最果ての極寒地に建つ国内唯一の刑務所博物館「網走監獄」

最果ての極寒地に建つ国内唯一の刑務所博物館「網走監獄」

更新日:2018/04/10 11:40

肥後 球磨門のプロフィール写真 肥後 球磨門 一人旅ブロガー
映画「網走番外地」で有名になった網走刑務所の建物は近年建て替えられたもので、それまでにあった古い建物を移築して昭和58年に屋外博物館として開館したのが博物館 網走監獄です。
東京ドーム3.5個分という広さの敷地内にかつて実際に刑務所で使われていた建造物を移築し監獄の暮らしを知ることができる施設になっています。

極寒の地にある刑務所の歴史とかつての囚徒の暮らしぶりを知る網走監獄を紹介します。

最果ての監獄の入り口は「赤レンガ門」

最果ての監獄の入り口は「赤レンガ門」

写真:肥後 球磨門

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故・高倉健の出世作となった映画「網走番外地」ですっかりおなじみの網走刑務所の建物は、昭和59年(1984年)から平成22年(2010年)までに建て替えられたもので、それまでにあった古い建物を移築して昭和58年(1983年)に屋外博物館として開館したのが博物館網走監獄です。

最果ての監獄の入り口は「赤レンガ門」

写真:肥後 球磨門

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旧網走刑務所の正門を復元したものが「赤レンガ門」で、博物館網走監獄の入り口となっています。その昔「最果ての監獄」と呼ばれた時代の威厳を感じさせる門で、左右には面会人の受付や待合室があり等身大の看守の人形が設置されていてリアルです。
赤レンガ門の前に立つ人形も遠めに見ると本当の人間のようで、実際の監獄に入っていくような緊張感を覚えます。

最果ての監獄の入り口は「赤レンガ門」

写真:肥後 球磨門

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赤レンガ門に入る手前にあるのが「鏡橋」です。
網走刑務所は網走川を渡った場所に設置されていたため、すべての囚人はこの橋を渡って入獄しなければなりませんでした。鏡橋は明治23年(1890年)から4度架け替えられたそうですが、博物館にあるこの橋は大正6年(1917年)に架けられた2代目の橋を再現しています。

鏡橋の名前には“流れる清流を鏡として、我が身を見つめ、自ら襟をただし目的の岸にわたるべし”という意味が込められていて、ここを渡る囚人たちの更生を願っていました。

網走監獄の歴史を伝える旧庁舎の資料館

網走監獄の歴史を伝える旧庁舎の資料館

写真:肥後 球磨門

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赤レンガ門を通過して見えてくるのが淡いブルーの外観が美しい「庁舎」です。
この建物は昭和62年(1987年)まで網走刑務所で実際に使用されていたものを移築したもので重要文化財に指定されています。

網走監獄の歴史を伝える旧庁舎の資料館

写真:肥後 球磨門

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庁舎内には北海道開拓の歴史、そして重要文化財の見どころを紹介した展示コーナーが設けられています。
網走監獄を含めた北海道内の監獄に送られた囚人たちが北海道の道を作り、土地を切り拓いたという歴史的事実を知ることができる場所なので「博物館 網走監獄」を散策する前に必ず立ち寄ることをおススメします。

網走監獄の歴史を伝える旧庁舎の資料館

写真:肥後 球磨門

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シアター「典獄は語る/網走監獄の誕生と使命」では、北海道開拓の使命を託された典獄が網走監獄の誕生した時代背景や、誕生の意義について詳しく語るのでぜひ時間をとって視聴することをおススメします。
※典獄とは、刑務所長のことです。

まるで裁判の傍聴者になった気分「釧路地方裁判所網走支部法廷」

まるで裁判の傍聴者になった気分「釧路地方裁判所網走支部法廷」

写真:肥後 球磨門

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博物館網走監獄の敷地内には収監前の裁判を執り行う裁判所も移築されています。それが釧路地方裁判所網走支部法廷で、外観は明治33年から昭和27年までに使われた網走区裁判所を再現したものです。

