写真:モノホシ ダン
地図を見るJR大阪環状線は、大阪駅を起点・終点とし、大阪市内を約40分で一周する鉄道路線です。路線距離は約21kmで、駅数は全部で19駅。路線の大半は高架化されていますが、唯一地上を走っているのが、写真の大阪城公園駅周辺です。なぜここだけ高架ではなく、地上なのでしょうか?
それは、かつてすぐ近くの大阪城の敷地内に、国内最大規模の軍需工場「大阪砲兵工廠」があったため。当時の鉄道省が、大阪環状線の東半分の前身である城東線の高架化を計画しましたが、軍が路線の高架化により大阪砲兵工廠の内部を列車から覗かれる恐れがあり、機密が漏洩するとして拒否。
さらに戦時下には、砲兵工廠は高い塀で囲われていたにもかかわらず、列車が横を通過する際には窓やカーテンを閉めるように強制されていました。こうして、現在まで、この区間だけは高架化されていないのです。
写真:モノホシ ダン
地図を見る大阪城公園駅の撮影スポットは、駅を降りて徒歩約10分、大川に架かる下城見橋の歩道上から。大阪城天守閣をバックに撮影できます。写真の、大阪環状線のシンボルカラーのオレンジをまとった、国鉄時代からの車両である201系電車は、2018年中に引退予定。乗車や撮影希望の方は今のうちにしておきましょう。
<JR大阪城公園駅の基本情報>
住所:大阪府大阪市中央区大阪城3番
電話番号:0570-002-486(JR西日本お客様センター)
アクセス:JR大阪環状線 大阪城公園駅 下車
写真:モノホシ ダン
地図を見るJR玉造駅では、高架下開発・駅構内店舗リニューアルを目指して推進されている「大阪環状線改造プロジェクト」によって、2014年(平成26年)に駅近くにオープンした“ビエラ玉造”が。建物の外観は、環状線で長く親しまれ、2017年(平成29年)に撤退した103系車両をモチーフにしたもの。フィットネスジムや100円ショップに保育園などが入店する複合施設になっています。環状線を走る車両とともに撮影してみましょう。
<JR玉造駅の基本情報>
住所:大阪市天王寺区玉造元町1-40
電話番号:0570-002-486(JR西日本お客様センター)
アクセス:JR大阪環状線 玉造駅 下車
写真:モノホシ ダン
地図を見る大川に架かる鉄橋では、JR桜ノ宮駅を降りてすぐの源八橋がおすすめ。写真は、源八橋東詰の歩道上からの風景です。付近は、大阪有数の桜の名所「毛馬桜ノ宮公園」で、桜の時期は花と絡めた構図が定番。
写真:モノホシ ダン
地図を見る大阪環状線は、首都圏の山手線とは違い、約半分の列車は、環状線をグルグル回るだけでなく、他の路線から乗り入れているものです。写真は、源八橋西詰からのもので、桜と221系車両。221系は、大阪と奈良を結ぶ大和路線(関西本線)直通の大和路快速で、おもに運用されます。運行形態は、天王寺駅発で大阪駅まで各駅に停まり、大阪駅から快速列車となり、ふたたび天王寺駅に戻ってくると、そこから環状線から分かれて大和路線に入ります。
そのため、山手線と同じ感覚で、周回するだけと思って乗り続けていると、いつの間にか奈良に向かっていた、ということにもなりかねません。環状線の旅を続けるには、天王寺駅で乗り換えが必要。ほかにも阪和線直通の関空・紀州路快速もあり、初めて乗車する方は車内放送によく耳を傾けるようにしましょう。
<JR桜ノ宮駅の基本情報>
住所:大阪市都島区中野町5丁目1番22号
電話番号:0570-002-486(JR西日本お客様センター)
アクセス:JR大阪環状線 桜ノ宮駅 下車
写真:モノホシ ダン
地図を見るJR大阪駅では、大阪駅の駅ビル「ルクア(LUCUA)」のエレベーターホールからの俯瞰写真がおすすめ。ビルの北東側のエレベーター前に、細い縦長の窓があって、JR大阪駅東側の各線を行き交う列車を撮影可能。最も高いのは10階で、梅田のランドマーク「HEP FIVE(ヘップファイブ)」の赤い大観覧車とのコラボが楽しめます。
大観覧車は直径75m、最上部の高さ約106m。乗車時間は約15分間で、搭乗料金はひとり600円(5歳以下無料)。眺望は絶景で、大阪湾から生駒山まで見渡せるので、遊覧飛行のような感覚で楽しめます。なお、ルクア10階はレストラン街にもなっているので、撮影と同時に食事をするのもいいですね。
