北陸最強の幻想空間・小松市のハニベ巌窟院!地獄めぐりの果てに何を見る?

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北陸最強の幻想空間・小松市のハニベ巌窟院!地獄めぐりの果てに何を見る?

北陸最強の幻想空間・小松市のハニベ巌窟院!地獄めぐりの果てに何を見る?

更新日:2014/02/18 14:23

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員

石川県といえば、何を連想するでしょうか?温泉?カニ?九谷焼?しかし、石川県には、みなさんのイメージとは一線を画した独創的なスポットも存在します。ハニベ巌窟院です。石川県を代表する彫刻家親子が築き上げた幻想的な「あの世」には、見るものの度肝を抜くほどの強烈なインパクトがあり、石川県のイメージを刷新するだけのパワーを秘めています。今回はハニベ巌窟院のめくるめく世界にみなさまをご案内いたしましょう。

ひなびた農村に突如出現!シュールなインパクトを放つハニベ大仏

ひなびた農村に突如出現!シュールなインパクトを放つハニベ大仏

写真:乾口 達司

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ハニベ巌窟院の創設者は、石川県出身の彫刻家・都賀田勇馬氏。明治24年生まれの勇馬氏は東京美術学校に学び、大正9年、帝展に初入選しました。昭和22年には日展の特選にも選ばれており、石川県を代表する彫刻家として、その名は全国にとどろいています。勇馬氏がハニベ巌窟院を作りはじめたのは、昭和26年のこと。先の大戦で犠牲となった人たちの御魂を鎮め、世界の平和を祈願する目的で、かつて石切り場として使われていた山中の洞窟内に自作の仏像を安置したのが、そのはじまりです。昭和56年に他界した勇馬の志は御子息の伯馬氏に引き継がれ、親子二代にわたって築かれた壮大な幻想空間が、現在、洞窟内で繰り広げられています。

ハニベ巌窟院があるのは、小松市の中心部から山側へ車を走らせた立明寺地区。立明寺地区はどこにでも見られるひなびた農村ですが、集落のなかを奥へと進んでいくと、突然、山を背にした巨大な仏頭が姿を現します。通称「ハニベ大仏」です。現段階では肩から上の部分しか完成していませんが、それでも像高は約15メートル!ゆくゆくは像高33メートルの大仏として完成される予定とのことです。のどかな田園風景のなか、突如、出現するこの仏頭だけでも、見学者はハニベ巌窟院ならではのパワーに圧倒されること、間違いありません!

めくるめく世界への入口!仏像・高僧像を安置した阿弥陀洞

めくるめく世界への入口!仏像・高僧像を安置した阿弥陀洞

写真:乾口 達司

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しかし、ハニベ大仏は、ハニベ巌窟院ならではの幻想空間にあっては、まだまだ序の口に過ぎません。ハニベ大仏を眺めながら山道を登っていくと、やがて、正面に大きな巌窟が現われます。敷地内にある2つの巌窟のうちの一つ、阿弥陀洞です。洞内には等身大の仏像や空海をはじめとする高僧の坐像などが安置されているほか、かわらけ祈願の区画も設けられています。願い事のある人はかわらけにご自身の願いを書き記し、奉納してみてはいかがでしょうか。

ようこそ地獄の世界へ!巌窟内で繰り広げられる壮大な幻想空間

ようこそ地獄の世界へ!巌窟内で繰り広げられる壮大な幻想空間

写真:乾口 達司

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阿弥陀洞の脇に設置された建物には、勇馬・伯馬両氏の作品が、多数、陳列されています。その建物を通り過ぎると、ハニベ巌窟院のメイン施設というべき、大巌窟が出現します。巌窟内は、「インド古代彫刻館」など、幾つもの小部屋に分かれており、小部屋ごとに勇馬・伯馬両氏のオブジェがところ狭しと並べられています。それぞれの小部屋をぬうようにして走る通路の長さは、何と150メートル!なかでも、地獄の世界を現出させた一連の区画は必見です。

写真は、「地獄門」と称される、地獄世界の入口部分。ご覧のように、地獄に落ちた亡者を責め苛む牛頭馬頭(ごずめず)のような地獄の住人たちを模したオブジェが数多く並べられており、地獄の世界ならではの禍々しさが、写真からも伝わってきます。

地獄の住人たちの好物は?人間を食す鬼たちの食卓

地獄の住人たちの好物は?人間を食す鬼たちの食卓

写真:乾口 達司

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以下、食べ物を粗末にした罪や人をたぶらかした罪など、数々の罪を犯した人間たちの悲惨な末路が、地獄の住人たちによってなされるショッキングな所業によって、きわめてリアルに再現されていきます。

写真では、地獄の住人たちの代表格・鬼たちが、テーブルをかこんで談笑していますね。その雰囲気はいささか和やかに感じられるかも知れませんが、彼らが口にしている食べ物、これらはいったい何だと思いますか?実は「目玉の串ざし」「耳と舌の甘煮」「面皮の青づけ」「人血酒」なのです!

食卓のとなりでは、コック姿の別の鬼が人間たちを調理するコーナーも再現されており、やはりここが地獄以外の何ものでもないことを教えられます。数々の悲惨な世界を目の当たりにして、見学者は、自分たちがいかに罪深い存在であるかを認識していくことでしょう。

地獄の世界といえば、やはりこの方!巨大な閻魔大王像

地獄の世界といえば、やはりこの方!巨大な閻魔大王像

写真:乾口 達司

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阿鼻叫喚の地獄めぐり!その締めくくりに登場するのは、やはりこの方、閻魔大王さまです。見上げるほどの大きさは、圧巻そのもの。死者に裁きを加える冥界の主としての威厳に満ち満ちており、その前にたどり着いた誰もが、普段、意識しないで済ませているみずからの悪しきおこないを繰り改めたいと、真摯に思うことでしょう。そうであるからこそ、閻魔大王像との接見を終えた見学者の目に神仏を模した数々のオブジェが飛び込んでくると、ほっと胸をなでおろし、正しく生きることの大切さをあらためて自覚するのです。

地獄めぐりというと、とかく珍スポット的な印象を抱いてしまいがちですが、地獄めぐりを経て、善行の大切さを自覚するという点できわめて倫理的、啓蒙的な幻想空間であり、ここにハニベ巌窟院の真骨頂があるといってよいでしょう。

おわりに

いかがでしたか?数々のオブジェを通して、善と悪、生と死をコンセプトとしたハニベ巌窟院ならではの世界観や人生観を実感できたのではないでしょうか。敷地内には、ほかにも勇馬氏や伯馬氏ならではの美意識にもとづいて製作されたオブジェが数多く展示されており、純粋に彼らの作品を堪能するにも、格好のスポットであるといえます。裏山に安置された全長6メートルの巨大な釈迦涅槃像も必見!ここでしか見ることのできない数々のオブジェ、そして、それらによって築かれた独特の幻想空間を堪能すべく、ぜひ、ハニベ巌窟院に足を運んでみてください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2014/01/14 訪問

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