絶景車窓が続々!北海道鉄道の旅 4泊5日モデルコース

絶景車窓が続々!北海道鉄道の旅 4泊5日モデルコース

更新日:2018/05/20 18:18

風祭 哲哉のプロフィール写真 風祭 哲哉 B級スポットライター、物語ツーリズムライター、青春18きっぷ伝道師
想像を絶するような雄大な大自然の中を走る北海道の鉄道路線。総延長2,500キロ以上の鉄路には、絶景と呼ばれる車窓が数えきれないほどありますが、今回はその中でも選りすぐりの絶景車窓をめぐる北海道の鉄道の旅を5日間のモデルコースでご案内します。

なお、今回のモデルコースは列車からの車窓観光が中心ですので、5日間、鉄道での移動時間が大半を占めますが、空いた時間で立ち寄れる観光スポットも一部紹介します。

1日目:はるばる来たぜ北海道!を感じる函館本線の絶景

1日目:はるばる来たぜ北海道!を感じる函館本線の絶景

写真:風祭 哲哉

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北海道の本当の遠さを感じるのならば、空路ではなく陸路で北海道入りしたいもの。青函連絡船や北斗星がなくなってしまった今、北海道新幹線ではちょっと早く着きすぎる感もありますが、それでも空路で入るよりも旅情は数倍高まります。

新函館北斗で新幹線から函館本線の札幌行き特急に乗り換えると、すぐに大沼に向けての峠越えがはじまります。トンネルを抜けた瞬間に車窓左手に見える大沼と駒ヶ岳でいきなり北海道の雄大さを実感!
新函館北斗を発車して10分経たずにこれですよ。この先の絶景具合が思いやられますね。

1日目:はるばる来たぜ北海道!を感じる函館本線の絶景

写真:風祭 哲哉

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札幌行きの特急は長万部から室蘭本線に入りますが、車窓を楽しむならここで普通列車に乗り換えましょう。名前こそ「函館本線」ですが、ニセコ山麓の深い山中を走るため、この先の区間に優等列車はなく、1日数往復の普通列車のみ運行されています。

山線と呼ばれるこの区間のハイライトは、車窓から見える羊蹄山。倶知安の前後で蝦夷富士と呼ばれるその雄姿を見ることができます。

1日目:はるばる来たぜ北海道!を感じる函館本線の絶景

写真:風祭 哲哉

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ニセコの山を下りるとかつての北海道の商都、小樽。小樽からは石狩湾沿いを走りますが、この海岸風景も美しいのです。切り立った断崖と海とのわずかな隙間を走る列車からの車窓は、人口200万の大都市札幌からわずか20分ほどの距離にあるものとは思えませんね。

札幌に着いたら1日目は終わり。夜の札幌を十分に満喫してください。

2日目:根室本線で狩勝峠越えと根釧原野の絶景を

2日目:根室本線で狩勝峠越えと根釧原野の絶景を

写真:風祭 哲哉

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2日目は札幌から釧路行きの朝の特急に乗車。釧路方面への特急はすべて石勝線を経由して新得の手前で根室本線に合流しますが、この合流直後の狩勝峠越えも北海道を代表する絶景鉄道車窓。

かつて日本3大車窓のひとつと言われていた根室本線の旧狩勝峠区間は、現在は新しいルートに線路が敷設されていますが、その雄大さはまだまだ健在。トマムから新得に抜ける峠の区間にその片鱗がうかがえます。

2日目:根室本線で狩勝峠越えと根釧原野の絶景を

写真:風祭 哲哉

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狩勝峠区間は、峠越えの高低差を克服するため線路は何度も大きく半円を描きながら右へ左へとカーブします。そのため雄大な牧草地の向こうに日高山脈北端の山々が見えていたかと思うと、はるか向こうの下に新得の町並みが見えたりと、車窓は目まぐるしく変わります。

新得から根室本線に入っても、帯広の手前で見える日高山脈の山々や釧路の手前で現れる太平洋など、美しい車窓が続きます。

2日目:根室本線で狩勝峠越えと根釧原野の絶景を

写真:風祭 哲哉

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けれども根室本線の車窓で本当におすすめなのは釧路から根室までの間。特に厚岸から先はほとんど何もない根釧台地が続きますが、この区間が雄大で素晴らしいのです。

厚岸湾とその先の別寒辺牛湿原の風景は、釧路湿原以上に幻想的にも思えます。落石駅の手前で太平洋の断崖上を走る車窓もぜひ見てほしい絶景。釧路から根室までの列車は1日6往復と不便な区間ですが、特急おおぞら1号で札幌を出れば乗継はよく、根室まで行って、納沙布岬を往復してもその日の夜、釧路に戻って泊まれます。

3日目:釧網本線で釧路湿原やオホーツク海、原生花園を満喫

3日目:釧網本線で釧路湿原やオホーツク海、原生花園を満喫

写真:風祭 哲哉

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釧路と網走を結ぶ釧網本線のハイライトは、やはり釧路湿原。シーズン中はノロッコ号と呼ばれる観光列車も運行される、釧路から塘路駅までの区間は湿原に沿って列車が走ります。塘路からは早朝の湿原をカヌーで観光できるプランもありますので、釧路を始発で出発すればこうした観光も楽しめます。

