ルーマニア第二の都市ブラショフ!ドイツ風の美しい古都の見所

ルーマニア第二の都市ブラショフ!ドイツ風の美しい古都の見所

更新日:2018/04/19 14:34

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
日本人にとっては馴染みの薄いルーマニア。ドラキュラ伝説くらいなら知ってるという人が多いのではないでしょうか。しかしいったん足を踏み入れてみれば、中世と現代が混在し、温かい人々の心が伝わってくる長閑な国です。

そのルーマニアの第二の都市であるブラショフは、中世の町並みが残り、山並みに囲まれた美しい古都。ドイツからやってきたザクセン人によって建設された都市のため、ドイツの香り高い町並みが広がります。

ドイツの影響を受けたブラショフ

ドイツの影響を受けたブラショフ

写真:Hiroko Oji

地図を見る

ルーマニアのほぼ中心に位置するブラショフは、ルーマニア第二の都市。13世紀初頭には、ザクセン人(ライン川とモーゼル川の地域から来たドイツ人)によって植民地化され、以後、ドイツの影響を受けてきた町です。そのため、町中にはドイツ風の建造物が建ち並び、「クローンシュタット」というドイツ語名を持つ、ドイツの香り高いブラショフ独特の雰囲気が漂います。

ドイツの影響を受けたブラショフ

写真:Hiroko Oji

地図を見る

町の中心街は、鉄道の駅やバスターミナルから少し離れていて、駅から路線バスで10分ほどの中央公園南側に広がっています。

メインストリートともいえるレプブリチ通りは賑やかな歩行者天国となっている通り。お洒落なカフェやレストランなどが入るドイツ風の建物が建ち並び、ウインドーショッピングを楽しむ人々で賑わっています。

町の中心地スファトゥルイ広場

町の中心地スファトゥルイ広場

写真:Hiroko Oji

地図を見る

レプブリチ通りの先にあるのが、町の中心「スファトゥルイ広場」。石畳に覆われた広々とした広場を取り囲むのも、お洒落な装飾に飾られた建物たち。お土産物屋さんやカフェ・レストラン等が入っており、大勢の人で賑わっています。

町の中心地スファトゥルイ広場

写真:Hiroko Oji

地図を見る

広場の中央に建つのは、1420年建立の旧市庁舎で、高さ60メートルの見張り塔には鐘が設置されており、何か特別なことがあった時には住民に知らせる役目を担っています。この市庁舎は、現在は歴史博物館として利用されていて、旧石器時代からローマ、中世の発掘品を展示しています。また、工芸品や歴史資料なども見られますので、トランシルヴァニアの歴史を知るにはお薦めの博物館です。

旧市庁舎の裏側では、手作り作品を売るお店が並び、店番をしながら編み物をしている人もいるような、ゆったりとした時間が流れています。

町の中心地スファトゥルイ広場

写真:Hiroko Oji

地図を見る

市庁舎のそばには大きな円形の噴水があり、周囲には石のベンチが設置されていて寛ぐ人の姿が見られます。

ルーマニア最大の「黒の教会」

ルーマニア最大の「黒の教会」

写真:Hiroko Oji

地図を見る

町の中心地に聳えるのは、ルーマニアで最大の後期ゴシック様式の教会「黒の教会」。ヨーロッパのゴシック様式の教会としては最も東方に位置しています。時計が設置された高さ65メートルの石造りの鐘楼は、町のどこからも目立つ存在です。この鐘楼の釣り鐘もルーマニア最大で、約6000キロもあるとのこと。

ルーマニア最大の「黒の教会」

写真:Hiroko Oji

地図を見る

もともとは聖メアリー教会として奉献されたのですが、1385年に破壊されてしまい、1477年に再建。しかし、1689年にはオスマン帝国との戦いの中で大火に見舞われ外壁が真っ黒焦げになってしまったという歴史があります。そのため「黒の教会」と呼ばれているのです。

