写真:菊池 模糊
地図を見るマルタ国立考古学博物館があるのは、首都バレッタの中心にあるレバブリック通り。古く歴史を感じさせる建物に、印象的な Archaeology という幟が下がっているのが目印です。
決して大きなミュージアムではないですが、中は意外にも多くの展示物が並んでいます。遺跡現場ではレプリカが多いのですが、この博物館にあるのは全て本物。入場料も決して高くありませんので、気軽に訪れることができます。
写真:菊池 模糊
地図を見るここは、以前マルタ騎士団の宿舎として使われていた建物を改装して作られました。それがゆえに歴史的な価値も高く、足を踏み入れただけでタイムスリップしたかのよう。入場すると、玄関屋根にある美しいフレスコ画が迎えてくれます。
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地図を見る二階廊下と二階中央の大広間は展示室として使われず、騎士団時代の装飾がそのまま残されており、とても華麗なものです。
写真:菊池 模糊
地図を見るマルタには、イムナイドラ、ハジャーイムなどの巨石神殿がいくつもあり、世界文化遺産に指定されています。これらについてはマルタ観光の目玉として現地観光されると思います。そこで、巨石神殿観光の予習また復習として、考古学博物館で本物の出土品を見学してください。理解が深まり、なぜ地中海の中のマルタにこのような巨石文明が出現したのかという古代史ミステリーに挑戦してみたくなるでしょう。
写真:菊池 模糊
地図を見る巨石神殿は巨大な石を積み上げてクローバー型に部屋を配置した不思議な構造をしています。どのような目的でこのような神殿が造られたのか謎は深まるばかりです。また神殿を形づくる大きな石だけでなく、彫られた動物文様や、魅惑的な女神像そして細かい装飾品なども芸術的で興味深いもの。例えばレリーフに残されている動物は、山羊と豚と羊です。これらは犠牲獣でもあるので、宗教的な意味合いがあるのかも知れません。
写真:菊池 模糊
地図を見るマルタの巨石神殿で最古のものはゴゾ島のジュガンティーヤ神殿で紀元前3600年前に築かれました。これはエジプトの大ピラミッドより1000年ほど古く驚異的な建造物。考古学博物館でもこのことを示したパネルがあり、世界最古の巨石文明であることが強調されています。
写真:菊池 模糊
地図を見る出土した女神像で驚くのはその豊満なフォルムです。特に通称マルタのビーナスと呼ばれる像は、ハジャーイム神殿から発掘された約4000年前のもの。古代の女性女神像は豊かな身体つきのものが多いのですが、特にマルタでは巨大で印象的な体形の像が多く、当時の美意識を感じさせます。マルタに伝わる伝説では、こうした巨女が巨石を運んで神殿を造ったとされています。
写真:菊池 模糊
地図を見る女神像は多数ありますが、顔がないものが多いのが不思議です。別に顔だけの像も多数発見されていることから、顔の部分は嵌め込み式であったと思われます。でも、なぜ嵌め込み式の像が多いのかは諸説あり解明されていません。
こうした豊かな女神像は、豊穣の祈りと関係しているようで農業主体の文明であったのは確かです。ひょっとして、地中海沿岸に広く見られる大地母神のルーツとなったのかも知れません。
写真:菊池 模糊
地図を見る一階の最奥には、眠れる女神像一体だけがある展示室があります。小さく暗い部屋ですが神秘的なムードいっぱい。ここにあるのが博物館の至宝、一番人気の通称スリーピングレディです。実に洗練された曲線で構成されており、マルタの古代芸術の最高傑作です。この女神像は、ハイポジューム地下神殿から発見されたもので、なぜ横たわっているかについては諸説あり、これもミステリーです。
写真:菊池 模糊
地図を見るマルタの巨石文明はなぜか紀元前2500年ごろ突然滅亡し、その後は普通の青銅器時代となります。これについては、考古学博物館の三階に BRONZE AGE として、紀元前2500年頃から紀元前1000年頃の出土品が展示されています。
写真:菊池 模糊
地図を見る青銅器時代といっても金属製品だけではなく甕や壺などの陶器類が多く見られます。やはり農業主体の文化があったようです。同じ農業文明でありながら、巨石神殿時代とこの青銅器時代の断絶も謎のひとつです。
写真:菊池 模糊
地図を見るマルタの古代の謎の一つとしてカート・ラッツがあります。これは、岩の上にレールのように平行に穿たれた溝のような遺物で島内各所にあります。車輪の轍跡にしては崖の上に多くあるのが理解に苦しみます。おそらく青銅器時代に出来たと思われることから、考古学博物館の三階に展示されています。これも不思議な遺跡なのでぜひ謎解きに挑戦してみてください。
写真:菊池 模糊
地図を見る紀元前1000年頃、現レバノン方面から渡ってきたフェニキア人がマルタを支配します。この時代の遺物も三階奥に展示されており、その特徴的な品物に驚かされます。中でもアルファベットの起源となったとされるフェニキア文字の石碑は貴重なものです。
写真:菊池 模糊
地図を見るフェニキア人は地中海貿易で栄えた商人だったようです。その後滅亡したため遺跡は少ないのですが、マルタには比較的残されています。フェニキア人を埋葬した木棺も発見されており、エジプト文明の影響も感じさせる興味深いものです。
写真:菊池 模糊
地図を見るマルタは、フェニキア人以降、ローマ、アラブ、ノルマン、スぺインなどの支配を受け、やがてマルタ騎士団の城塞国家となりました。そうした、長く複雑な歴史時代の流れを感じさせるものとして、考古学博物館にはコインのコレクション特別展示室があります。各種の貨幣が見られ、特に各ローマ皇帝の顔が刻まれたコインがずらりと揃っており、マニアには垂涎の的です。
マルタ国立考古学博物館(National Museum of Archeology)
Auberge de Provence, Republic Street, Valletta, Malta
営業時間:9:00〜19:00
休業日:1/1、復活祭前の金曜、12/24、12/25、12/31
入場料:5ユーロ、学生とシニア(60歳以上)は3.5ユーロ、子ども(6-11歳)は2.5ユーロ
電話:+356 2122 1623
2018年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/12更新)
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