まるで裁判の傍聴者になった気分「釧路地方裁判所網走支部法廷」

写真:肥後 球磨門

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法廷や被告人が待機する仮監置室などは、平成6年に釧路地方裁判所網走支部及び網走簡易裁判所が新庁舎を建設する際に譲り受けたもので、法廷内部の机や椅子、照明器具にいたるまで実際に使用されていたものなので、見応えがあります。

まるで裁判の傍聴者になった気分「釧路地方裁判所網走支部法廷」

写真:肥後 球磨門

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法廷には比較的刑の軽い刑罰を1人の裁判官が審査する単独法廷や、重罪の被告人を3人の裁判官によって審理する合議法廷など、人形を配置してまるで傍聴人になったような気分になる興味深い景色が再現されています。
本当の裁判に立ち会う機会はなかなかないでしょうから、ここで雰囲気を味わってはいかがでしょうか。

網走監獄で囚人が寝食した舎房

網走監獄で囚人が寝食した舎房

写真:肥後 球磨門

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博物館を代表する建物が、昭和60年(1985年)に移築復元され、重要文化財に指定されている「五翼放射状平屋舎房」です。
この建物は明治45年(1912年)建造以来昭和59年(1984年)まで使用されていたものです。

網走監獄で囚人が寝食した舎房

写真:肥後 球磨門

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それぞれの棟には雑居房が並んでいます。壁は「斜め格子」で作られ廊下側から牢屋の中は見えますが、内側からは見えないようになっています。実際に入ることができるので、囚人になった気分で確かめてみてはいかがでしょうか。

網走監獄で囚人が寝食した舎房

写真:肥後 球磨門

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もう一つ、舎房がある建物で重要文化財に指定されているのが旧網走刑務所二見ケ岡刑務支所です。
受刑者の更生を教化するためと網走刑務所収容者の食料を担うために開設された刑務所で、内部では食堂や炊事場、ふろ場などが見学でき人形を使って受刑者の様子が再現されています。
特に食堂では働きによってご飯の量が変わったことや正月に出されるごちそうなどが展示されて興味を引きます。

受刑者の生活がわかる見どころ満載のおススメ施設です。

受刑者になった気分で監獄定食はいかが?

受刑者になった気分で監獄定食はいかが?

写真:肥後 球磨門

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博物館を出獄すると「監獄食堂」があります。
午前中にゆっくりと博物館を見学した後、ここで監獄定食を食べるといっそう受刑者の気持ちに近づくのではないでしょうか。

受刑者になった気分で監獄定食はいかが?

写真:肥後 球磨門

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メニューにカレーやラーメンもありますが、おススメは「監獄定食」です。メインのおかずが定食Aはサンマ、定食Bがホッケとなっています。ご飯はもちろん麦飯(麦3:白米7)です。
麦飯といっても食べやすく、一言でいって「すごく美味しい」。
こんなものを毎日食べられるのなら受刑者になってもいいなんて不謹慎な事を思いながら美味しくいただけるおススメの定食です。

網走監獄を見学して監獄定食を食べればいい土産話になるのではないでしょうか。

博物館のすべての施設を紹介できませんでしたが、独居房や囚人たちの作業風景なども人形を使ってよく再現した施設です。建物などの見学だけではなく、収監された受刑者達が獰猛な熊と戦いながら道なき道を進み、険しい地形に悪戦苦闘しながら未開の北海道を開拓をしていったことを学べる施設です。
当時の受刑者の想像を絶する苦難を知る事で、わが身の自由に感謝できる機会になるかもしれません。

博物館 網走監獄の基本情報

住所:北海道網走市字呼人1-1
電話番号:0152-45-2411
営業時間:
5月〜9月 8:30〜18:00
10月〜4月 9:00〜17:00
監獄食堂は10:00〜15:00(ラストオーダー14:30)
アクセス:JR網走駅から徒歩で約40分、車で約7分 女満別空港から車で約20分

2018年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/09/23 訪問

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