3日目:釧網本線で釧路湿原やオホーツク海、原生花園を満喫

写真:風祭 哲哉

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阿寒湖や屈斜路湖と摩周湖との間を走る釧網本線は、車窓から見える山々の眺めも魅力です。特に川湯温泉駅から間近に見える硫黄山の荒涼とした異形、知床斜里駅の手前から並走する斜里岳の雄姿も特徴的です。

3日目:釧網本線で釧路湿原やオホーツク海、原生花園を満喫

写真:風祭 哲哉

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知床斜里を出ると線路はオホーツク海に沿って進みます。冬には流氷が押し寄せる姿が見えるほどの至近距離で海と並走すると、今度は反対側に小清水原生花園や涛沸湖が。なんと贅沢な区間でしょうか。

この日は釧網本線をゆっくり巡って網走泊まりでも、石北本線で旭川まで行って泊まりでもいずれもOKです。

4日目:富良野線は十勝岳やジェットコースターの線路も?

4日目:富良野線は十勝岳やジェットコースターの線路も?

写真:風祭 哲哉

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この日は旭川から富良野線に乗ってみましょう。北美瑛の手前あたりから車窓で迎えてくれるのは十勝岳連峰の山々。四季折々に美しい姿を見せてくれますが、秋の青空の下に真白な雪をかぶった姿が特におすすめです。

4日目:富良野線は十勝岳やジェットコースターの線路も?

写真:風祭 哲哉

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日本離れした美しい丘が連なる風景で人気の美瑛。この美瑛と隣の美馬牛駅の間にあるのが「ジェットコースターの線路」。読んで字のごとく、丘のアップダウンに忠実に敷かれた線路がジェットコースターのように見えることからこう呼ばれています。

最近SNSで人気の「ジェットコースターの路」もこのすぐ近くですが、さすが美瑛、線路も道もジェットコースターなんですね。ちなみに列車に乗っていても怖くはありませんのでご安心を。

4日目:富良野線は十勝岳やジェットコースターの線路も?

写真:風祭 哲哉

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もちろん車窓からもパッチワークの丘、と呼ばれる美瑛の美しい風景が望めます。ただしあまり長い時間見えるわけではありませんので、見逃さないようにご注意ください。これは観光シーズンに運行されるノロッコ号ならゆっくり楽しめるかもしれませんね。

前日に旭川に泊まって、時間に余裕があれば美瑛も観光後、この日は旭川から宗谷本線で稚内に移動します。移動は夜になるかもしれませんが、翌日の朝に稚内を出発したいため、この日じゅうの移動はマストです。

5日目:宗谷本線からの利尻富士は北海道NO.1の絶景車窓!

5日目:宗谷本線からの利尻富士は北海道NO.1の絶景車窓!

写真:風祭 哲哉

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条件さえ揃えば、北海道で一番の絶景車窓としたいのが、宗谷本線の南稚内と抜海との間で見える利尻富士。条件とは、晴れていて雲で隠れていないのはもちろんのこと、午前中のやさしい光で利尻富士が輝いているように見えること。

稚内を朝出発したい、と書いたのはこれが理由です。午後は逆光になるためこの区間の乗車はおすすめしません。旭川から出て午前中に稚内に到着する列車はありませんので、稚内に泊まることが必須となります。

動画:風祭 哲哉

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条件が揃っていても、利尻富士が見える時間はほんの一瞬です。けれども、何一つ人工物のないサロベツ原野を走っていた列車が、突然空中に放り出されて海に浮かび上がったかと思うと、その向こうに利尻富士が悠然とそびえたっている姿が現れる瞬間は、感動で何度見ても震えすら覚えます。

これを絶景と呼ばずしてなんと呼ぶのでしょうか。ただし利尻富士はとても気まぐれで、毎回必ず姿を見せてくれるわけではありません。こればかりは、みなさんの幸運を祈るしかありません。

北海道の鉄道の旅は絶景車窓で感動の連続!

5日目はそのまま旭川、札幌へと進めば、旭川空港や新千歳空港から空路でも、さらに頑張って新函館北斗まで行けば、北海道新幹線にも当日中に乗り継ぐことができます。

今回は北海道の絶景鉄道の旅をハイライトでご紹介しましたが、これ以外にもたくさんの美しい車窓があります。5日間、列車に乗ってばかりでは…という方には「北海道フリーパス」をおすすめします。このきっぷはJR北海道の全線が特急も含め7日間乗り放題ですので、もう少し観光もしたい方や、もっと欲張って列車に乗りたい方にもご満足いただけます。

本州ではけっして味わうことのできない雄大な北海道の絶景鉄道の旅を、ぜひ一度、お腹いっぱい満喫してみてはいかがでしょうか?

2018年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2017/10/13−2017/10/22 訪問

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