フィレンツェ「サン・ミニアート・アル・モンテ教会」絶景と芸術を堪能できる穴場!

フィレンツェ「サン・ミニアート・アル・モンテ教会」絶景と芸術を堪能できる穴場!

更新日:2018/07/25 15:17

中山 久美子のプロフィール写真 中山 久美子 日伊通訳&コーディネイター、ライター
世界遺産の芸術の町・フィレンツェは、年間を通じて世界中からたくさんの人が訪れます。そんな旧市街を見下ろす丘の上に建つのが、サン・ミニアート・アル・モンテ教会。フィレンツェを見渡す絶景ポイント・ミケランジェロ広場から徒歩10分ほどなのに、更に高い場所からのフィレンツェの全景を見られる穴場的スポットとなっています。教会内部はモザイクなど数々の作品があり、絶景だけでなく芸術鑑賞まで楽しめます。

ファサートのキリストが見つめるのは、美しきフィレンツェの一大パノラマ

ファサートのキリストが見つめるのは、美しきフィレンツェの一大パノラマ

写真:中山 久美子

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サン・ミニアート・アル・モンテ教会は、絶景で有名なミケランジェロ広場から10分ほど歩いたところ。たったこれだけの距離なのに、ここに足を延ばす観光客はほんのわずかなので、とても落ち着いた場所になっています。

長い階段を上っていくと、幾何学的な模様の入った端正なファサートが見えてきます。ファサートの中央部にあるのは、13世紀作の「玉座のキリスト、マリア、聖ミニアート」の黄金モザイク。キリストがこの何世紀もの間ずっと、フィレンツェの町を見守ってきたようにも見えますね。

ファサートのキリストが見つめるのは、美しきフィレンツェの一大パノラマ

写真:中山 久美子

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キリストの目線を追うように振り向くと、そこにはフィレンツェの美しき姿が。ミケランジェロ広場よりも高い位置にあるので、緑に囲まれたフィレンツェの町全体の様子をよく見ることができるんです。

教会の中に入ってからも、中央の開いた扉から外を見てみてください。そこから見えるフィレンツェは、額縁に入ったひとつの絵画のようですよ。

モザイクからフレスコ画まで、教会内部はまるで美術館のよう

モザイクからフレスコ画まで、教会内部はまるで美術館のよう

写真:中山 久美子

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この教会は、250年にフィレンツェで殉死した聖ミニアートの聖遺物を納めるため、1018年から建設が始まりました。ロマネスク様式のこの教会、内部は一見簡素な三廊式になっていますが、数々の芸術作品で埋め尽くされているのです。

中央部のミケロッツォ設計の「十字架の礼拝堂」は、現在は修復の真っ最中(完成予定は2018年4月末)。その後ろで教会は上下に分かれ、下は聖ミニアートの聖遺物が祭られた地下礼拝堂、いっぽう上には内陣があります。

内陣へ向かう階段を上がってまず目を奪われるのが、主祭壇の後ろ、後陣上部にあるモザイクでしょう。金色に輝くそのモザイクは、1297年頃の製作。ファサートと同じように中央にはひときわ大きなキリストが、そして左右対称に聖ミニアートとマリアが配置されています。

モザイクからフレスコ画まで、教会内部はまるで美術館のよう

写真:中山 久美子

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教会全体が白と緑の大理石で、幾何学的な規則正しいデザインを採用していますが、圧巻なのがこの2階の内陣スぺース。内陣席を囲む壁や説教壇などには、黄道帯をモチーフにした装飾パネルがはめ込まれ、その緻密さに吸い込まれるように見入ってしまいます。説教壇は1207年の製作で、鷲・人・ライオンが縦に連なった彫刻も印象的。それぞれの姿は、四福音書の著者であるヨハネ、マタイ、マルコを意味しています。

モザイクからフレスコ画まで、教会内部はまるで美術館のよう

写真:中山 久美子

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内陣の主祭壇向かって右側にあるのが聖具室。中に入ってすぐ、上部四方に描かれたフレスコ画を息をのんで見入ってしまうでしょう。設立当時はベネディクト派の教会だったことから、聖ベネディクトの生涯が描かれています。

その他にも、左側廊の「ポルトガルの枢機卿の礼拝堂」や、大理石床の黄道帯装飾、右側廊の下絵で残ったままのフレスコ画など、教会の中は芸術作品で溢れています。時間を忘れて、ゆっくりと隅々まで鑑賞してみてくださいね。

ピノッキオの作者など著名人が眠る、「聖なる扉」記念墓地

ピノッキオの作者など著名人が眠る、「聖なる扉」記念墓地

写真:中山 久美子

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サン・ミニアート・アル・モンテ教会への階段を上ってくると、またテラスから下を眺めてみると気づくのが、立派なお墓の数々。ここは1848年から、「聖なる扉」と名のついた市営の記念墓地となっています。

お墓は教会の前だけでなく、教会の後ろにも広がっています。教会向かって左側の石のアーチをくぐると、すぐ右側に門があり、そこに著名人のお墓マップが貼ってあります。世界中で知られる「ピノッキオ」の作者のコッローディや、スタイリストのエンリーコ・コーヴェリ、映画プロデューサーでサッカーチーム・フィオレンティーナのオーナーでもあったマリオ・チェッキ・ゴーリなど。お目当ての人物のお墓があれば、マップから名前を探して、お墓参りをしてみましょう。

ピノッキオの作者など著名人が眠る、「聖なる扉」記念墓地

写真:中山 久美子

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お目当てのお墓がないとしても、ぜひ墓地の散策もしてみてください。それぞれのお墓や礼拝堂は、芸術的に見ても価値が高いものも多く、ここでも一種の芸術鑑賞もできるからです。そして、フィレンツェゆかりの人物が眠る中に身を置くだけで、心身ともに浄化されるような、時間が後戻りしたような不思議な感覚に包まれますよ。

修道士さんが作る製品のお店で、旅の思い出を購入しよう

修道士さんが作る製品のお店で、旅の思い出を購入しよう

写真:中山 久美子

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教会向かって左側には、付属薬局があります。店内にあるのは、この教会にいるオリヴェート派の修道士さんと、近郊のベネディクト派・オリヴェート派の修道院で作られた製品たち。薬局と言っても、作っているのはお薬ではなく、自然原料を使ったソープ、クリームやハチミツなど。絵葉書や教会に関する書籍、美しい絵柄の陶器などもあるので、お土産や自分への記念となる品も購入することができます。

修道士さんが作る製品のお店で、旅の思い出を購入しよう

写真:中山 久美子

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店員さんは、現役の修道士さん。質問すると、優しく答えて下さいます。開店時間は午前・午後とも2時間づつなので、お店に興味がある方は、開店時間を下記公式サイトからチェックしてから足を運んでくださいね。

サン・ミニアート・アル・モンテ教会の基本情報

住所: Via delle Porte Sante, 34 Firenze
電話番号:+39-055-2342731
アクセス:フィレンツェSMN駅前よりATAFバス12番で約30分(帰りは13番)、ミケランジェロ広場より徒歩約10分

2018年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2017/10/26 訪問

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