通年無料の一般公開となりました!今こそ行きたい京都御所

通年無料の一般公開となりました!今こそ行きたい京都御所

更新日:2020/11/02 11:45

ぐれい クミコのプロフィール写真 ぐれい クミコ 通訳ガイド(英語)
かつては事前の申し込みがなければ参観できなかった京都御所。一般公開は春と秋の数日間のみと短く、観光客が殺到していました。しかし2016年夏より事前申し込み不要の通年公開となりました!今までなかなか訪れる機会のなかったあなた、令和になり新しい時代を迎えた今こそ、ぜひふらりと気軽に京都御所へ行ってみませんか? 定休日は月曜日(祝日の場合は翌日)と年末年始ですのでご注意を!

天皇のお住まいは玄関からして荘厳なスケール

天皇のお住まいは玄関からして荘厳なスケール

写真:ぐれい クミコ

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平安遷都から明治になるまでの1075年間、京都に都があったのは皆さまの知るところ。天皇のお住まいももちろん京都にありました。それが「京都御所」です。

参観希望者に通年公開されることになりましたのは、清所門(せいしょもん)から出入りするルート。個人差はありますが、1時間もあればじっくり見てまわれます。

主な見所は、以下の順になります。
◇清所門(せいしょもん)
ここで検温、手荷物チェックを受けます。
混雑時は並びますので大きな荷物は中が見やすいようにされると良いでしょう。当然ですが危険物の持ち込みは厳禁です。

1 御車寄(おくるまよせ)… 天皇の許可を得た者が正式に参内する玄関。
私達は玄関を見学するだけで、実際に上がれるわけではありません。
写真はこの 御車寄(おくるまよせ)です

2 諸大夫の間(しょだいぶのま)… 玄関を入ったものが待機する部屋。格の高い順に「虎の間」、「鶴の間」、「桜の間」と呼ばれる三室が東から並んでいます。

3 新御車寄(しんみくるまよせ)… 1の御車寄(おくるまよせ)から50mほど離れたところにあります。
大正天皇の即位の際に自動車で付けることができるよう新築された玄関。

天皇のお住まいは玄関からして荘厳なスケール

写真:ぐれい クミコ

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4 建礼門(けんれいもん/けんらいもん)… 京都御所の正門。
現在も天皇皇后及び外国元首級のみが通ることのできる格式高い門です。平安時代以降、内裏の南門の名を「建礼門」と呼びました。

もともとは特別に格式高い門というより、白馬の節会(あおうまのせちえ)などの宮中の年中行事の時のみ開かれる門であったと言われています。ちなみにこの白馬の節会は「白馬」と書いて「あおうま」と読むのは陰暦正月7日、この日に青馬を見ると年中の邪気が除かれるという中国故事に由来するものです。実際、青みがかった白馬は〈あおうま〉といわれ、神聖なものとして神祭に供せらました。

もっとも格式の高い正殿「紫宸殿(ししんでん)」

もっとも格式の高い正殿「紫宸殿(ししんでん)」

写真:ぐれい クミコ

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5 紫宸殿(ししんでん)
写真の奥に見えるのが、正殿の紫宸殿(ししんでん)です。

ここで明治、大正、昭和天皇の即位式が行われました。この写真では少し見えにくいですが、中央に天皇の御座「高御座(たかみくら)」、その東に皇后の御座「御帳台(みちょうだい)」が置かれています。御座とは、君主が公式に座る座具、つまりお椅子です。

現在の高御座と御帳台は大正天皇の即位礼に造られたもので、上皇陛下の即位礼の際には東京に運ばれて使用され、その後京都御所に戻されました。
令和元年(2019年)徳仁親王の「即位礼正殿の儀」でも使用されたため2018年9月に東京へ輸送、そして2020年2月に京都御所に戻されました。

建物の前面にはおひな様でよく飾られる木、東側に「左近の桜」、西側に「右近の橘」が植えられています。

気候によって差はありますが、3月末頃にはこの「左近の桜」が見ごろです。

日常の生活の場とされた「清涼殿」(せいりょうでん)

日常の生活の場とされた「清涼殿」(せいりょうでん)

写真:ぐれい クミコ

6 清涼殿(せいりょうでん)… 現在の「清涼殿」は1790年に建築され平安時代のものよりも小さくなっていますが、元々日常生活を過ごされる御殿だったため、内部はふすまなどによる間仕切りが多くなっています。

この写真、中央に見える白いものはご休憩の御帳台、その前に置かれている厚畳は昼御座(ひのまおし)という、天皇がお座りになる、座椅子のようなもの。
ここで天皇がゆっくりと座っておられたのでしょうか。