ルーマニア最大の「黒の教会」

写真:Hiroko Oji

地図を見る

内部では、1472年の洗礼盤や1476年のフレスコ画、1866年のネオゴシック様式の祭壇をはじめ、数多くの金細工品とクロンシュタットの高官の墓石などが見られます。また、16〜18世紀のトルコ産の重厚感のある絨毯やタペストリーが飾られています。中でも、ルーマニア最大級のパイプオルガンは1839年に造られたもので、4000本ものパイプと4つの鍵盤を備えているという見応えあるものです。

<黒の教会の基本情報>
住所:Curtea Honterus nr. 2, Brasov
営業時間:10:00〜15:30
休業日:日曜日
アクセス:ブラショフの町の中心地。鉄道駅から中心街へは4番のバスで約10分

スケイ地区の「聖ニコラエ教会」へ

スケイ地区の「聖ニコラエ教会」へ

写真:Hiroko Oji

地図を見る

町の中心地からさらに南西方面に歩いて行くと、スケイ門があります。ブラショフの旧市街の中でも、城壁に囲まれていたドイツ人の居住する地区と城壁の西側外のスケイ地区を分けていた門で、1825年に造られました。スケイ地区は、ドイツ移民たちがブラショフを建設し始めた当時、先住ルーマニア人が移住を余儀なくされた地区。通り沿いには、歴史を感じさせる建物が建ち並びます。

スケイ地区の「聖ニコラエ教会」へ

写真:Hiroko Oji

地図を見る

スケイ地区の南西にある統一広場の奥にあるのが聖ニコラエ教会。ルーマニア正教会の聖堂です。13世紀末の創建当時は木造でしたが、増改築が繰り返され、現在はゴシック様式にバロック様式を取り入れた石造りの姿になっています。

教会内には、金や銀を使った装飾で豪華なイコンがズラリと並び、天井や壁面全体をフレスコ画が覆っています。このフレスコ画は有名な壁画家であったミシュ・ポプによるものです。

スケイ地区の「聖ニコラエ教会」へ

写真:Hiroko Oji

地図を見る

聖ニコラエ教会の隣には、ルーマニアで最初の学校(開校1583年)と、コレーズ(16世紀の、ルーマニア語で最も初期の印刷物の編集者)の像があります。現在は学校博物館として古書籍が展示されています。

町の南東にあるトゥンパ山へ

町の南東にあるトゥンパ山へ

写真:Hiroko Oji

地図を見る

町の南東に控えるトゥンパ山は、上り下りするロープウェイの姿と山頂近くに設置されたBrasovの文字が町中からも見える標高865メートルの小高い山。ハイキングコースが設定されていますが、ちょっぴりレトロ感漂うロープウェイに乗れば、数分で山頂へ連れて行ってくれます。

町の南東にあるトゥンパ山へ

写真:Hiroko Oji

地図を見る

ゴンドラ内からも、赤茶色の屋根瓦が整然と並ぶ町並みが見下ろせ、高度を上げるごとに、周囲の山並みやその奥に広がる平原も見えてきます。

町の南東にあるトゥンパ山へ

写真:Hiroko Oji

地図を見る

山頂駅はとても小さなもので、カフェバーのテラス席があるだけ。しかし、ここからの眺めは、トランシルヴァニア地方の山並みを越え奥には雪を冠した山並みまで見渡せ素晴らしいものです。時間が許せばさらに山道を6〜7分歩いて、山頂の展望台まで行ってみて下さい。何物にも遮られずにブラショフの町並み全体を見下ろす眺めが待っています。

ドラキュラ伝説のブラン城への起点としても

ブラショフの町は、中心街に見所がギュッと詰まっていて、ご紹介したスポットの他にも、美術館や博物館が散在しています。首都のブカレストや古都シナイアなどからの日帰り訪問が可能ですが、ここまで来たなら、ドラキュラ伝説で名を知られたブラン城へも足を延ばしたいもの。少なくとも1泊すれば、近郊へのブラン城へバスで訪れることもできますので、日程にゆとりをもってスケジュールを立ててみて下さいね。また、トゥンパ山山上に数か所ある展望台巡りなど、素晴らしい風景を眺めながらハイキングも楽しめます。

2018年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2008/03/27−2008/03/30 訪問

旅行プランをさがそう!

このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!

条件を指定して検索

- PR -

新幹線特集
この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -