長崎佐世保でまち歩き、ツアー参加で極秘エリアや海軍カレーを

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長崎佐世保でまち歩き、ツアー参加で極秘エリアや海軍カレーを

長崎佐世保でまち歩き、ツアー参加で極秘エリアや海軍カレーを

更新日:2018/03/31 18:49

塚本 隆司のプロフィール写真 塚本 隆司 ぼっち旅ライター

海軍の街・佐世保の観光は、まち歩きがおすすめ。明治初期、海防力強化を急ぐなかで生まれた街には、見るべきスポットがあふれている。
巨大なクレーンがある港の風景、鎮守府跡に残る史跡、海上自衛隊佐世保基地の歩みと現在、そして海軍カレー。長崎佐世保を語るに欠かせないものばかり。
効率的にまわりたいなら、まち歩きツアー「海軍さんの散歩道」がオススメ。ツアーでなければ立ち入れない秘密のスポットもあるのだ。

佐世保のランドマーク、SSK250トンクレーン

1886(明治19)年、人口4千人ほどだった長崎県佐世保村。1889(明治22)年に佐世保鎮守府が開庁され、急速に海軍の街へと発展していく。西欧列強に対抗する海軍力強化を急ぐ日本にとって、佐世保湾は三方を山に囲まれ守りやすく、水の確保が容易なうえ後背地に開発の余地がある新たな軍港地の要件を満たしていたのだ。

1902(明治35)年には「村」から「市」になり人口は約5万人の軍港都市へと成長。戦後も造船業で栄え、今や25万人都市だ。

佐世保のランドマーク、SSK250トンクレーン

提供元:佐世保観光コンベンション協会

https://www.sasebo99.com地図を見る
佐世保のランドマーク、SSK250トンクレーン

提供元:佐世保観光コンベンション協会

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写真は佐世保のランドマークともいわれる、ジャイアント・カンチレバー・クレーン。「SSK250トンクレーン」とも呼ばれ、佐世保港の風景に欠かせないものになっている。1913(大正2)年にこの地に設置されものだ。

多くが老朽化を理由に撤去されるなか、今も稼働している貴重なクレーンのひとつで「佐世保重工業250トン起重機」として国の登録有形文化財に指定されている。

佐世保のランドマーク、SSK250トンクレーン

写真:塚本 隆司

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クレーンの名称にもある「SSK」とは「佐世保重工業株式会社佐世保造船所」のこと。設立当初の社名である「佐世保船舶工業」の頭文字が今も通称として使われている。
旧海軍工廠を引き継ぐ歴史あるドッグは、改修されながら現役だ。

戦時中の1940(昭和15)年に完成した大和型戦艦の整備修理用ドッグ「佐世保海軍工廠第七船渠跡」も残っている。このドッグでは、翌1941(昭和16)年に大和型戦艦の「戦艦武蔵」が入港し艤装(ぎそう)を行った。戦後は大型タンカーの建造などを担い、現在も第四ドックとして使われている。

第四ドックや250トンクレーンは、佐世保を語る上で欠かせないスポット。日本遺産を巡る「海軍さんの散歩道」港まち歩きツアーには含まれないが、周遊バスツアーのSASEBOクルーズバス「海風」やSASEBO軍港クルーズなどでは紹介される。

<佐世保重工業株式会社佐世保造船所第四ドックの基本情報>
一般立入禁止(外部から眺めることは可能)
住所:長崎県佐世保市立神町1番地
アクセス:第四ドック前バス停下車 徒歩3分

まち歩きにおすすめツアー「海軍さんの散歩道」

佐世保は2016年に「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴 〜日本近代化の躍動を体感できるまち〜」として日本遺産に認定された。佐世保鎮守府の歴史を物語るスポットを効率的に巡りたい。そんな思いに応えてくれるのが「海軍さんの散歩道」と題したツアーだ。

歩いて巡る「まち歩きツアー」と、軍港クルーズと海上自衛隊の艦艇見学が含まれる「バスツアー」からなる。見学コースには、このツアーでしか見られない海上自衛隊佐世保地方総監部内にある地下防空指揮所跡などがある。
ツアーの詳細については後述するが、ツアーならではの見どころを一部紹介したい。