7 小御所(こごしょ)… 諸種の儀式が行われたところ。
なにより有名なのが、慶応3年(1867年)王政復古の大号令が発せられた日の夜「小御所会議」が行われたのがここです。

日常の生活の場とされた「清涼殿」(せいりょうでん)

写真:ぐれい クミコ

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8 御池庭(おいけにわ)… 池を中心とした回遊式庭園
これぞ日本庭園!という味わいと美しさが凝縮された庭園で、特に外国人観光客には大人気の写真スポット。ぜひ皆さまも訪れた際にはパノラマで写真を撮っていただきたい所です。

9 蹴鞠(けまり)の庭 … 現在でも国賓来日の際などには「蹴鞠」が行われます。

10 御学問所(おがくもんじょ)… 歌会など学芸に関する行事や、臣下との対面に用いられたところ。

11 御内庭(ごないてい)… 土橋や石橋を架けた庭で、奥に茶室を構えています。

日常の生活の場とされた「清涼殿」(せいりょうでん)

写真:ぐれい クミコ

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12 御常御殿(おつねごてん)… 京都御所の中で最も大きな建物。清涼殿から独立して建てられ、室町時代以降に天皇の日常の生活の場として使われた御殿です。明治天皇も東京へ遷るまでこの御殿に住んでおられました。

以上を見学し、清所門(せいしょもん)から退出。

春は梅、桃、桜の花々が、秋は紅葉が楽しめます。

春は梅、桃、桜の花々が、秋は紅葉が楽しめます。

写真:ぐれい クミコ

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清所門(せいしょもん)を出て、100メートルほど京都御苑内を南に下がったところに、梅林、桃林があります。2月〜3月、数百本の赤や白の梅や桃はとても見ごたえがあり圧倒的な美しさ。

春は梅、桃、桜の花々が、秋は紅葉が楽しめます。

写真:ぐれい クミコ

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通年ですと3月下旬から4月上旬、桜の季節の京都御苑は最高です。
早咲の桜である出水のしだれ桜、御所の北には旧近衛邸の糸桜が有名です。必ず訪れて頂きたいところ!

春は梅、桃、桜の花々が、秋は紅葉が楽しめます。

写真:ぐれい クミコ

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秋季は、紅葉が鮮やか。清所門(せいしょもん)を出て右手、皇后門(こうごうもん)を背に斜め右手に大きなイチョウがあります。秋になると日に日に鮮やかに色づき始め、とても存在感のある大きな木です。下は落ち葉の絨毯が例年きれいです。
秋にしかない京都御苑の空気感が楽しめます。

京都御所の美しい外壁にはご注意を!

京都御所の美しい外壁にはご注意を!

写真:ぐれい クミコ

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御所を見学し終え、御苑内を散策される方々に一点、ご注意があります。外壁に設置された赤外線のセンサーです。以前は落書きがひどかったようですが、現在は全面修復され大変きれいになり、壁際にセンサーが設置されるようになりました。壁に近づくとこのセンサーがすぐさま作動し、とんでもなく大きなブザー音と「大切な文化財です!」というアナウンスが御苑内に鳴り響きます。恥ずかしい思いもしたりするのでご注意ください。歩きつかれてちょっと腰かけようかと、間違っても壁側へまたいだりしないでくださいね。近づかないことをおススメします。

京都御所の通年公開まとめ

土日、祝日を含め一年を通して申込手続不要で参観できます。
お休みは月曜、年末年始(12月28日から1月4日)、その他の特別行事日。
午前9時〜午後5時。季節によって4時半(入場は3時50分)まで。

各地から団体のバスツアーなどありますが個人で行かれる方は、地下鉄烏丸線が便利。今出川駅南改札口3番出入口から清所門(せいしょもん)までは徒歩5分程度です。
年に2回しかなかった一般公開時の混み具合と比べると拝観しやすくなりました。しかし誰もいない京都御所を写真に収めたい場合は、平日9時の開門の先頭で入られることをおススメします。朝一の京都御所はまた格別美しい写真が撮れるでしょう。
閉門は午後5時(最終入場は午後4時20分)なので、ゆっくり観たい方は遅くとも4時くらいまでには到着されることをお勧めします。秋冬期間は,日没時刻を考慮して閉門時間を繰上げることもありますので宮内庁のWebサイトなどご確認ください。

京都御苑はとても広く、それでいて格式高い場所のため管理や警備が行き届いており、そこはかとなく凛とした空気が常に漂っています。他の神社仏閣などの名所では全く味わえない名所です。一見の価値があります!

掲載内容は執筆時点のものです。 2018/03/21 訪問

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