「シルバーティアラ(写真)」は川崎近海汽船株式会社が2018年4月25日に就航したフェリーです。これまで運航してきた「シルバークイーン」が、2018年6月より新航路・岩手県・宮古港―北海道・室蘭港に就航する事に合わせ、内海造船・瀬戸田工場(広島県尾道市)で建造されました。
八戸港発は13:00・苫小牧西港当日20:15着、苫小牧西港発は23:59・八戸港・翌日7:30着です。八戸港発は東北・関東地方を午前中に出発すれば乗船可能であるため、宅配便などのトラックドライバーが多く乗船します。苫小牧西港発は夜まで道央にいる旅行者が翌朝本州へ休みながら向かうには最適。新造船就航で旅客・貨物の利用者への利便性向上を目指しました。
八戸港発は出港から16時過ぎまで進行方向に対して左側に見える下北半島の沖を走り、16時頃には天気が良ければ尻屋崎灯台(写真)を海から眺める事が可能。下北半島を過ぎた後は苫小牧西港入港1時間以上前まで陸が見えにくい海域を航行しますが、入港前は苫小牧や周辺の夜景を陸とは違った視点で眺める事が出来ます。苫小牧西港発は夜間航行のため、苫小牧西港出港直後、八戸港入港前以外に、天気が良ければ朝4時頃から進行方向右側に下北半島の灯り・夏季は景色を眺められます。
「シルバーティアラ」でこれまでのシルバーフェリーになかった客室は前方の景色を楽しめるビューシート(写真上)です。ビューシートは他社フェリーで導入された船がありますが、「シルバーティアラ」のビューシートはリクライニングシートではなく、一部国際線の飛行機の様に簡易仕切りがあって、完全にベッドで横になる事(写真下)が出来ます。なおビューシートに毛布は備えられていないので、必要な場合は乗船時に案内所に申し出て借りる事を勧めます。ビューシート利用者の場合、毛布は案内所で乗船券提示すれば無料です。
乗船して出港までのお楽しみとして、ビューシートがある区画の左右には小さなバルコニーがあり、しかもビューシートの窓の前で景色を眺められます。バルコニーはどの等級の利用客も入れます。なお出港するとバルコニーは安全上の理由から閉鎖されます。また夜間は航海の安全のために船の前方にある窓にはカーテンが降ろされます。このほかビューシートにはコンセントや荷物置き場も完備なので安心。
「シルバーティアラ」では「シルバープリンセス」「シルバーエイト」と同様に個室にはカードキーを導入。特等、1等、2等寝台A(1人部屋)、ドライバー室、そして「シルバーティアラ」ではビューシートに使用されています。カードキーはその航海のみ有効なので、記念に持ち帰る事が可能です。
2等寝台ではこれまでの1人用ベッドと小さな机がある個室の寝台Aの他に、「シルバープリンセス」「シルバーエイト」には無く「シルバークイーン」にある2段ベッドの寝台Bを設けています。また2等(写真)は「シルバープリンセス」「シルバーエイト」と同じく全席指定、上部にコイン返却式貴重品ロッカー付きです。
5階にはペットと一緒に過ごせる4人定員の1等ペット同伴室が2部屋あります。部屋の中にペットケージがあり、航海中はペットケージの中に入れてペットと一緒に過ごすことが可能！ペット同伴室と一般の客室は明確に仕切られています。またペット連れで乗船でも、ペット同伴室を利用しない場合はペットルーム(写真上)で航海中ペットを預ける事になります。
ペットルームはペット同伴室と同じエリアにあり、ドッグラン(写真下)が外へ出る扉の向こうにあるので、限られた区画で航海中ペットを運動させることが可能です。なお乗下船時はペットを必ずケージに入れて運んで下さい。またペットを一般客室へ持ち込むことは出来ません。
フェリー旅の楽しみの1つは入浴ではないでしょうか？「シルバーティアラ」には他のシルバーフェリーの船と同様に浴場があります。浴場には100円コイン返却式ロッカーがあり、リンスインシャンプー、ボディソープが備えられていますので、浴場には部屋の鍵と着替えを最低限持っていけばよい事になります。また浴室を出てすぐ近くにはマッサージチェアもあります。なお入浴時間が決まっているほか、荒天時は利用出来ない場合があります。
自動販売機は5階案内所近くと6階浴場近く(写真)にあります。シルバーフェリーにはレストランはないのですが、5階にある自動販売機は、冷凍食品、ジュース、及びカップ麺、6階には冷凍食品、ジュース及びアイスクリームが販売されています。なお冷凍食品にはすぐ近くにある電子レンジで温めて食べる、丼、寿司、サンドイッチが売られています。
また「シルバーティアラ」には「シルバープリンセス」「シルバーエイト」と同様、冷蔵品を保管できる冷蔵ロッカーがゲームコーナーの近くに置かれ、1回100円で利用する事が出来ます。
「シルバーティアラ」が八戸港(写真上)、苫小牧西港(写真下)で一般利用客が乗船する時間帯(苫小牧西港は23時まで)には売店が開いている他、八戸港では2階のレストランも営業しています。定食などが食べられるので昼食にぜひ利用してみてはいかがでしょうか。また八戸港、苫小牧西港共に軽食のほか弁当も売られているので、自動販売機の食事を利用しない人は売店で弁当の購入もおススメです。
＜八戸港フェリーターミナル＞
住所：青森県八戸市大字河原木字海岸25
電話番号：050-3821-1478
アクセス：JR八戸駅からタクシーで約20分
JR本八戸駅からタクシーで約15分
八戸自動車道八戸ICから約20分
＜苫小牧西港フェリーターミナル＞
住所：北海道苫小牧市入船町1丁目2-34
電話番号：050-3821-1490
アクセス：JR苫小牧駅よりバスかタクシーで約15分
道央自動車道・苫小牧東ICより車で約20分
2018年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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