まち歩きにおすすめツアー「海軍さんの散歩道」

提供元:佐世保観光コンベンション協会

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佐世保の歩みを知ろう、海上自衛隊佐世保史料館・セイルタワー

佐世保の歩みを知ろう、海上自衛隊佐世保史料館・セイルタワー

写真:塚本 隆司

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八角形装飾屋根の上に近代ビル。佐世保水交社跡地で2代目の建物の一部を修復・再利用し、新館を増築した海上自衛隊佐世保史料館・セイルタワーだ。無料の見学施設で来館者は年間でおよそ10万人。ツアーでなくても入館できるが、ガイドと一緒ならさらに楽しめる。

佐世保水交社とは、日本海軍将校の懇親や外国士官の接待、艦隊乗組士官の宿泊所として1898(明治31)年に3階建て洋館造りの初代建物が建てられ、戦後は米軍の将校クラブとして使用された。

現在は、旧日本海軍や海上自衛隊の歴史や活動を紹介する史料館として、7階まで全てが展示スペースになっている。一般的な滞在時間は1時間程度、資料映像まで見たいなら2時間は必要だ。好きな人なら半日くらい余裕で過ごせる。
写真は、7階展望ロビーからの佐世保港の眺め。

佐世保の歩みを知ろう、海上自衛隊佐世保史料館・セイルタワー

写真:塚本 隆司

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館内展示は貴重なものばかり。特に日清日露戦争時の実物展示が充実している。艦船模型がズラリと並ぶ展示も人気だ。子どもたちには船の操舵(そうだ)体験が楽しめる操艦シミュレーターが喜ばれている。

2017年3月22日に役目を終えた護衛艦「くらま」の実物パーツを使った再現艦橋内部の展示も必見。護衛艦「くらま」は、観艦式など総理大臣が乗る旗艦を務めた。

佐世保の歩みを知ろう、海上自衛隊佐世保史料館・セイルタワー

写真:塚本 隆司

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館内での撮影ポイントは、7階の展望ロビーと1階ロビーの記念撮影コーナーのみ。
1階ロビーには売店もあり、海上自衛隊ならではの商品が並ぶ。記念撮影コーナーには撮影用の制服が用意されているので、格好良くビシッと決めたい。

<海上自衛隊佐世保史料館(セイルタワー)の基本情報>
住所:長崎県佐世保市上町8-1
入館料:無料
開館時間:9時30分〜17時(入館は16時30分まで)
休館日:毎月第3木曜日、年末年始(12月28日〜1月4日)
電話番号:0956-22-3040
アクセス:JR佐世保駅から市営バス・西肥バスにて元町バス停徒歩2分
注意事項:「海軍さんの散歩道」バスツアーでは、艦艇見学が中止の場合に見学

海上自衛隊佐世保地方総監部内の秘密の空間「地下防空指揮所」

海上自衛隊佐世保地方総監部内の秘密の空間「地下防空指揮所」

写真:塚本 隆司

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普段は入れない「海上自衛隊佐世保地方総監部」だが、敷地内には数々の史跡が残っている。中でも「旧佐世保鎮守府防空指揮所跡」は特別なスポット。

都市部への空襲を想定した防空体制の強化が、関東大震災後の大正期から国家的に進められ、昭和10年代には防空砲台建設が本格化。1942(昭和17)年、鎮守府庁舎地下に、地下防空指揮所が秘密裏に築かれた。(運用開始は1944(昭和19)年とする説もある)

この地下壕については、『昭和17年12月 佐世保鎮守府戦時日誌』(防衛省防衛研究所蔵)の写真から竣工時の模様をうかがうことができる。1945(昭和20)年6月の佐世保空襲でもこの施設は無事だったが、戦後の不審火で内装が焼失し、すすだらけに。そのため海上自衛隊内では存在が知られていたものの非公開扱いだったが、「鎮守府」の日本遺産登録を機に、このツアーで一般見学ができるようになった。

海上自衛隊佐世保地方総監部内の秘密の空間「地下防空指揮所」

写真:塚本 隆司

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防空指揮所は地下2階建てで、総面積約700平方メートル。物資の少ない中、通常の3倍の鉄筋が組み込まれた分厚いコンクリート壁や頑丈な扉で守られている。

