提供元:大塚国際美術館
http://o-museum.or.jp関西地方から四国へ入る場合の玄関口である徳島県鳴門市に大塚国際美術館は位置しています。神戸からだと車で1時間30分程、大阪(梅田・難波)からでも2時間程でアクセス可能な場所。
そんな大塚国際美術館は2018年の3月に開館20周年を迎え、その記念事業として新展示室「#7つのヒマワリ」がオープンしました。
写真:岡本 大樹
地図を見る展示の内容をご紹介する前に、まずは大塚国際美術館の美術作品の特徴を少し説明しておきます。
こちらで展示されているのは、全て陶板名画です。陶板(とうばん)というのは板状の陶器のことで、その板に原画の大きさ・色彩などを忠実に再現したものを陶板名画と言います。
そう聞くと、原画ではないのか…と思うかもしれませんが、大塚国際美術館では陶板名画だからこそできる展示が最大の見所なのです。この写真のように、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』も修復前と修復後の2つが向かい合うように展示されています。こんな展示を見られるのは大塚国際美術館しかありませんよね。
そして今回ご紹介する「#7つのヒマワリ」もそんな陶板名画ならではの、他の場所では決して見られない展示となっています。
提供元:大塚国際美術館
http://o-museum.or.jp「#7つのヒマワリ」は、一言で言うならば「ゴッホが描いた花瓶に入ったヒマワリ全7点を一箇所に集結させた」展示です。
陶板ながら原寸大の『ヒマワリ』7枚が並ぶ様子は圧巻の一言。世界初の試みであり、こんな光景が見られるのは世界中を探してもここだけ。また今後見られることもないでしょう。
というのも、この7枚の原画は世界各地に散らばっている上に、1枚は個人蔵なのでどこにあるかすら知られていません。さらに1枚はすでに焼失してしまったものなのです。
この美術館でしか見られないであろう展示、それだけで見に行く価値が充分にあると思いませんか。
写真:岡本 大樹
地図を見る単純に見応えがあるからといった理由で7枚を集めたと言うわけではない点にもご注目ください。この7枚の『ヒマワリ』はある目的のために描かれたものです。
その目的というのは、フランス南部の街アルルに移り住んだゴッホが、共に過ごす画家仲間ゴーギャンとのアトリエを「明るいヒマワリの絵で飾りたい」と願ったからでした。
しかしながらゴーギャンとの共同生活はすぐに破綻してしまい、わずか2ヶ月でゴーギャンはアルルを去ってしまいました。
写真:岡本 大樹
地図を見るその他の細かい演出も要チェックです。展示室に入る手前の空間には二つのアロマディフィーザーが設置されています。一つは南フランスのイメージからラベンダーを主とした香りで、もう一つは四国の柚子や伊予柑などの柑橘を使ったもの。
ゴッホが『ヒマワリ』を描いたアルルの香りとゴッホが憧れた日本の香り、その二つをイメージする香りは人がここを通れば通るほど、つまり展示室に人が入るほど混ざり合い、「#7つのヒマワリ」を包む空気までもゴッホに関連づけられていきます。
見えない部分の演出なので気づきにくい点ですが、そんな細部までこだわっていることからも、美術館の熱い思いが感じ取れます。
写真:岡本 大樹
地図を見るここで全ての作品をご紹介することはできませんが、この一枚は大塚国際美術館にとっても特別な一枚なので軽く説明を。
これは元々は兵庫県の芦屋にあったものなのですが、第二次世界大戦の際に戦禍によって焼失してしまった、幻の『ヒマワリ』と呼ばれる一枚なのです。
原画はすでにこの世に残っていませんが、当時の画集を元に2014年に陶板名画として再現したのです。もちろんここでしか見られないものなので、お見逃しなく。
写真:岡本 大樹
地図を見る細部にも注目です。陶板は間近まで近づくことができるからこそ見える部分ではあるのですが、ただ単に写真を陶板にコピーしただけではないのです。まるで描いた直後のように、筆の跡まで再現されています。
提供元:大塚国際美術館
http://o-museum.or.jp展示室にはゴッホが描いた『ヒマワリ』以外にも、一つだけ別の作品が置かれています。それがこちらの『ヒマワリを描くゴッホ』。
これはアルルで共同のアトリエを使っていたポール・ゴーギャンの作品。ゴーギャンは現実にはないものも想像して描くタイプの画家だったためか、この花瓶のヒマワリの絵はここにある7枚のヒマワリとはどれも違っています。ゴッホの絵と見比べてみましょう。
写真:岡本 大樹
