提供元:Alllexxxis via Wikimedia
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Hunza_Vall…パキスタンの首都イスラマバードから北へ約700km、中国との国境クンジュラブ峠からも近いフンザ渓谷。氷河をいただく7,000m級のカラコルム山脈に囲まれた山間盆地であるフンザは、周囲の荒涼とした大地とは対照的に、奇跡のように広がる緑豊かな果樹園やオアシス的な田園風景から「桃源郷(シャングリラ)=理想郷」とも呼ばれています。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る山の雪解け水を利用して作られた石造りの段々畑、フンザを象徴する細長いポプラの木々、春には杏や桜、りんごやアーモンドなどの花が咲き乱れ、谷を抜ける心地よい風を感じると、そこはまさに「風の谷のナウシカ」の世界。この美しい谷は2003年宮本輝原作の映画『草原の椅子』の撮影地でもあったことは知る人ぞ知るエピソードです。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るラカポシ峰(7,788m)、ウルタル峰(7,388 m)、ディラン峰、ゴールデン・ピーク、レディ・フィンガーなど登山家なら一度は憧れる山々に恵まれたフンザ。登山隊の多くがフンザを拠点とし、また麓のベースキャンプまではトレッキングルートとしても人気のスポットです。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る毎年3月下旬から4月上旬にかけて、白やピンクの杏、桜、りんご、アーモンドがフンザの谷一帯に咲き乱れます。この姿はまさに桃源郷のようだと、特に日本人の間で人気です。
提供元:Usmanmiski via Wikimedia
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Altit_Fort…9月以降から徐々に秋めいて、果樹やポプラの木々が紅や黄色に衣替えし紅葉で谷を埋め尽くします。青い空に雪山と紅葉のコントラストが一層フォトジェニックです。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るフンザの観光シーズンと言われるのが6月から8月。乾いた大地も一面新緑に覆われ、一年を通して冷涼で過ごしやすいこの地は、蒸し暑い南部在住のパキスタン人にとって避暑地的な存在。そのため、例年このシーズンは国内観光客で溢れかえります。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るフンザ渓谷を一望できるおすすめのビュースポットは2か所。一つは、1974年まで存在したフンザ藩王国の宮殿跡「バルティット・フォート(Baltit Fort)」です。フンザの拠点であるカリマバード(Karimabad)」村内の高台に位置し、徒歩でアクセス可能。宮殿前の広場は無料ですが現在博物館となっている宮殿内部へは入場料が必要です。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るもう一つのビュースポットは「イーグルネスト(Eagle Nest)」。カリマバードから北東へ約6.5km、「ドゥイカル(Duiker)」村の標高3,000mの高台に位置し、バルティット・フォートよりもさらに高い位置から一望できます。辺りには吹き荒れる風によってえぐられた岩穴が立ち並び、まさに「風の谷」そのものです。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るイーグルネストは朝日・夕景観賞のスポットとしても知られ、手軽に観賞したい観光客は隣接している「イーグルネスト・ホテル」をよく利用しています。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るフンザを訪れたことのある日本人が口をそろえて語るのはフンザ人の親日家ぶり。日本人であることを明かすとフンザ人の口から出るのはまずこの「ハセガワ・メモリアル・スクール」。
かつてウルタル峰登攀を目指し雪崩による遭難で還らぬ人となった登山家・長谷川恒男氏の遺志を継ぎ、その奥様と有志が建てた学校で、現在では初等科から高等科まで約800人が通うフンザ随一の進学校となっています。安い学費で高レベルの教育が受けられるとあって地域の人々からとても愛されています。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る次にカリマバード村の一角にある「ジャパン・チョーク(Japan Chowk)」。パキスタン政府と日本のNGO共同プロジェクトによる完成記念碑が建てられた小さな広場です。このプロジェクトによりフンザに安定と発展がもたらされたことから日本への厚い感謝と敬意がこめられていると言われています。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る村の至る所には日本語の落書きや看板を目にすることができます。またパキスタンを走る車のほとんどがトヨタやホンダ、スズキなどの日本の輸入車でもあることから、日本に対してより身近で親しみを感じ村人はあたたかく接してくれるのです。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るフンザへの空路のアクセスは、首都イスラマバードから飛行機で最寄りの空港ギルギット(Gilgit)あるいはスカルドゥ(Skardu)まで飛んだのち、バスでカリマバードまで目指します。しかし、便数も少なく、ちょっとした天候不良で欠航しやすいため陸路を選択する人も少なくありません。
陸路の場合はなかなかハードで、イスラマバードからギルギットまで直通バスで所要16〜20時間。土砂崩れしやすい崖道が多く道路状況次第でそれ以上かかることもあります。
写真:Mayumi Kawai
地図を見る長距離バスで移動の場合、道中8ヵ所以上の検問があります。外国人はパスポートのコピーを回収されるので10部以上求められます。また最初の検問で外国人滞在登録証の記入が必要で、検問の際に都度提示を求められるので常時携帯しなければなりません。
写真:Mayumi Kawai
地図を見るギルギット到着後はバスターミナルの一角にフンザ(カリマバード)直通ミニバス乗り場があります。人数が集まり次第の発車で所要約3時間、ホテル名を告げればホテル前まで送迎してもらえます。
一筋縄ではいかない秘境フンザですが、その苦労に代えてもこのナウシカワールド全開の超絶景は、あなたの人生観にちょっとした刺激を与えてくれること間違いなしの感動に震える美しさです。気になる治安は国境付近を除きほぼ平定され大幅に改善されています。ジブリファンならずとも絶景大好きな方には是非一度訪れて欲しいスポットです。
住所:Hunza valley, Karimabad, Gilgit-Baltistan region, northern Pakistan
標高:約2400m ※高地で冷涼な気候のため防寒対策必要、またそれ以上の高さへ移動する際には高山病対策も必要
アクセス:イスラマバードから空路の場合、最寄りはギルギット(Gilgit)空港、あるいはギルギットから西へ約200km離れたスカルドゥ(Skardu)空港からギルギット経由でバスを乗り継ぎカリマバード到着。陸路移動の場合は、イスラマバードから国営バスのナトコ(NATCO)あるいは民間のシルクルート(SILK ROUTE)社などを利用して所要約16〜20時間。ギルギット到着後にミニバスに乗り換え約3時間でカリマバード到着。
2018年4月現在の情報です。
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(2024/9/11更新)
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