写真：たぐち ひろみ
地図を見る台北市街の西側、ちょうどMRT北門駅と大橋頭駅に挟まれた区域が、台湾随一の問屋街「迪化街（てきかがい）」です。漢方薬や乾物などを販売する店舗が連なる本通りには、20世紀初めに建てられた古い建物が数多く現存、ノルスタジックで魅力的な町並みを形成しています。
最近はそうした建物を改装したカフェ、レストラン、おしゃれな雑貨屋が次々とオープンし、地元っ子の間で人気です。茶芸館「南街得意（ナンジーデーイー）」も、そんなリノベスポットのひとつ。1913年に建てられたという町屋建築の内装を一新、その2階部分に2012年7月にオープンしました。ちなみに1階は陶器や雑貨を幅広く取り扱う雑貨店の「民藝土呈（ミンイーチェン）」。ガイドブックにも常連の有名店です。
写真：たぐち ひろみ
地図を見る「南街得意」への入口は、1階の中庭手前右手にある急階段。この階段がとても目立たなく、気をつけないと見逃してしまうのでご注意を。
2階に上がれば、周囲はダークブラウンの木材とすりガラスを多用した、昭和初期の日本家屋にも似た古めかしいインテリア。そこかしこにさりげなく置かれたアンティーク類も手伝って、絶妙に落ち着いた喫茶ルームを作り上げています。こんな洗練された空間なら、静かにゆっくりティータイムが楽しめそうです。
写真：たぐち ひろみ
地図を見る好みのテーブルを見つけて腰を落ち着ければ、間もなくお茶見本が運ばれてきます。茶葉は全部で18種類あり、1番～12番が「凍頂烏龍」をはじめとする烏龍茶、残りはハーブティー、フレーバーティーなどそれ以外の茶種。日本茶ももちろんありです。
これらひとつひとつ、蓋を開けて香りを確かめながら、一番気に入ったものを選ぶのがこのお店のシステム。とはいえ、ほとんどの日本人は烏龍を香りでかぎ分ける鼻は持ち合わせていないもよう。結局は、併せて渡される日本語入りのメニューでセレクトすることにりそうです。でもこの儀式、ちょっと聞香に似ていて楽しいかも！
写真：たぐち ひろみ
地図を見るお茶そのものに特化したこのカフェのメニューはただひとつ、写真の台湾茶セット（280台湾ドル＝約1000円）のみ。ここちよい静寂空間を一時借り受ける料金としては妥当な価格でしょう。
テーブルに運ばれてくるのは、茶壺（急須）、茶海（ピッチャー）、茶杯（湯呑）、継ぎ足し用のお湯の入ったポット、そしてさまざまなお茶菓子。すでに飲みごろとなっているお茶を、茶壺から一端茶海に移した後、茶杯にサーブしてくれます。こうしている間に、お湯がちょうど飲みやすい温度に調節され、茶葉の風味を最大限に味わえるのです。
ちなみに、お店で使用している茶器はすべて1Fの「民藝土呈」でも販売されています。気に入ったものがあれば、併せて購入するのもいいでしょう。
写真：たぐち ひろみ
地図を見るお茶とともに供されるお茶菓子は、選んだ茶葉の種類に応じてお店の方でセレクトしてくれます。今回は「東方美人」をチョイス。発酵度が80％と高く紅茶に近い風味のせいか、日本人にも大人気です。そのお供として出されたお菓子には、ドライフルーツ、おこし、らくがんなど甘いものの他、クラッカー、アーモンド、黒豆、ひまわりの種など塩味のものも。見た目も楽しいお菓子セットを、じっくり堪能しましょう。
写真：たぐち ひろみ
地図を見る台湾を旅行していてお菓子屋さんや茶芸館でよく目にするのが、写真の台湾らくがんです。こちらは緑豆でできた綺麗なうぐいす色のらくがん。日本のらくがんと違って、口どけの柔らかさとあっさりした甘味が特徴、苦味の少ない烏龍茶のお茶請けにはぴったりです。
写真：たぐち ひろみ
地図を見る日本人にも有名な雑貨店「民藝土呈」の2階にありながら、まだまだ穴場的な存在の茶芸館「南街得意」。2階にあるため、入口がわかりにくいことも理由のひとつかもしれません。観光地のど真ん中で落ち着いた時間の過ごせる、とても貴重なスポットです。
「南街得意」の「南街」は迪化街の南通りの意。一方「得意」は中国語のことわざ「得其味・得其意」から来ているとか。お茶をただ飲むだけでなく、その本来の味を知り、趣旨を学ぶという意味です。この機会に台湾茶とじっくり向き合ってみるのもいいですね。
住所：台北市台北市迪化街一段67号
電話番号：+886-2-2552-1367
営業時間：11:00～19:00
定休日：旧正月前後
アクセス：MRT北門駅より徒歩10分、中山駅より徒歩15分
2020年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/4/20更新)
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