写真:浦 カオリ
地図を見るのどかな田園風景が広がり八ヶ岳を望む茅野市。縄文遺跡が点在するこの周辺から数多くの土器や土偶が出土しました。この地域は、縄文人の食べ物であるドングリなどの木の実、イノシシが獲れる森て川魚が獲れる川が流れていることから縄文文化が栄えたと言われています。
これらの貴重な縄文土器は尖石遺跡の史跡内にある茅野市尖石縄文考古館に収められており、国宝の土偶「縄文のビーナス」と「仮面の女神」も鑑賞できる縄文土器の聖地。縄文時代の国宝は6つしかないのですが、そのうちの2つがこの考古館で見られるのです。
写真:浦 カオリ
地図を見る館内には迫力満点の縄文土器がずらり。大小さまざまな立体装飾的な土器が展示されています。一体どんな目的で作られたのか、過剰すぎる装飾は何を表しているのか…と想像力が掻き立てられる物ばかりです。その他にも霧ヶ峰で採掘された黒曜石など2000点以上の遺物が展示されています。
写真:浦 カオリ
地図を見るこの博物館のハイライトである、国宝の土偶2体がこちら。想像していたよりも小ぶりなサイズ。手前に縄文のビーナス、奥が仮面の女神です。館内にはボランティアガイドの方もいるので、詳しい説明を聞きたい方は色々質問してみましょう。
写真:浦 カオリ
地図を見るまずは縄文のビーナスを見てみましょう。茅野市最大級の遺跡・棚畑遺跡から出土した縄文のビーナスは全長27cm、重さは2.14kg。お腹とお尻が大きく張り出したふくよかな身体のラインは、妊娠した女性をデフォルメして作られたと言われています。現代人には想像もつかないデフォルメ力。縄文人のデザインセンスに脱帽です。粘土には雲母がまじっており、近くで見ると肌がキラキラと輝いていて神々しい!ビーナスの名にふさわしい土偶です。
写真:浦 カオリ
地図を見るつづいて、中ッ原遺跡から出土した国宝の仮面の女神です。全長34cm、重さは2.7kgと縄文のビーナスより少し大きめの土偶。顔に仮面をつけたような風貌から、仮面土偶と呼ばれるタイプの土偶なんだそう!身体の胴体部分には渦巻状の模様があり、足には模様はなく磨かれて黒光りしています。
右足は割れた状態で発掘され、故意に割って埋めたのではないかと言われています。この風変りな土偶は一体何を表しているのでしょう。見れば見るほど謎が深まる土偶です。
ここで注意点!2018年7月より東京国立博物館で開催される特別展「縄文―1万年の美の鼓動」にこの2点の土偶が貸出されます。7月31日〜9月2日が出展期間なので、この土偶を目当てに来る方は展示期間に注意してください。
館内の展示を観た後は、外に出て復元住居を見に行きましょう。考古館を出て目の前にある与助尾根遺跡には、6軒の復元住居があります。実際に住居内に入ることができます。
写真:浦 カオリ
地図を見る考古館より道を挟んだ向かい側には尖石遺跡があります。一見、芝生の広場のように見えますが、この遺跡周辺から219軒ほどの住居址が発見されました。まだ未調査の箇所も多いとのこと。遺跡内は自由に散策できるので、縄文時代に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
縄文時代の国宝が見れる茅野市尖石縄文考古館、いかがでしたか?
東京国立博物館で縄文の特別展、また映画でも『縄文にハマる人々』が公開予定と、今年は縄文アートブームがやってきそう。一足お先に茅野で縄文アートに触れてみてはいかがでしょうか?
住所:長野県茅野市豊平4734-132
電話番号:0266-76-2270
アクセス:
中央自動車道諏訪ICから車で約25分
諏訪南ICから車で約35分
JR茅野駅からバスで約20分「尖石縄文考古館」下車徒歩約1分
2018年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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この記事を書いたナビゲーター
浦 カオリ
1人旅が好きな元バックパッカー。海外訪問国数44か国、海外滞在歴はスペイン約6ヶ月、デンマークに1年半遊学。現在は陶芸でモノを作っています。デンマーク語で居心地の良いという意味の「ヒュッゲ」な旅をナビ…
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