地図を見る毎日行われているギャラリートークツアー「ゴッホと7つのヒマワリ」に参加すれば、さらに詳しくゴッホ作品のことを知ることができますよ。
美術館のスタッフの方が行うこちらのツアーでは7枚の『ヒマワリ』だけでなく、その他のゴッホ作品に関する解説も聞くことができます。毎日2回、12:00〜と14:00〜行われています。
※ツアーは1回の定員が20名までとなっています。定員に達すると参加できないので、希望する場合は予めウェブサイトか電話で予約しておくことをオススメします。
写真:岡本 大樹
地図を見るただ作品を見ているだけではわからない部分も教えてもらえるので、ぜひ参加してみてくださいね。
また展示室の前のスペースでは「ゴッホのヒマワリとアルルの6カ月」と題された約15分の4K映像が流れています。7枚の花瓶入り『ヒマワリ』を描いたゴッホですが、その7枚を描く間に起こった事件や、その中でのゴッホの苦悩や悲しみなどを細かく知ることができるので、ぜひ一度ご覧ください。
ナレーションは2016年に舞台「ヴィンセント ヴァン ゴッホ」でゴッホ役を演じた橋本さとしさんが担当しています。とても心のこもったナレーションで引き込まれること間違いなしです。
提供元:大塚国際美術館
http://o-museum.or.jp展示を楽しんだ後には、記念撮影もしておきましょう。作品と一緒に写るというのももちろん良いのですが、今回の展示にあわせて登場した巨大な花瓶のオブジェに入ってヒマワリになってみるのはいかがでしょうか。
ヒマワリの花びらカチューシャと葉っぱのグローブをつけ、ヒマワリになりきってみれば撮影は大盛り上がり!世界に一つだけのヒマワリを作ってみてくださいね。
写真:岡本 大樹
地図を見る「#7つのヒマワリ」と同時にオープンした「Cafe Vincent(カフェ・フィンセント)」もゴッホ関連の見どころに溢れています。カフェの片隅にはゴッホ作品の一つである『アルルのゴッホの部屋』をそのまま立体再現したスペースが。
中に入って写真撮影ができるのでぜひ入ってみてください。細かいところまで絵と一緒なので、壁に飾られている絵と比べながら楽しんでみましょう。
写真:岡本 大樹
地図を見るメニューには「プロヴァンス風ハーブチキン(パン付)」などが並びますが、筆者のオススメは「ヒマワリサラダと季節野菜のスープ(パン付)」(写真)です。ヒマワリを模したサラダ部分には、パプリカなどの野菜をメインとしてローストチキンなども入っているので、見た目以上に満足できますよ。
他にもストロープワッフルとコーヒーのセットなど、ゴッホの故郷であるオランダにちなんだカフェメニューもあるので、館内を鑑賞途中の休憩にも最適ですよ。
写真:岡本 大樹
地図を見る帰る前に忘れずに訪問してほしいのが、ミュージアムショップです。「#7つのヒマワリ」の展示開始にあわせて発売された大塚国際美術館限定の商品もありますよ。
写真はヒマワリ型の和三盆やクランチチョコレートなどのお菓子ですが、そのパッケージにはヒマワリが。お土産として贈るにも自分用に買うにも嬉しい一品です。ここにしかないので忘れずに買って帰ってくださいね。
そして今回の「#7つのヒマワリ」の展示開始と同時に、美術館と同エリアに位置する「アオアヲ ナルト リゾート」にてコラボレーション客室がオープンされました。その名も「ゴッホのヒマワリルーム」。
美術館で作品を堪能した後は、宿泊でも『ヒマワリ』を楽しむというプランにしてみてはいかがでしょうか。「ゴッホのヒマワリルーム」の詳細に関しては下記関連MEMOにリンクがありますので、そちらをご参照ください。
住所:徳島県鳴門市鳴門町鳴門公園内
電話番号:088-687-3737
入館料:一般3,240円/大学生2,160円/小中高生540円(いずれも消費税等込)
開館時間:9:30〜17:00(入館券の販売は16:00まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)1月は連続休館あり、その他特別休館あり、8月無休
※2019年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
※記事内の写真は大塚国際美術館の展示作品を撮影したものです
この記事の関連MEMO
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(2025/1/20更新)
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