京春日(きょうかすが)大原野神社
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大原野神社は、京都市初の計画市街地「洛西ニュータウン」の西、小塩山の東の麓にある神社で、最寄りの阪急バスのバス停「南春日町から山の方向に向かって徒歩10分ほどの場所にあります。

延暦3年(784年)長岡京遷都の際に、この大原野の地で天皇が鷹狩りをしたことがきっかけで、藤原氏が奈良春日大社を勧請(神仏の分霊を他の場所に移し祀る)して建立された、と伝えられています。

京春日(きょうかすが)大原野神社
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まっすぐに進む参道には入り口から「一の鳥居」「二の鳥居」「三の鳥居」の三つの大きな鳥居があり、参道の両側に桜の木がたくさんあります。

京春日(きょうかすが)大原野神社
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本殿手前の「三の鳥居」の右手にある、南北、東西とも約40メートルほどの大きさの「鯉沢の池」。奈良の興福寺「猿沢(さるさわ)の池」を模して作られたと伝えられていて、池の周囲にも桜の木がたくさんあります。

見頃が短く“幻の桜”とも言われる大原野神社「千眼桜」

見頃が短く“幻の桜”とも言われる大原野神社「千眼桜」
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「千眼桜」は、一重の枝垂れ桜で純白の花を咲かせ、満開時には豪華な姿を見せますが、見頃が2〜3日と短いため「幻の桜」といわれています。

見頃が短く“幻の桜”とも言われる大原野神社「千眼桜」
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千眼桜は1本の枝にぼんぼりのように花が咲き、眼がたくさんあるように見えるところから、「千眼桜」と呼ばれるようになりました。

見頃が短く“幻の桜”とも言われる大原野神社「千眼桜」
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千眼桜の満開は毎年4月上旬です、運良く満開の桜に出会えたなら、千眼、つまり千の願いが叶うといわれています。

<基本情報>
住所:京都市西京区大原野南春日町1152
電話番号:075-331-0014
アクセス:阪急バス「南春日町行き」に乗車 終点「南春日町」下車徒歩10分(バスは1時間に2本程度)
「千眼桜」の見ごろは、例年4月10日前後

“花の寺”勝持寺

“花の寺”勝持寺
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大原野神社に隣接して、勝持寺があります。大原野神社の一の鳥居の前から大原野神社駐車場横の車道沿いに坂道を進むと、ほどなく勝持寺の仁王門に向かう階段が見えてきます。

延暦13年(794年)に平安京(京都)に遷都された時代より前、平城京(奈良)に都があった時代の「白鳳8年(679年)天武天皇の勅によって、神変大菩薩役の行者(祇園祭の「役行者山」のご神体にもなっています)により創建されています。

“花の寺”勝持寺
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勝持寺は、西国薬師四十九霊場(薬師瑠璃光如来をまつる大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、和歌山、三重の七府県四十九ヶ寺の西国薬師霊場)の一つです。四十九ヶ寺の中には、木津川市の浄瑠璃寺、伏見の醍醐寺、東山泉涌寺塔頭の雲龍院 高雄の神護寺、大原の三千院、比叡山の延暦寺 など著名な寺々もあります。

勝持寺は「花の寺」とも呼ばれ、四季折々の花が咲くことで有名ですが、境内には数種類約100本の桜が植えられ、その大半を占めるソメイヨシノは例年4月上旬に満開となります。

“花の寺”勝持寺
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小高い山の中腹にあるので、京都市の南の市街をはるか彼方に見ることもできます。

能狂言でも描かれる勝持寺「西行桜」

能狂言でも描かれる勝持寺「西行桜」
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境内中央の鐘楼の横に、この寺で出家した西行法師が植えたといわれる名桜「西行桜」があります。

能狂言でも描かれる勝持寺「西行桜」
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室町時代に、世阿弥により作られた能楽作品の「西行桜」。西行が「美しさゆえに人をひきつけるのが桜の罪なところだ」という歌を詠んだところ、夜、西行の夢に老桜の精が現れ、桜に罪はないと述べ、「煩わしいと思うのも人の心だ」と西行を諭し、静かに舞を舞い、やがて夜明けと共に消え失せてしまう、という物語です。

能狂言でも描かれる勝持寺「西行桜」
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酒の戒めを説く狂言「花折(はなおり)」に登場する桜もこの「西行桜」と言われています。

<基本情報>
住所:京都市西京区大原野南春日町1194
電話番号:075-331-0601
アクセス:阪急東向日駅・JR向日町駅より
阪急バス「南春日町行き」に乗車 終点「南春日町」下車徒歩20分(バスは1時間に2本程度)又は、阪急桂駅西口から、京都市バス西2系統、洛西高校前下車約2km徒歩約30分(バスは1時間に数本程度)
「西行桜」の見ごろは、例年4月上旬

業平寺(なりひらでら)と称される十輪寺の「業平桜」

業平寺(なりひらでら)と称される十輪寺の「業平桜」
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勝持寺、大原野神社から南に約2.5Kmほどの場所に在原業平が晩年に閑居していた十輪寺があります。業平寺(なりひらでら)と称され、桜の時期に「業平桜」が咲き誇ります。この十輪寺から、2Kmほど道なりに山を登って行くと、四季折々の花が美しく、特にあじさい時期に観光客が押し寄せる「善峰寺」に行くことができます。

業平寺(なりひらでら)と称される十輪寺の「業平桜」
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十輪寺は、嘉祥3年(850年)文徳天皇が染殿皇后の安産祈願のため伝教大師作の延命地蔵を安置したのが起こりで、平安時代初期の貴族・歌人の在原業平が晩年閑居し、塩焼きの風情を楽しんだお寺と言われています。

業平寺(なりひらでら)と称される十輪寺の「業平桜」
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「三方普感の庭」と呼ばれる庭に「業平桜」が植えられていて、立って見る・座って見る・寝て見る、の自由な三つの見方で桜・庭園を楽しめる場所になっています。

<基本情報>
住所:京都市西京区西京区大原野小塩町481
電話番号:075-331-0154
アクセス:阪急東向日駅・JR向日町駅より
阪急バス「善峯寺行き」に乗車 小塩下車徒歩約1分(バスは1時間に1本程度)
「業平桜」の見ごろは、例年3月下旬〜4月上旬

大原野は四季折々の散策に最適

今回紹介した大原野神社、勝持寺、十輪寺は紅葉の名所としても有名です、京都市内からの交通が少し不便なので、観光客もそう多くありません、桜の季節を訪れたら、ぜひ次は紅葉の季節にも来て、静かな古都の風景を楽しんでください。

また、大原野一帯には他にも、京都盆地を一望出来る金蔵寺、三鈷寺、あじさいで有名な善峯寺などがあるので、歴史と自然を感じながら、古都の一日を過ごしてみると良いでしょう。

2018年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2016/04/06−2017/04/12 訪問

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