ミラノ貴族邸でルネッサンス体感!「バガッティ・ヴァルセッキ博物館」

ミラノ貴族邸でルネッサンス体感!「バガッティ・ヴァルセッキ博物館」

更新日:2018/07/27 11:52

Etsuko Ciaoのプロフィール写真 Etsuko Ciao 郷土料理お伝え旅ライター
ミラノはファッションと商業の現代的イメージが強い街。でも実は、中心街にルネッサンスを彷彿させる貴族の邸宅があります。美しい装飾、家具や骨董品、中世の武装具も豊富に展示。驚くべきは19世紀に屋敷内が電気暖房だったこと。バガッティ兄弟が長い年月と全財産をかけて監修したルネッサンスの館は、モダンとアンティークが見事な融合。ミラノ観光の際に立ち寄られてみてはいかがでしょうか?

博物館にはミラノカードがお得!裏ワザで入場無料も。

博物館にはミラノカードがお得!裏ワザで入場無料も。

写真:Etsuko Ciao

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有名ブランド店が連なるモンテナポレオーネ通り。ショッピングストリートとしてお買い物好きには胸が高鳴るエリア。人通りも賑やかな通りから、一つ入ると静けさが漂います。うっかり見過ごしそうですが、このジェズー通り(Via Gesù)に「バガッティ・ヴァルセッキ博物館」があります。

博物館にはミラノカードがお得!裏ワザで入場無料も。

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まずは博物館の受付でチケットを購入。入場料は9ユーロ(大人一人)ですが、水曜日は6ユーロなので、タイミングが合えば水曜日の来場をおすすめします。

チケット売り場の後ろの壁には、バガッティ家の家主ファウストとジュゼッペ兄弟、母親のカロリーナの写真が飾られています。三人に軽くご挨拶するのもいいかもしれませんね。

チケット購入の際に、ミラノカードをお持ちならぜひご提示を。カードの提示で33%割引になりますよ。他に裏技で先着6名が入場無料になる方法があります。ミラノカードHP内の「Free Access」ページを印刷して持参すると入場無料に!関連メモのミラノカードからご確認下さい。

博物館の見学にはオーディオガイドが使用できます。7か国語に対応し、日本語のガイドもあります。入場チケットがあれば無料で借りられますので、受付でお伝え下さい。

バガッティ兄弟の総力を注いだ「ルネッサンス仕立て」の館

バガッティ兄弟の総力を注いだ「ルネッサンス仕立て」の館

写真:Etsuko Ciao

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家主のバガッティ家は、1840年代に貴族の称号を与えられた由緒ある一族。建物は現在、ルネッサンス仕立てですが、当初は母親カロリーナ・アンジョリーニがバロック式で装飾を施していました。貴族の間でバロック式が流行していたのです。

カロリーナの亡き後、ファウストとジュセッペの兄弟が30年という長い年月と、全財産を注いで屋敷の全改装をしました。ルネッサンス式に改装を選んだ理由は、家族に最も似合う華やかな様式だったから。

キリストの絵画がある部屋はファウストの寝室。装飾の細部に渡り工夫が凝らされ、カーペットのような床は実は大理石で出来ています。天井はミラノスカラ座の舞台美術家による作品。バガッティ家の紋章とファウストス(Fausto’s)が交互に見えるように装飾されています。

バガッティ兄弟の総力を注いだ「ルネッサンス仕立て」の館

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「晩餐の間」は屋敷の中で最も絢爛な部屋。兄弟は部屋をより豪華にするため、天井の高さを通常の2倍にして開放感を出しました。

室内の注目ポイントは、天井に装飾されている金メッキの松ぼっくりと、当時最先端の電気のシャンデリア。シャンデリアは初めはガス点灯でしたが、1883年にミラノに電気が初めて通った際に代わったのです。

バガッティ兄弟の総力を注いだ「ルネッサンス仕立て」の館

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バガッティ兄弟は骨董品収集もしてました。館内は他で見かけない珍しい骨董品を見ることができます。

図書室には、新世界発見前の「地球儀」と「天体儀」が展示

図書室には、新世界発見前の「地球儀」と「天体儀」が展示

写真:Etsuko Ciao

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図書室とされている部屋は、鮮やかなブルーとイエローに目を奪われます。暗めな色彩が多い中、ひときわ目をひく天井に仕上がっています。壁と天井は19世紀の芸術家、ルイジ・カベナギ(Luigi Cavenaghi 1844-1918)が施しました。

図書室には、新世界発見前の「地球儀」と「天体儀」が展示

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図書室には地球儀と天体儀も展示されています。写真では見えないのですが、1579年に地球儀が作られた際、新大陸が発見される前でした。そのため南アメリカ大陸部分には1492年にコロンブスが発見したと書かれ、他には「未知の大地」と書かれています。制作された当時、印刷された絵を貼りつける方法がありましたが、地球儀と天体儀は手で描かれています。

図書室には、新世界発見前の「地球儀」と「天体儀」が展示

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他にも図書室には、一見何に使用するのかわからないような骨董品も展示されています。オブジェ収集にも情熱をかけていたバガッティ兄弟ならではですね。

ルネッサンスの屋敷内は、19世紀最先端のオール電気暖房

ルネッサンスの屋敷内は、19世紀最先端のオール電気暖房

写真:Etsuko Ciao

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鮮やかな赤で統一された部屋は、ジュゼッペと妻のカロリーナ・ボロメオの寝室。二人が結婚した1882年に完成しました。

室内の中心に置かれた華やかな装飾のベッドは、18世紀にシチリアで制作されたもの。妻カロリーナも貴族の出身。豪華な装飾に包まれた部屋に満足していたことでしょう。

ルネッサンスの屋敷内は、19世紀最先端のオール電気暖房

写真:Etsuko Ciao

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落ち着いた色合いの部屋は、ジュゼッペの寝室。貴族社会では当時、夫婦の寝室とは別に夫だけの寝室を持っていました。そうすることで夫のプライバシーを保っていたのです。

天蓋の布は、当時の同じものが置かれています。妻カロリーナと一緒の寝室とはかなり異なり、地味に見えます。

ルネッサンスの屋敷内は、19世紀最先端のオール電気暖房

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見た目は中世の屋敷ですが、実は19世紀に既に全館が電気暖房というバガッティ兄弟の監修には驚くことだらけです。暖房の仕組みは地下室にボイラーを備え、金属の幅木を室内に設置し、ボイラーからの熱が幅木を通って全館を暖めるというものです。

華麗なる中世の武装具が一堂に

華麗なる中世の武装具が一堂に

写真:Etsuko Ciao

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壁一面に展示された武装具は、ロンバルディアの骨董兵器。天井へ届きそうなほど高い位置から、下へと一堂に並びかなりの見応えがあります。

華麗なる中世の武装具が一堂に

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ルネッサンス時代、ミラノは最高級の武器を生産することで有名でした。槍、投槍、甲冑は戦闘の遺産。飾りではない過去の現物をバガッティ兄弟は残してくれました。

鎧は、全て同じではありません。模様、デザインが異なることにも注目して見学すると、武装具へも中世の人々は美的センス閉じ込めていたことを感じます。

バガッティ・ヴァルセッキ博物館の基本情報

住所:Via Gesu 5, 20121 Milano
電話番号:+39-027-6006132
営業時間:13:00-17:45
定休日:月曜日
閉館日:1月1日、1月6日、復活祭、復活祭月曜、4月25日、5月1日、6月2日、8月15、11月1日、12月7日、8日、25日、26日

2018年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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