写真:やた 香歩里
地図を見る「大久野のフジ」は、東京都の西部、西多摩郡日の出町に自生する藤です。樹齢400年と言われ、幹回りは3mを越え、高さは30m近くある大きな藤で、東京都の天然記念物に指定されています。
周囲は都内とは思えないほどのどかなところで、集落から少し傾斜を登った、丘の中腹にあります。
写真:やた 香歩里
地図を見る複雑に他の木に絡みついているため、残念ながらこの藤の全貌を見ることはできません。特に下から見上げると、生い茂る他の樹木の枝葉が目隠しになり、よく見えません。ですが、藤の自生する斜面の上は見晴らしのよい小さな丘になっており、上から藤の花を見下ろすという珍しい見方ができます。
写真:やた 香歩里
地図を見る藤の周囲は公園として整備されており、丘に上がる道もなだらかな坂や階段です。登り口から丘の上まで5分ほどなので、特にハイキング用の靴でなくても上がれますが、ヒールなどは避けたほうが無難です。道を横切るこのねじれた枝は「大久野のフジ」の蔓。このような蔓が四方に伸び、その範囲は26mに及びます。
写真:やた 香歩里
地図を見る丘の上は見晴らしが良く、ベンチも設置されていて、ピクニック気分で藤と眼下の町を一緒に眺めることができます。
写真:やた 香歩里
地図を見るベンチの付近から見た藤はこのように見えます。写真中央付近の紫のもやのようなものが藤の花です。肉眼で見ると少し距離があり見づらいので、できれば双眼鏡や望遠レンズをつけたカメラなどを用意しておきたいところです。撮影目的の場合、望遠レンズは必須です。
写真:やた 香歩里
地図を見る藤まで距離があるのと、光の加減などにより、最初のうちは少し見づらいと思います。ですが、目が慣れてくると、大きな樹木のあちこちから、紫の花が噴き出すように咲いているのがわかります。
写真:やた 香歩里
地図を見る杉の木の細いてっぺんにまで絡みつく藤の花。まるでクリスマスツリーを飾るモールのようです。藤は学術的分類でいえば「マメ科ふじ属」の蔓(つる)植物。日光を好む好日性植物なので、日の当たる場所を求めてどんどん上に伸びていきます。藤棚に整えられた藤は上品で優雅ですが、本来、藤は他の木に巻き付き、上へ上へと貪欲に蔓を伸ばす植物なのです。
写真:やた 香歩里
地図を見る丘に上がる斜面の途中に藤の根元があります。そちらは周囲に木や葉が茂っていてちょっと見にくいのですが、藤の蔓が何本も絡みついた杉を見ることができます。蔓というにはあまりにも太く、その姿はまるで大蛇のよう。このまま杉をへし折ってしまうのではないかと思うほど、強く、幾重にも巻き付いているのです。
写真:やた 香歩里
地図を見る絡みつかれた杉の樹皮はめくれ、ぎりぎりと締め上げられて、悲鳴が聞こえてきそうです。藤棚から優雅に花房を垂らす藤のイメージとはかけ離れた、生命力の迸る姿。異形にさえ見えますが、これこそが藤本来の姿なのです。
写真:やた 香歩里
地図を見る根元では恐ろしいほどの生命力を見せる藤ですが、その先端に咲く花はやはり美しく、根から吸い上げた生命力を全力で解放しているかのようです。
美しくたおやかな藤のイメージを変えるほどの、強烈な命を迸らせる「大久野のフジ」。自然のままの藤の咲き誇る姿を、ぜひご覧になってみてください。
「大久野のフジ」の見頃は10日間ほどで、例年4月下旬から5月中旬と言われています。ただ、2018年に関してはそれより相当早く開花することが予想されます。4月13日時点では、見頃は4月21日頃からとの予測ですが、開花状況は天候により前後しますので、確認したい場合は下の「基本情報」に記載の問い合わせ先にお尋ねください。
所在地:東京都西多摩郡日の出町大久野622
アクセス:武蔵五日市駅からバスにて萱窪バス停下車、徒歩約20分
車の場合、近くに5,6台程度駐車可能な駐車場があります。
開花情報やアクセスなどの問い合わせは下記へ
〔日の出町観光協会〕
042-588-5883
10:00〜16:00(水・木曜休館)
〔日の出町産業観光課商工観光係〕
042-597-0511(内線241)
8:30〜17:15(土日祝日除く)
2018年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/3/19更新)
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