桜花爛漫!北海道「松前城/松前公園」に咲く250種一万本の桜!!

桜花爛漫!北海道「松前城/松前公園」に咲く250種一万本の桜!!

更新日:2016/02/11 18:07

月宮 うさのプロフィール写真 月宮 うさ ブロガー
北の小京都とも言われる風情漂う町、北海道「松前町」。
この町に建つ「松前城」を含む松前公園は、「日本さくら名所100選」にも選出される北海道一とも言われる桜の名所で、約250種1万本を越える桜に出合うことができます。
毎年ゴールデンウィークに入る頃から咲き始め、5月下旬まで続く桜のリレー。それは息を飲む美しさ!
そんな、桜花爛漫の季節を迎える松前城/松前公園の風景をご紹介します。

桜、花咲く「松前城」について

桜、花咲く「松前城」について

写真:月宮 うさ

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まずは桜に囲まれる美しい「松前城」についてお話いたしましょう。

松前城は「福山城」とも呼ばれる、松前町福山の台地に築かれた平山城(平野の中にある山・丘陵等に築城された城)で、日本城郭協会選定による「日本100名城」の一つに数えられています。旧城内一帯は国指定史跡に指定されており、築城時から現存する本丸御門は国の重要文化財に指定されています。

1600年に松前家五世・松前慶広(よしひろ)が現在の松前城がある地に福山館(ふくやまだて)と呼ばれる陣屋を設け、蝦夷地支配の拠点としました。これが松前城のはじまりです。
後に外国の艦船が来航するようになり、1849年江戸幕府は北方警備を目的に当時の藩主松前崇広(たかひろ)に福山館改築(松前築城)を命じます。これが現在残されている松前城です。
その後、戊辰戦争末の箱館戦争の時に、榎本武揚(えのもとたけあき)率いる旧幕府軍の攻撃を受け落城しました。
その時焼失した天守は1949年に再建され、現在は町のシンボル・桜の名所として親しまれています。

桜花爛漫、松前城天守からの眺め

桜花爛漫、松前城天守からの眺め

写真:月宮 うさ

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「松前城」では天守内部を見学することも可能です(冬季休業)。
内部は3層で資料館になっており、松前藩主装用の甲冑や、松前藩御用船・長者丸の幟などが展示されています。
そして、春は天守最上階から一面桜色の風景を楽しむことができます。晴れた日には津軽海峡まで見渡せることも!松前城に訪れたときは是非、天守にも登ってみてくださいね。

寄り添い1つになった、天神坂の「夫婦桜」

寄り添い1つになった、天神坂の「夫婦桜」

写真:月宮 うさ

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松前城/松前公園の数ある桜の名木の中から、いくつかをご紹介。

まず最初に、松前城の天神坂門近くに咲く「夫婦桜」のお話をいたしましょう。
この桜は染井吉野(ソメイヨシノ)と南殿(ナデン)と言う品種の桜が、1本の根から育っている珍しい桜。昭和の初めに、鎌倉兼助氏が染井吉野を台木に、南殿を接ぎ木したものです。
1本の幹から寄り添うように咲く染井吉野と南殿が、仲良し夫婦のように見えるその姿から「夫婦桜」と呼ばれるようになりました。開花時期もほぼ同時期の仲良しっぷりですよ!(天候によって開花時期が異なる年もあります)

桜前線北海道上陸を伝えてくれる染井吉野

桜前線北海道上陸を伝えてくれる染井吉野

写真:月宮 うさ

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松前城/松前公園には桜前線が北海道にやってきたことを伝えてくれる「北海道上陸標本木」があります。とても立派な染井吉野(ソメイヨシノ)ですので、松前公園にお越しの際はこの木にも注目してみてくださいね!
他にも、天守の周りには枝ぶりのいい染井吉野が数多く植えられています。

桜の精が宿る「血脈桜」の伝説

桜の精が宿る「血脈桜」の伝説

写真:月宮 うさ

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最後に松前に来たならば絶対見て欲しい美しき桜、松前城近くにある浄土宗に属する寺院光善寺に咲く樹齢300年の「血脈桜」がご紹介しましょう。
この桜は松前を代表する桜の品種八重咲きの「南殿(ナデン)」の親木です。
咲き始めは白っぽく、日を追うにつれ、血が通うかのように花びらに赤みがさす血脈桜には、桜の精と「血脈」証文にまつわる伝説が伝えられています。

【血脈桜の伝説】
昔々、松前の城下に柳本伝八という鍛冶屋さんがおりました。
ある年春、娘の静枝と一緒上方見物に旅立ちます。
江戸で遊び、お伊勢さんに詣り、京都・奈良を巡って桜花爛漫の吉野に辿り着きました。
桜の美しさに魅せられた伝八親子は、しばらくこの地に宿ることにしました。
宿の近くには尼寺があり、親子は尼さんと親しくなり楽しい日々を過ごします。
いよいよ、松前に帰ることになったお別れの日、尼さんは静枝の手に一本の桜の苗木を握らせ「故郷に帰られた後は、この桜を私と思ってくださるよう‥」と伝えました。

帰郷後に伝八親子は菩提寺の光善寺の庭にその桜を植えます。
やがて桜は見事な花を咲かせるようになり、人々を喜ばせました。
そして、幾十年の月日が流れた春、見事に咲き乱れる桜の花を見ながら静枝は、その生涯を終えたのです。

月日は流れある年、光善寺の本堂を立て直すことになり、桜が伐採されることになりました。
明日は伐採という日の前夜、光善寺十八世穏誉上人の枕元に美しい女性が現れ「私は死ぬ身です。どうか血脈を与えてくださいますよう‥」と頼むのです(血脈とは極楽浄土へ行く証文)。
上人は娘の熱心な願いにほだされ、血脈を与えてあげました。

翌日の朝、上人が桜を見上げたとき何か白いものが風に動いているのを見つけました。それは昨夜与えた血脈だったのです。
上人は「さては昨晩の娘さんは、この木の精であったか」と悟り、桜伐採を取り止め、盛大な供養が行われました。
そして今もなお、昔と変わることなく爛漫と咲き誇っているのです。
上人の枕辺に現れた桜の精は静枝であったのでは?と、語り伝えられています。

春は桜だけではありません!

桜が見頃を迎える時期、北海道では梅も満開を迎えます。
北海道では桜と梅の開花はほぼ同時期。ピンクや白の花々がつくりだす風景を楽しむことができます。また、松前は椿の北限地でもあり、桜の季節に満開の椿の鑑賞も!
足元に咲く春の花々、約250種の桜が次々と咲き出す風景、春の松前城/松前公園はお花でいっぱいです!
花々が咲き乱れる風景に癒される旅に北海道・松前町までおでかけしてみませんか?

※松前城までのアクセスはJR函館駅から直通バスで約3時間、もしくはJR江差線・木古内駅からバスで約1時間半の旅になります。
お車をご利用の場合は函館市から松前町まで国道228号で約2時間です。
春は松前城の桜鑑賞ツアーがツアー会社各社からでていますので、こちらを利用するのもオススメです。

掲載内容は執筆時点のものです。

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