目指せ世界遺産!熊本・レンガ造りの美しき炭鉱遺構「万田坑」

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目指せ世界遺産!熊本・レンガ造りの美しき炭鉱遺構「万田坑」

目指せ世界遺産!熊本・レンガ造りの美しき炭鉱遺構「万田坑」

更新日:2015/03/30 18:10

青空のプロフィール写真 青空 元添乗員、旅の演出家

かつて「黒いダイヤ」とも呼ばれ、日本のエネルギーの中心を担っていた石炭。現代では馴染みがなく、当時の事をよく知らない方が多いのではないでしょうか。九州には軍艦島を始め炭鉱跡が数多くあり、当時の繁栄を物語っています。今回はそのひとつ、2009年にユネスコ世界遺産暫定リストに記載された三井三池炭鉱の万田坑をご紹介します。
ノスタルジックな匂いに包まれる万田坑で、当時の生活を是非体感してみてください。

日本の近代化を支えた国内最大規模の炭鉱

日本の近代化を支えた国内最大規模の炭鉱

写真:青空

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九州以外の方でも、ある程度お歳を重ねた方であれば「三井三池炭鉱」の名前を一度は聞いた事があるのではないでしょうか。福岡県と熊本県の県境に位置する三井三池炭鉱は、かつて日本最大規模を誇り、明治から戦後まで多くの炭鉱マンがここで汗を流し、日本の近代化を支えました。

エネルギーが石炭から石油へと変わると、ほとんどの坑口や関連施設が解体されましたが、万田坑は生き残り、歴史の証人として当時の姿のまま存在しています。
安全面などから国内の多くの炭鉱関連施設が解体された現在、万田坑の存在は大変貴重で、炭鉱跡地としては唯一の国史跡であり、国の重要文化財にも指定されています。

写真の建物は1909年に建設された第二竪坑 巻揚機室。重厚感たっぷりでデザインも美しい建物ですが、内部の巻揚機室へ入ると更に圧倒されます。

炭鉱マンを昇降させる巨大な巻揚機とワイヤー

炭鉱マンを昇降させる巨大な巻揚機とワイヤー

写真:青空

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万田坑の見所の一つは、当時の設備や道具の多くがそのまま残されている点です。今にも動き出しそうな巨大な巻揚機は、間近で見ると迫力満点で圧倒されます。周囲には錆びついた道具や機械、操作の注意事項などが残され、当時のまま時が止まったような雰囲気に包まれます。

機械などの設備や炭鉱の歴史、働いていた人々の生活についてより深く知りたい方は、ボランティアガイドさんと回りお話を聞く事をお勧めします。万田坑はノスタルジックで建物として見ても美しいですが、実際のお話を聞いて巡るとイメージが大きく変わるでしょう。

特に炭鉱を知り尽くした元炭鉱マンのガイドさんのお話は貴重です。彼らは正に歴史の生き証人。炭鉱労働の過酷さや作業中の事故の話、日々の生活など当時のお話を聞くと胸を衝かれ、日本の経済成長を進めた炭鉱マンに感謝せずにはいられません。

深さ約274mあった第二竪坑 坑口

深さ約274mあった第二竪坑 坑口

写真:青空

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レンガ造りの巻揚機室の裏手には明治時代に造られた竪坑櫓(たてこうやぐら)があり、その真下に深さ274mの竪坑が掘られていました。炭鉱マンや資材をケージで昇降させ当時は活気があったというこの場所、今は薄暗くひんやりとした空気が漂います。
現在竪坑は土砂で埋められています。

坑内での作業は安全策が取られていたとはいえ、崩落や爆発などの事故は珍しくなく、常に危険と隣り合わせだったそうです。一日の仕事を終えて地上の光を見た時は、力が抜けてホッとしたと言います。

三井三池炭鉱の別の坑口(三川坑)では、1963年に戦後最悪となる死者458人を出す爆発事故が起こりました。炭鉱の歴史は多くの犠牲の上にあったのに、現在にそれを伝える物は少なくなりつつあります。万田坑はその点でも貴重な場所です。

万田坑の多くの見所

万田坑の多くの見所

写真:青空

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先にご紹介した、第二竪坑櫓・坑口・巻揚機室以外にも万田坑には当時を物語る沢山の見所があります。炭鉱マンが仕事の後ススを洗い流した浴室。当時は入浴も娯楽だったそう。様子が思い浮かびます。坑口の近くにある神社「山ノ神」は、事故が珍しくなかった当時、炭鉱マンが入坑前に必ず安全祈願していた場所です。浴室・山ノ神どちらも国の重要文化財です。

時間に余裕がある方は、第一竪坑も見てみると良いでしょう。第一竪坑は上の施設は解体され何も残っていませんが、普通は埋められるはずの竪坑自体はそのまま残っています。現在は水没していますが、その深さは約300m。第一竪坑櫓は第二竪坑櫓より大きく、二基並んで稼働する光景は壮観だったと言います。

ノスタルジックな空気に心を奪われる。写真好きな方にもお勧め

ノスタルジックな空気に心を奪われる。写真好きな方にもお勧め

写真:青空

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万田坑の魅力は何と言っても歴史を感じるこのノスタルジックな空気。100年以上の時を経たレンガ造りの遺構は、沢山の人達がここで汗を流した事を思うと深みを増します。作業場の各所に味わいがあり、写真に収めたくなる場所が沢山あります。

敷地内の遺構の多くが国の重要文化財ですが、一部の場所を除き写真撮影が可能なので、お気に入りの撮影場所を探してみてはいかがでしょう?
敷地内は広大ですので、1時間〜1時間半は時間をかけてゆっくり巡ってみてください。また、歩く箇所が多いので歩きやすい履物と軽装で来ることをお勧めします。

おわりに。万田坑の世界遺産への取り組み

明治から昭和にかけて、製鉄産業や蒸気機関車など日本の産業の発展を支えた炭鉱。敗戦後、一から出直さなければいけなくなった日本の復興を支えたのは、炭鉱で働く人達だったのではないでしょうか。

2014年、万田坑を含む「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」は、日本政府からユネスコへ世界遺産候補として正式に推薦され、2015年の世界文化遺産登録を目指しています。万田坑は、未来を生きる子供たちにも伝えたい場所であり、一度は来る価値がある場所です。世界遺産登録される前に是非いらしてみてください。

入場料や見学時間・ガイドの開始時間は、下記MEMO万田坑公式HPをご確認下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。

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