写真:風祭 哲哉
地図を見る牧之原台地でお茶の栽培がはじまったのは、江戸から明治に時代が変わってすぐの頃だったと言われています。大政奉還により駿府(今の静岡市)に隠居した徳川慶喜の身辺警護を勤めていた旧幕臣たちが、版籍奉還により職を解かれたため、当時不毛の地と呼ばれていた牧之原台地に住み込み、茶畑の開拓をはじめました。
写真:風祭 哲哉
地図を見るその際、大井川右岸の牧之原と左岸の島田の町を結ぶ住民の生活路が必要となり、明治12年に架けられた橋がこの蓬莱橋だったのです。
今でこそ観光地として人気の蓬莱橋ですが、当時の牧之原台地の住人にとってはなくてはならない存在であり、現在でも左岸の農家が対岸の茶園を管理するための農道としてこの橋を利用しています。
写真:風祭 哲哉
地図を見る全長897.4m、幅2.4mの蓬莱橋は「世界一長い木造歩道橋」としてイギリスのギネス社に認定されています。そのため「長い木=長生きの橋」、「全長897.4m(やくなし=厄なし」の語呂合わせにより、厄払いや長寿のパワースポットとしても人気があります。
また、はるか昔の世界にタイムスリップしたかのような蓬莱橋のたたずまいは、映画やドラマのロケ地としても人気で、NHKの連続テレビ小説「とと姉ちゃん」でたびたび映されていたのは記憶に新しいかと思います。
2018年3月にはお休み処兼物産販売所の「蓬莱橋897.4茶屋(ヤクナシチャヤ)」がオープン、お茶をはじめとする島田市の物産も販売されます。
写真:風祭 哲哉
地図を見るかつて東海道随一の難所として知られた大井川の急流を越えるまっすぐな木造の橋である蓬莱橋。欄干の高さがわずか50cmと低いので、開放感がありますが、スリルも満点。
そのため、この橋の上を歩く観光客は多いのですが、ほとんどの方は対岸に着くと、再び橋を渡って引き返してきてしまいます。でも本当はこの橋の先にこそ静岡らしい魅力があふれているのです。
写真:風祭 哲哉
地図を見る蓬莱橋を渡り終えると、そこはうっそうとした林の中ですが、シーズン中はここに小さな露店も出ています。まずは「蓬莱の島台」と呼ばれる高台へ行き、蓬莱橋の全景を眺めてみましょう。蓬莱橋の先には島田の町並みが、そして天気がよければ北東の方向に富士山も望めます。
写真:風祭 哲哉
地図を見る「蓬莱」とは不死の仙人が住むと言われる中国古代の想像上の神山のこと。そのため蓬莱の島台付近には長寿や福徳をうたう石像や長寿の鐘、愛和の鐘などがあります。
この先は牧之原の台地へと上る山道となり、途中で二手に分かれますが、蓬莱七福神と呼ばれる石像が並ぶ七福神の小径を進みましょう。
提供元:島田市観光協会
http://shimada-ta.jp/index.php牧之原台地の上に出て、しばらく進んだところにあるのが「中條金之助景昭の像」。中條金之助景昭は最後の将軍徳川慶喜を護衛する精鋭隊隊長として仕えていましたが、幕府崩壊後、牧之原開墾の中心的な人物として数多くの困難を乗り越え、日本一の牧之原大茶園の礎をなしました。この銅像のたもとから望む大井川と茶畑の景観は圧巻です。
提供元:島田市観光協会
http://shimada-ta.jp/index.php牧之原台地の上に出ると、そこは見渡す限りの大茶園。それもそのはず、この台地の90%は茶園なのだそうです。牧之原台地散策のベストシーズンはやはり「夏も近づく八十八夜」。一面の茶畑がまばゆいばかりの新芽に輝く5月がおすすめです。
写真:風祭 哲哉
地図を見る茶畑の向こうに見えるのは、富士山静岡空港のターミナルビル。実はこのあたりから直線距離だとわずか2〜3キロという近さなのです。
雄大な景観をじゅうぶんに散策したら、このあたりから蓬莱橋まで戻ってもいいのですが、まだまだ歩ける方は牧之原大茶園を縦断するハイキングコースもありますので、ぜひチャレンジしてみましょう。
写真:風祭 哲哉
地図を見る牧之原大茶園のどこまでも続く茶畑の中をまっすぐに西に進むと、ふじのくに茶の都ミュージアム(旧お茶の郷)や旧東海道金谷坂の石畳などを経由して、JR金谷駅まで約8キロのハイキングコースとなります。途中の高台から振り返ると、蓬莱橋を真横から望める場所もあります。
提供元:静岡県観光協会
http://hellonavi.jp/「ふじのくに茶の都ミュージアム」は、「島田市お茶の郷」として長く親しまれてきた博物館が「茶の都しずおか」の拠点として整備され、2018年3月にリニューアルオープンしたもの。お茶にまつわる産業や歴史、文化を紹介する展示のほか、茶摘みや手もみ体験もあり、子供から大人まで楽しめるミュージアムです。
ここまで約5キロ1時間。館内では静岡のおいしいお茶はもちろん、お茶を使った食事なども楽しめますので、ここでちょっと休憩するのもいいでしょう。
写真:風祭 哲哉
地図を見るふじのくに茶の都ミュージアムからは「金谷お茶の香通り」と呼ばれるお茶畑の中ののどかな道を進むと、旧東海道の金谷坂の入口があります。
江戸時代、ここは石畳を敷かなければうまく登れなかったほどの急坂ですが、ここからは下りなので大丈夫。途中、すべらず地蔵や石畳茶屋を通って坂の下までは550メートルほど。金谷坂を下ってしまえばJRの金谷駅は間近となります。
静岡では4月から10月まで、4回の茶摘みが行われます。このグリーンシーズンに蓬莱橋へ行くなら、ぜひその先の牧之原台地まで足を延ばしてみてください。特に八十八夜と呼ばれるゴールデンウィークの前後はまぶしいくらいの新緑があたり一面を覆いつくしまさに圧巻。
蓬莱橋からの牧之原大茶園散策、おススメです!
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(2025/1/22更新)
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