「何もないところです!」と事前にホストのJiroさんから言われていたので、覚悟して(いや、かなり楽しみにして)いたのですが、この天空の茶屋敷があるのは笑っちゃうほど周りに何もない場所でした。あるのはひたすら茶畑のみ! 福岡県、八女市黒木町笠原地区。ここは八女茶発祥の地でもあります。
夕飯の買い物を忘れてしまったので、もう一度山を降りてスーパーに向かったのですが、最寄りのスーパーまで車で30分の距離。買い物に行くだけで往復1時間……!
徒歩1分でコンビニが2軒あり、近場で何でもそろってしまう自宅周辺の環境からは想像もつかない世界です。
部屋にはブラウン管テレビや黒電話(現役!)などもあり、「昔遊びに行った田舎のおばあちゃんの家がこんな雰囲気だった」と大人には懐かしく思える古民家ですが、土間やかまども、屋根裏部屋も、汲み取り便所も、子どもにとってはすべてが新鮮。屋根裏部屋には、この施設周辺に出るという、イノシシの剥製も飾ってありました。
「今日泊まるところはホテルじゃないの!?」「謎の虫がたくさんいる!」と最初は戸惑っていた子どもたちでしたが、だんだんこの雰囲気にも慣れて、あちこち探検をはじめました。大広間は広くて、畳の上でゴロゴロするにも気持ちいい。
一人旅で来ていた先客のカナダ人女性は、ここで一日中何もない贅沢を何もせずに楽しんでいるようでした。
ここのAirbnbは、長い間空き家になっていて壊される寸前だった古民家を地域の方々に推薦されて、ホストのJiroさんが無償で譲ってもらい、それをゲストハウスとして活用しているそうですが、それを誰より喜んでいるのが近所に住むおじいちゃん。
これまでお客さんのほとんど来なかった場所に、外国人旅行者や家族連れなどが突然訪れるようになったので、その人たちと交流するのがおじいちゃんの楽しみになっているそうです。
施設の周りを散歩していたら、早速話しかけられました。八女弁が激しくて、なかなか聞き取れなかったのですが(笑)、歓迎してくれていることはすぐにわかりました。
おじいちゃんは「これ持ってくか?」と畑で採れたばかりのスイカをくれたり、「俺のミツバチ見に来るか?」と誘ってくれて、ミツバチを見せてくれました。収穫したばかりのスイカを食べたのも、飼育箱に耳をつけてミツバチの羽音を聞いたのも、都会暮らしの私たちにとっては初めての体験でした。
朝日とニワトリの鳴き声とともに目覚め、日が暮れるまで遊び、夜には暗がりのなかで過ごす。何もない環境では、そんな過ごし方がぴったりです。ニワトリにエサをあげたり、エサを食べる様子を見るのも新鮮な体験。
近所の川には天然水が滝のように流れています。前述のおじいちゃんはスイカやビールを冷やしていました。ヤモリやカニも見つけた!
大自然の静寂に包まれて、茶畑を眼下にした夕焼けも美しかったです。まさに天空。贅沢な時間でした。
夜は焚き火をしながら、ホストのJiroさんと交流しました。アーティストが茶畑をバックにライブを開きにきたりもするそうです。辺りは真っ暗になり、満天の星も見ることができました。
ホテルとも自宅とも違う非日常感が味わえ、おばあちゃんの家に里帰りしたような感覚になれた古民家Airbnb。都会育ちの子どもに田舎体験をさせてあげることができ、日本にはいろいろなところがあると見せてあげることができました。
※宿はAirbnbまたはBooking.comから予約ができます。
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(2024/10/10更新)
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