写真:モノホシ ダン
地図を見るルクアからのJR大阪駅は、鉄道ファンには必見のトレインビュー。環状線のほかに北陸線のサンダーバードや智頭急行のスーパーはくと、きのくに線(紀勢本線)のくろしお号などが絶えず発着し、まるで巨大な鉄道パノラマを見ているような気分になれます。
<JR大阪駅の基本情報>
住所:大阪市北区梅田3丁目1-1
電話番号:0570-002-486(JR西日本お客様センター)
アクセス:JR大阪環状線 大阪駅 下車
写真:モノホシ ダン
地図を見るプロ野球パシフィック・リーグのオリックス・バファローズの本拠地“京セラドーム大阪”をバックに走る列車の撮影には、JR大正駅を利用するのが便利。撮影スポットは、尻無川の堤防上。大正駅から弁天町方面に歩くと、すぐに尻無川の堤防に出るので、「NO.33」と書かれたプレートが目印です。そこから階段で堤防に上がることもできます。
周辺には船やらガスタンクがあって、雑然とした雰囲気ですが、ものづくりの街である大正区を象徴するようで雰囲気が感じられます。写真は、京セラドーム大阪をバックに疾走する関西国際空港へのアクセス特急である「はるか」。
写真:モノホシ ダン
地図を見るJR大正駅は、もっともおすすめのフォトスポット。大正駅は尻無川と木津川の2つの川に挟まれた立地条件で、ホーム上から、尻無川と木津川に架かる橋を渡る列車を撮影できるのです。写真は、大正駅1番ホームから天王寺駅方面を撮影したもので、木津川橋梁を渡る323系車両。
323系車両は、大阪環状線改造プロジェクトの最大の目玉で、環状線のみを走る専用車両としてはJR西日本初の新型車で、2016年(平成28年)から国鉄時代からの旧型車に代わって、順次投入されています。
最大の特徴は、将来の環状線全駅のホームドア設置を見据えた、乗降扉の3ドア化。これにより環状線内を走る通勤列車はすべて3ドアに統一されます。さらにドア上部の案内ディスプレイは、訪日外国人への案内強化として、4ケ国語化を実現。さらに自動車内放送は2ケ国語化など、新幹線並みの情報提供の充実を誇っています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る大正駅1番ホームから弁天町方面は、岩崎運河橋梁を渡る列車を撮影できます。ただこちらは、少し距離があるので、駅から歩いてスグの橋梁の間近から撮影するのがおすすめ。
写真:モノホシ ダン
地図を見る木津川橋梁と岩崎運河橋梁は、ともに1928年(昭和3年)開通の同一設計のダブルワーレントラス橋です。斜材がX字形につながっていて、両端に角度がなく、全体が長方形なのが特徴。橋長は約94m、高さ約15mで重さは約820tもあります。写真は、大浪橋の歩道上からの木津川橋梁。
写真:モノホシ ダン
地図を見る木津川橋梁と兄弟橋なのが、岩崎運河橋梁。写真は、大正橋交差点からの風景。
写真:モノホシ ダン
地図を見る間近で見るモスグリーン色の岩崎運河橋梁は、まるで巨大なモニュメントのよう。実際に見て、その巨大さを体感してみて下さい。
<JR大正駅の基本情報>
住所:大阪市大正区三軒家東1丁目8
電話番号:0570-002-486(JR西日本お客様センター)
アクセス:JR大阪環状線 大正駅 下車
大阪環状線“撮り鉄のフォトスポットの旅”いかがだったでしょうか。ちなみに大阪環状線では、時計回りに回るのを“外回り”列車、反時計回りに回るのを“内回り”列車と呼んでいます。そして、普通列車しか停まらない駅は、野田駅、今宮駅、芦原橋駅です。このうち野田駅は、ホーム上からの有名撮影スポットでもあります。
ほかにもホームから列車を綺麗に撮れる場所はありますが、くれぐれも通過する列車には十分ご注意下さい。大阪環状線を上手に使って、撮り鉄の“ラウンドトリップ”を存分に楽しんでみませんか。
2018年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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