現在、地下2階部分は水没しているため立ち入りできない。地下道が各要所へとつながっていたのではないかとされているが、今後の整備・公開を期待したい。

海上自衛隊佐世保地方総監部内の秘密の空間「地下防空指揮所」

写真:塚本 隆司

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地下1階部分には防空指揮所作戦室などがあり、最新の情報機器が設置されていた。換気はもちろん冷暖房まで完備、トイレも水洗式が導入されるなど、当時の技術の全てをつぎ込んだ施設といえる。もちろんこの施設も当時は機密扱い。ごく一部の者しか知らず、親兄弟にも話してはならない秘密の場所だった。

金曜日はカレーの日、海軍カレーが待っている

金曜日はカレーの日、海軍カレーが待っている

写真:塚本 隆司

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「海軍さんの散歩道」ツアーは、昼食付き。食事の場所となるのが海上自衛隊佐世保地方総監部内の「くらま食堂」だ。退役した護衛艦「くらま」ゆかりの品々が飾られている。食器やテーブル、イス、水密扉(ハッチ)や照明類など、くらま艦内で実際に使われていた。隊員が利用する隣で同じ食事が味わえるのも、このツアーの醍醐味だ。

金曜日はカレーの日、海軍カレーが待っている

写真:塚本 隆司

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毎週金曜日に開催される「まち歩きツアー」や第1・第3土曜日開催の「バスツアー」では、人気の海軍カレーが味わえる。海上自衛隊では「金曜日はカレーの日」で、どの艦艇や施設でも毎週金曜日の昼食はカレーが決まり。くらま食堂では「鎮守府カレー」が味わえる。

カレーの味は各艦で特徴があり、くらま食堂の鎮守府カレーは、口当たりは優しく甘く感じるが、次第に辛みが増しつつも後には引かない絶妙さ。さすが、海軍の伝統を引き継ぐカレーだ。

金曜日はカレーの日、海軍カレーが待っている

写真:塚本 隆司

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「海軍さんの散歩道」ツアーの基本情報

せっかく佐世保に行くなら、特別な体験プランを組み込んでみてはいかがだろう。「海軍さんの散歩道」ツアーは、海上自衛隊のOBが数々の経験を踏まえてガイドしてくれるので、他ではできない体験ができる。事前申込が必要なので、ツアー内容をチェックしておこう。

<日本遺産を巡る「海軍さんの散歩道」港まち歩きツアー>
開催日:毎週金曜日(申込締切7日前)
料金:2,400円(ガイド料・昼食・保険含む)
定員:20名(最小催行8名)
所要時間:約3時間30分
コース:9時20分集合・鎮守府凱旋記念館(市民文化ホール)前→鎮守府凱旋記念館・下士官集会所跡碑・海軍橋・海上自衛隊佐世保史料館(徒歩にて見学)→海上自衛隊佐世保地方総監部・海兵団庁舎・渡り橋・地下壕・鎮守府正門跡見学→くらま食堂見学(鎮守府カレー)→13時到着・解散(海兵団庁舎)
申込先:佐世保観光情報センター
電話番号:0956-22-6630


<日本遺産を巡る「海軍さんの散歩道」バスツアー>
開催日:毎月第1・第3土曜日(申込締切7日前)
料金:6,600円(クルーズ代・バス代・ガイド料・昼食・保険含む)
定員:45名(最小催行20名)
所要時間:約6時間
コース:9時45分集合・佐世保観光情報センター→海上自衛隊倉島岸壁(艦艇見学)→SASEBO軍港クルーズ→海上自衛隊佐世保地方総監部くらま食堂見学(鎮守府カレー)→海兵団庁舎・渡り橋・地下壕・鎮守府正門跡見学→海上自衛隊佐世保史料館・鎮守府凱旋記念館・下士官集会所跡碑・海軍橋(徒歩にて見学)→16時到着・解散(JR佐世保駅) *艦艇見学が中止の際は、海上自衛隊佐世保史料館を紹介
申込先:佐世保観光情報センター
電話番号:0956-22-6630

2018年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

取材協力:長崎県

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/02/23 訪問

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