今しか見られない景色がある!城マニアが語る城の見方・楽しみ方

今しか見られない景色がある!城マニアが語る城の見方・楽しみ方

更新日:2019/11/15 16:15

トラベルjp 編集部のプロフィール写真 トラベルjp 編集部
VR(仮想現実)やAR(拡張現実)、プロジェクションマッピングなどを使った演出で、近年、新しい楽しみ方が広がりつつある「城」。知れば知るほど面白くなる、その魅力について、自他ともに認める"城マニア"で、LINEトラベルjp ナビゲーターのいなもとかおりさんに教えてもらいました。

年間100の城を巡る「城マニア」、いなもとかおりさん

年間100の城を巡る「城マニア」、いなもとかおりさん

提供元:いなもとかおり

LINEトラベルjp ナビゲーターのいなもとかおりさんが、それまでの会社員生活に終止符を打ち、観光ライターとして転身したのは3年前のこと。「日本には4〜5万の城があると言われていますが、仮に4万の城に1日1城に行くとしたら109年58日もかかってしまう」と計算したことがきっかけでした。

「会社員としてオフィスワークをするよりも、城にもっと行きたい! 行かなきゃ!と思ったんです。そして、城に行きながら地域の魅力を伝えるライター業をやっていこうと決めました」と当時を振り返るいなもとさん。

なぜそこまで城にのめり込んでいったのでしょう。いなもとさんは「一目惚れです!」と即答。19歳の冬に福島・会津若松城(別名:鶴ヶ城)を訪れた際に、雪景色のなかに佇む会津若松城を見て、恋をしたような感覚を受けたそう。

「そこから、城について調べ始めたら、どんどん面白くなってきました。美しいのに棘があるバラと一緒で、ただ美麗なだけではなく、昔の人の知恵や工夫を知り、また攻め手の気持ちなども空想するようになり、楽しみが広がっていきました。」

年間100の城を巡る「城マニア」、いなもとかおりさん

提供元:いなもとかおり

現在は、複数のウェブ媒体で城の記事を執筆するほか、テレビやラジオでも城マニアとして活躍中。旅行会社の城巡りツアーのガイドをしたり、自身が主催する城巡りツアーも定期的に行なっているといういなもとさん。

「私は城に興味を持ってもらうために、入り口のような存在になりたいと思っています。研究者の先生を招待してのツアーも行いますが、その際は参加者に代わって初心者目線で質問し、参加者と城をつなぐ役割を果たしています。」

そんな彼女にとって、最近もっとも印象的だった仕事は、千葉県にある佐倉城の取材。「佐倉市から取材協力のお声がけをいただき、記事を執筆しました。今までは自分から取材を申し込む形がほとんどだったのですが、今回は市の職員や歴博の広報担当者の方から熱い想いをうかがいながら案内してもらうことができ、とても貴重な機会になりました。佐倉城の空堀はきれいに復元整備され、見てもらいたいという思いが伝わってきます。」

今を語り、伝える仕事

今を語り、伝える仕事

提供元:いなもとかおり

「例えば城の研究者の先生は歴史を読みとき、伝えることが仕事だとしたら、私の仕事は城の今を語る仕事だと思っています」と自身を分析するいなもとさん。現代の城は、観光とも密着に関係していると言います。

「なかにはVRが楽しめる城もあり、当時の姿を画面を通して感じることができます。また、私のおすすめは現在発掘調査中の駿府城です! 発掘調査中の史跡は立ち入れる場所も少なくなり、観光客にとっては行きにくいイメージでしたが、駿府城では発掘調査の『見える化』が行われ、様子が見えるようになっています。」

今を語り、伝える仕事

提供元:いなもとかおり

基礎を学ぶなら江戸城がおすすめ

基礎を学ぶなら江戸城がおすすめ

提供元:いなもとかおり

初心者におすすめの城を尋ねると、「江戸城は、城の楽しみ方を知るのにベストな城です」という答えが返ってきました。東京にある、現在の皇居外苑を含む一体が江戸城に当たるそう。

「皇居の中には入れないと思っている人もいらっしゃるのですが、江戸城の本丸・二の丸・三の丸の一部が皇居附属庭園として整備され、週5日入場無料で一般公開されているんです。」

江戸城は徳川幕府を260年支えた最強の城。その大きさは千代田区がすっぽり収まる総延長14kmの、日本史上最大の城郭と言われています。富士見櫓や天守台、石垣、堀、土塁などの遺構が残っていて、いまも見ることができます。いなもとさんのおすすめは「石垣巡り」。

「石垣に注目して見てみると、加工と積み方が数パターンあることに気がつくと思います。強度を増すための工夫や見栄えを良くする工夫など、さまざまな特徴があります。ぜひ記事を読みながら巡ってみてほしいです」と教えてくれました。

今しか見られない景色を見てほしい!

今しか見られない景色を見てほしい!

提供元:いなもとかおり

ちょうど4月下旬以降に、桜が満開を迎える弘前城。現在は、10年がかりの石垣の修復工事中です。天守が動く工事は全国でも珍しいもの。

また、100年ぶりの大工事ということもあり、「生きているうちには今しか見られないんです!」といなもとさん。「工事は2023年に完了予定で、いつもと異なる弘前城の風景が見られるのもあと4〜5年のみ。ぜひ見に行ってほしいです。私もまた見に行こうと狙っています。」

今しか見られない景色を見てほしい!

提供元:Adobe Stock

最近、城マニアの間で注目されているのが、愛知県の名古屋城とのこと。「3月に、名古屋城の目の前に『金シャチ横丁』という新しい城下町が誕生しました。地元グルメが集結し、観光客にもおすすめの場所です!」とその理由を語ってくれました。

いなもとさんによると、名古屋城の天守閣は取り壊しが決まり、これまでの鉄筋コンクリートから木造での復元が検討されているそうです。「ゴールデンウィーク明けの5月7日からは入城禁止となるので、今の天守閣に入れるのは今(2018年5月6日まで)しかないんです!」

さらに、10年にわたる復元工事が行われていた本丸御殿が6月8日に完成予定。ますます名古屋城に注目が集まりそうです。

いなもとかおりさん注目の旅先Best 3

最後に、いなもとかおりさんが今注目している旅行先を3つ聞いてみました。

「先に挙げた青森・弘前城、愛知・名古屋城に加えて、今注目しているのが、韓国・忠清北道報恩(ポウン)にある三年山城(サムニョンサンソン)です。5世紀に築かれた新羅時代の古代山城で、2km近くに渡って石垣が続いています。パスポートを持っていなかったのですが、この城を見に行くためにパスポートを取りました!

1350年前に作られた福岡県の大野城も、朝鮮半島から伝わった築城技術で築かれた古代の城なんですよ。」

知れば知るほど、知りたいことが増えて行く、奥深い城の世界。いなもとさんの記事を入り口として、魅力的な城の世界にぜひ足を踏み入れてみてください。

取材協力
いなもとかおりさん
LINEトラベルjp ナビゲーター。会社を退職し、城・歴史を中心とする観光ライターに転身。現在は複数メディアに城に関する記事を寄稿するほか、テレビやラジオでも城巡りの楽しさを伝えている。

取材・文/LINEトラベルjp 編集部

掲載内容は執筆時点のものです。

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