機械仕掛けの「時計塔」はルーマニア世界遺産シギショアラのシンボル

機械仕掛けの「時計塔」はルーマニア世界遺産シギショアラのシンボル

更新日:2018/05/08 10:43

Hiroko Ojiのプロフィール写真 Hiroko Oji ヨーロッパ一人旅愛好家
ルーマニアの首都ブカレストから北西に300km、トランシルヴァニア地方のほぼ中央に位置するシギショアラは、観光地化されていない素朴な中世の町並みが魅力の世界遺産に登録されています。

12世紀末、ドイツからのザクセン人入植により町の歴史が始まり、歴史地区のシンボル的存在が「時計塔」。14世紀に自治都市となったことを記念して建造され、歴史博物館として公開中。最上階からは最高の眺望が楽しめます。

世界遺産「シギショアラ」の町並み

世界遺産「シギショアラ」の町並み

写真:Hiroko Oji

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ルーマニア・トランシルヴァニア地方の中心に位置するシギショアラは、世界遺産に登録されている町。小高い丘の上にある旧市街には、ゴシック、ルネッサンス、バロックなど、中世の建築物がしっかり保存され、タイムスリップしたような雰囲気が漂っています。比較的観光地化されていない点でも、ルーマニア人が自信をもって観光客に薦める魅力溢れる町並みが広がります。

世界遺産「シギショアラ」の町並み

写真:Hiroko Oji

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また、吸血鬼ドラキュラ伝説のモデルとなったワラキア公ヴラド・ツェペシュが生まれた町としても知られており、彼の生家が残されています。父であるヴラド・ドラクルがハンガリー王によって幽閉されていたところでもあり、現在はレストランとなっており、観光客の人気を集めている一軒です。

町のシンボル「時計塔」

町のシンボル「時計塔」

写真:Hiroko Oji

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シギショアラの歴史地区で、ひときわ目立つのが「時計塔」。町のシンボルであり、自治権を獲得して自治都市となったことを記念し、14世紀半ばに建造されました。高さ64メートルの塔の屋根に備わっている4つの小塔は、裁判の自治権を象徴するものといわれています。屋根の色鮮やかなタイルは、19世紀になってから貼られましたまし。

時計塔は1999年、「シギショアラ歴史地区」として世界遺産に登録されました。

町のシンボル「時計塔」

写真:Hiroko Oji

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時計塔には、どちらの方向から見ても時刻がわかるように時計盤が設置されています。時計の横にあるのが、毎正時になると動き出す人形たちの窓。

町のシンボル「時計塔」

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こちら側の壁には、時計の左隣にからくり人形が出てくる窓が設置されています。

これらは、17世紀に取り付けられたからくり人形で、音楽に合わせて機械仕掛けで動くようになっています。1964年には、時計技術では最高といわれるスイスの時計職人が全自動化し、現在も正確に時を刻んでいるのです。

塔の内部は歴史博物館

塔の内部は歴史博物館

写真:Hiroko Oji

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現在残る時計塔は、1676年の大火で焼失した後にバロック様式で再建され、1894年の大規模補修工事後の姿。「歴史博物館」として公開されています。

入り口は塔の下部にあり、とても地味なもの。見逃さないように見つけてくださいね。

塔の内部は歴史博物館

写真:Hiroko Oji

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入り口で入場料を支払って、木製の狭い階段を上って行きましょう。中央だけすり減った階段を踏みしめるたびにギシギシと音をたてますが、中世に一歩ずつ近づいて行くような気持ちになります。

塔の内部は歴史博物館

写真:Hiroko Oji

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塔の内部は博物館となっていて、ローマ時代以前の生活用品からルネサンス時代の家具、17世紀のガラスコレクション、18世紀の外科手術用の道具など展示されています。シギショアラ出身者がNASAのアポロ計画に携わったことから、その方の写真やロケットの模型なども見ることができます。

そばには、武器博物館やかつての拷問部屋などもありますので、併せて見学なさってくださいね。

最高の見晴らしを存分に!

最高の見晴らしを存分に!

写真:Hiroko Oji

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なんといっても見逃せないのが、塔最上階からの眺望です。

300段を越える階段を上って辿り着く塔の最上階にある通路は、塔の周りをぐるりと一周できる最高の展望台。360度のパノラマが広がります。足元に広がるのは旧市街の統一された赤茶色の屋根。パステルカラーの建物も含めて、まとまりのあるこぢんまりした町が見渡せます。

最高の見晴らしを存分に!

写真:Hiroko Oji

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こちら側に広がるのは、山上教会を丘の上に頂く眺め。この山上教会へは、趣のある屋根付き木造階段をひたすら登ります。お時間のある方は是非上って行ってください。教会前からも素晴らしい眺めが一望できますよ。

最高の見晴らしを存分に!

写真:Hiroko Oji

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また、別の方面には、旧市街と鉄道駅の間を流れるティルナヴァ・マーレ川。緩やかな流れが安らぎを与えてくれます。

この通路の木製手摺には世界の各都市との距離を示すプレートが張り付けられています。ちなみに東京までは8890キロメートルもあるそうです。

機械仕掛けの時計の裏側

機械仕掛けの時計の裏側

写真:Hiroko Oji

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塔内の階段途中では、時計の原動力となる歯車が組み合わされた部分を見ることができます。

機械仕掛けの時計の裏側

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からくり時計の窓から出てくる人形たちも間近で見ることができますので、何百段も階段を上るしんどさも忘れられます。

機械仕掛けの時計の裏側

写真:Hiroko Oji

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また、今は使われていない人形も最上階の通路壁に展示されていますので、眺望と合わせてお楽しみくださいね。

シギショアラ「時計塔」の基本情報

住所:Strada Turnului, Sighisoara 545400
アクセス:シギショアラ駅から徒歩約20分
開館時間:夏期9:00〜19:30(冬期は〜15:30)
休館日:月曜日
※入館料に加えて、カメラやビデオの持ち込み料金あり

2018年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。 2008/03/29 訪問

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