写真:Hiroko Oji
地図を見るピレネー山脈をはさんで、スペインとフランスの両側にまたがるのがバスク地方。両国の文化が溶け合った独特の文化をもち、近年では美食とアートの都としても注目されている地方です。
スペインとの国境に近い海辺の町サン・ジャン・ド・リュズは、大西洋に流れ込むニヴェル川の河口に開けた素朴な町並みが魅力のリゾート地。マリーナには多くのクルーザーも停泊していて、フランス側バスク地方の中心的な町です。
写真:Hiroko Oji
地図を見るサン・ジャン・ド・リュズは典型的なバスク建築様式の家屋が軒を並べる可愛らしい町。白い漆喰壁に赤や緑の木枠組みと鎧戸が鮮やかに映えます。赤はバスク人の熱い血を、緑はバスク地方の豊かな緑を表しバスクカラーと呼ばれています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る中には石造りの装飾が美しい建物もあります。よく見ると壁絵や壁の彫刻・モザイク画、窓やバルコニーの鉄製の手すりなどにバスク地方のシンボルマーク「ラウブル」が盛り込まれていることも。バスク民族の古来からの伝統的文様でバスク十字とも呼ばれ、看板、織物、陶器、アクセサリーなど、さまざまな所にこの文様が使われています。
写真:Hiroko Oji
地図を見るサン・ジャン・ド・リュズでの歴史的に重要な出来事が、1660年の太陽王ルイ14世とスペイン王女マリー・テレーズとの結婚式。そのルイ14世が当時40日間滞在したのが写真の4つの角にとんがり帽子の塔が建つ「ルイ14世の館」です。
1643年に建てられたこの館は裕福な船主の家だったもの。船大工が造った階段や柱はダイナミック!調度品も展示されています。建築当時から現在までその子孫が住んでいて、館の管理をしています。館内の見学はグループごとにガイド付きで行なわれますが、残念ながら内部撮影は禁止で、住居部分は見学不可になっています。
<ルイ14世の館の基本情報>
住所:6 Place Louis XIV, 64500 Saint-Jean-de-Luz
写真:Hiroko Oji
地図を見る近くにはマリー・テレーズが滞在した家「王女の館」もあります。ローズ色の目を惹く建物ですが、こちらは残念ながら中には入れません。
<王女の館の基本情報>
住所:rue de l’Infante, 64500 Saint-Jean-de-Luz
写真:Hiroko Oji
地図を見るルイ14世とマリー・テレーズの結婚式が執り行なわれたサン・ジャン・バティスト教会。1230年に建てられたもので、外観はシンプルなゴシック建築。教会内は「バスク様式」といわれる、この地方独特の木製バルコニーが3段にわたって張り巡らされています。金色を使った装飾や彫刻で埋め尽くされる祭壇、パイプオルガンなど内装も素敵です。
<サン・ジャン・バティスト教会の基本情報>
住所:rue Léon Gambetta, 64500 Saint-Jean-de-Luz
写真:Hiroko Oji
地図を見る町並みの北側に広がる砂浜では、大西洋から打ち寄せる穏やかな波と海風をうけて心地よいひと時を過ごすことができます。
写真:Hiroko Oji
地図を見る夏のバカンス時期には、この広い砂浜もリゾート客で大賑わい!一年を通して温暖な気候なので、冬でも陽光溢れる避寒地として利用できるところです。
写真:Hiroko Oji
地図を見るサン・ジャン・ド・リュズはマカロンの発祥の地としても知られています。
ルイ14世の結婚式で、王室御用達のパティスリーだったメゾン・アダム(Maison Adam)がお祝いに献上したのがマカロン。現在のフレンチ・マカロンの原型といわれているもので、メレンゲにアーモンドパウダーや砂糖を混ぜて焼いたシンプルなお菓子。さくっとした食感に甘さ控えめ。現在はいろいろな種類のマカロンが町のあちらこちらで売られており、お土産にもおすすめの逸品です。「Mouchou(ムシュー)」というのは、よりフレンチ・マカロンに近いお菓子のことです。
写真:Hiroko Oji
地図を見るバスク地方はチョコレート文化発祥の地でもあり、種類豊富なチョコレートはじめカヌレ、ガトー・バスクなどの名物スイーツも並びます。
カヌレは近くの町ボルドーで古くから作られていたフランスの洋菓子。ガトー・バスクは、アーモンド入りのクッキー生地を厚めに伸ばし、この地方の特産品ダークチェリーのジャムを入れたものがオリジナルで、クリームを挟んだものなどもあります。
写真:Hiroko Oji
地図を見るパリエ(Confiserie Paries)やメゾン・アダム(Maison Adam)といった町中に数あるスイーツ屋さん。中でもメゾン・アダムはこの町だけでも3店あり、そのひとつの外観がこれ。入り口上部にある、これもこの地方名産のトウガラシのすだれが目を惹きます。
<メゾン・アダムの基本情報>
住所:
4 place Louis XIV, 64500 Saint-Jean-de-Luz
6 place Louis XIV, 64500 Saint-Jean-de-Luz
49 rue Léon Gambetta, 64500 Saint-Jean-de-Luz
写真:Hiroko Oji
地図を見るクルーザーが浮かぶマリーナをぐるりと西側へ回りこんで、中心地の反対側まで足を延ばすと、こちらにもバスク風の家屋が軒を連ねています。
その一角にあるカトリック教会の八角形をした鐘楼の形が一風変わっています。教会内部にはもちろん、3段のバスク風の木製バルコニーが設置され、見事なパイプオルガンが存在感をアピールしています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る西側の地区には市役所の建物があり、石造りでフランス国旗が掲げられています。隣の建物には観光案内所も入っています。
写真:Hiroko Oji
地図を見る市役所そばにあるフロントン広場では露店が軒を並べ、新鮮な魚介類はじめ日用品などが売られていて、地元の人で賑わっています。
サン・ジャン・ド・リュズは美食の町としても知られ、町の中央にある屋内市場は美味しそうなもので一杯。野菜、魚、チーズなどデ〜ンとダイナミックに置かれています。
またご紹介したスイーツだけでなくバスク織でも人気があります。丈夫な木綿の生地に7つのストライプが入っているのが基本。ストライプは「海の波」を、7本のラインはバスクの7つの地域を表わしています。タオルやキッチン用品などお土産にも向いています。さらにエスパドリーユという夏のカジュアル靴。帆布や木綿布に靴底は麻を張ってあり、色がカラフル。リゾート地ならではのお土産になるでしょう。
サン・ジャン・ド・リュズは冬でも陽光溢れる素朴な海辺の町ですが、夏のバカンス時期には大人気の高級リゾート地と化し、華やかさがアップ。大西洋を目の前に、開放感あふれる滞在をお楽しみください。
2019年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/10/9更新)
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