写真:澁澤 りべか
地図を見る京都伏見の「大石天狗堂」は囲碁、将棋、そして百人一首をはじめとする各種のかるたを製造、販売する老舗です。
創業は寛永12年(西暦1800年)。なんと創業200年以上!
伝統を守りながらも進取の気性をもち、いまは商品のネット通販も行っています。
決して広くはない店舗は、まるで伝統遊具の展示場。実際に現物を手に取ってみてから買いたいという方、また最近では外国の方も、見学に来られるそうです。
写真:澁澤 りべか
地図を見る入口を入ってまず目につくのは、立派な将棋の駒や将棋盤。囲碁や将棋の道具がそろっていて、有名棋士による銘が入った限定品もあり。
かと思えば、2000円程度で買えるマグネットの携帯用将棋もあります。
写真:澁澤 りべか
地図を見る日本にかるた遊びが伝わったのは室町時代の後半。最初につくられたのはポルトガルのカードを模した「天正かるた」です。そこから株札や「うんすんかるた」が生まれました。「うんすんかるた」は“うんともすんともいわない”という言葉の語源という説があります。
大石天狗堂では、「うんすんかるた」を復刻したものや、いまは時代劇でしか見かけなくなった株札なども販売されています。
その後かるた遊びは、日本古来の貝覆い(貝合わせ)と融合して、各種のあわせ遊びが登場します。かつては貝殻の方が安く、紙は貴重品でした。紙が安価になるにつれ、紙製の百人一首やいろはがるたが普及します。
また江戸幕府がかるた賭博を禁止すると、かけ事をしていることがわからないよう、数字を12の月を象徴する草花や動物に置き換えた花札が登場しました。
写真:澁澤 りべか
地図を見るかつて京都の家庭には、一家にひとつ必ず天狗印の花札がありました。昔ながらの手作りの花札は、完成品のランクによって「金天狗」、「銀天狗」、「リンカーン」と分けられています。
裏に和紙を貼り、表側に折り返してフチをつくる丁寧な手作業のため、その仕上がりには素人にはわからない差がでるのです。
花札といえば日本の四季や花鳥風月を表現したものが普通ですが、こちらにはちょっと変わった花札も。
写真は天狗堂オリジナルの「京都かるた」。一枚一枚に京都の名所・名物があしらわれています。
清水寺に金閣寺、安倍晴明や舞妓さん、そして大文字の送り火に京都タワーなど。
よく見ると、赤い短冊には「あかよろし」ではなく「おおきに」や「かまへん」などの京都弁が書かれています。
花札として遊べるだけでなく京都旅行の記念にもなり、お土産に最適です。
写真:澁澤 りべか
地図を見るこちらは「ジブリ花札」。「千と千尋の神かくし」の世界が花札になっています。スタジオジブリからの依頼で制作されたレアな逸品。ジブリファン垂涎の品です。
写真:澁澤 りべか
地図を見る「ちはやふる」効果で、最近需要が増している百人一首。
普及版は様々ありますが、社団法人・日本かるた協会が認定している公式百人一首(写真左)を製造しているのは、大石天狗堂だけ。
各地で開催される競技かるたの試合、毎年の名人戦・クイーン戦などで使用されているのはもちろん、映画「ちはやふる(上の句、下の句、結び)」の全作品において、画面に登場するすべてのかるたを提供しているのがここ、大石天狗堂なのです。
写真中央に見えるのは、取り札に上の句の冒頭の文字がうっすら書き込まれた、初心者向きの「決まり字かるた」です。
写真:澁澤 りべか
地図を見る「ちはやふる」にも登場した「板かるた(下の句かるた)」(写真左)は、ホオノキの板に毛筆で下の句が書かれているもの。東北が起源で、いまは北海道でよく使われる百人一首です。競技のときも上の句は読まれず、下の句だけが読み上げられます。(※板かるたの製造は別会社)
また競技かるた選手にはおなじみの、自動読み上げ機「ありあけ」も販売しています(写真右奥)。
写真:澁澤 りべか
地図を見る写真は読手(どくしゅ・上の句を読み上げる人)の練習ができる読み方かるた。音を伸ばすところがわかるようになっています。
すべての札が真っ白で、自分で自由に絵を描ける「白札」もあり、ばら売りもしてくれます。
企業や団体のオリジナルかるたも制作してくれますよ。
住所:京都市伏見区両替町2丁目350−1
電話番号:075−602-8288
アクセス:近鉄京都線「桃山御陵前」または京阪本線「伏見桃山」下車、徒歩5分
2018年4月現在の情報です。最新情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!
条件を指定して検索
(2024/12/14更新)
- 広告 -