絵本の生き物が現れた!メキシコ「アルテ・ポピュラール博物館」

絵本の生き物が現れた!メキシコ「アルテ・ポピュラール博物館」

更新日:2018/08/01 14:42

スズキ ミズエのプロフィール写真 スズキ ミズエ グラフィックデザイナー、一人旅女子ライター、世界の民族&お祭りマニア、火山と洞窟マニア
メキシコ人の感性はとても独創的。陽気で明るい彼らが作る民芸品はまるで絵本の世界から飛び出してきたみたい!色も形もとてもユニーク。今回ご紹介のアルテ・ポピュラール(民芸)博物館は、メキシコシティの観光の中心にありアクセスも簡単。メキシコ中から集めた民芸品の数々は、お土産の参考にもなるかもしれません。
フリーダ・カーロが生まれたのも納得のメキシコ民芸ワールドに引き込まれてください!

見ているだけで楽しくなれる奇妙な世界

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写真:スズキ ミズエ

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博物館はメキシコシティでも観光の中心である歴史地区にあり、地下鉄Juarez駅からも徒歩5分の場所に位置します。

アルテ・ポピュラールは直訳すると「大衆芸術」、つまり民芸を表わすスペイン語。展示作品は生活文化だけでなくメキシコ人の芸術的センスの高さも分かります。

メキシコと言えばやはり骸骨をモチーフにしたものが欠かせません。メキシコ人にとって骸骨は死神のような決して怖いものではなく、生きている私たちと同じ喜怒哀楽の感情を持った「あの世での私たち」という認識なのかもしれません。民芸品でも日常生活をテーマにしたものが多く、私たちと同じ仕草をしている骸骨の姿はちょっと滑稽で笑えます。

見ているだけで楽しくなれる奇妙な世界

写真:スズキ ミズエ

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オアハカ州の有名な民芸品「アレブリヘ」。アレブリヘは作り手の想像の生き物で、派手な色彩を持ち、見たこともない姿かたちをしています。まるで絵本の世界から飛び出したような生き物。
本来は木を削っただけのシンプルなものだったのですが徐々に色が加えられ、今のようなとてもカラフルで強烈な印象の作品に仕上がったそうです。

毎年秋になると様々な趣向を凝らした巨大アレブリヘのコンテストとパレードが行われます。優秀作品はこの博物館にも展示されます。

見ているだけで楽しくなれる奇妙な世界

写真:スズキ ミズエ

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民芸品には動物をモチーフにしたものが多くありますが、メキシコ人の目を通した動物たちはとても個性をもった生き物に変身。見ているこちらの想像力をかきたててくれます。私たちが彼らの住む世界に引き込まれてしまいそう。

実は手先も器用

実は手先も器用

写真:スズキ ミズエ

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意外かもしれませんがメキシコ人は手先がとても器用で緻密な民芸品も数多くあります。

写真にある漆の民芸品では、木箱やカボチャに鳥や草花といった柄をいっぱいに描いたものがあります。また牛の骨を削ったミニチュア彫刻や藁で作ったミニチュア人形など、緻密さを競った民芸品も数多くあります。

実は手先も器用

写真:スズキ ミズエ

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牛の骨を削って作ったメドゥーサの彫刻。直径はリップクリームよりもはるかに小さく、メドゥーサの特徴的な蛇の髪の毛もしっかり彫られています。

実は手先も器用

写真:スズキ ミズエ

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旧約聖書に登場する「生命の木」は、アレブリヘに続く定番民芸品です。お土産物屋さんに行くと必ずといって良いほど置いてあります。お土産では20センチほどの高さですが、ここに展示されいてるものは1m近いものもあります。

本来は神やアダムとイブ、その他の生物が飾られているものですが、メキシコのは各地の伝統衣装を着た踊り手、伝説をモチーフにしたりしたもの、壺で表現したものやフルーツで表現したものなど。

メキシコ人にかかれば宗教的なテーマもどこか身近で少し笑えるものになるのです。でももちろん一つ一つ繊細で丁寧に作れられています。

ちょっとグロテスクだけどクセになる

ちょっとグロテスクだけどクセになる

写真:スズキ ミズエ

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メキシコ人にとって、昔からお面はとても重要なアイテム。古くは古代マヤ、アステカの王たちは権力のシンボルであるジャガーのお面を被っていました。

今でもお祭りではそれぞれのお面を被って踊りに参加します。そのお面にもメキシコ人の想像力が発揮されたものばかりで驚きです。

ちょっとグロテスクだけどクセになる

写真:スズキ ミズエ

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併設されているミュージアムショップでは質の高い民芸品を買うこともできます。質が高い分お値段も高いのですが、その他に民芸市場や国営の民芸ショップでも購入することができます。

ちょっと奇妙でグロテスクだけどなんかクセになるものばかり!もし気に入ったものがあればお土産に一つメキシコらしいものを買うのも良いかもしれません。

ちょっとグロテスクだけどクセになる

写真:スズキ ミズエ

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メキシコでは自分たちの民芸品を愛している人が多く、若い人たちも身に付けたり飾ったり。民芸品がとても身近にあるのです。メキシコを代表する画家フリーダ・カーロの発想力もこういったところから生まれたのかもしれません。

20世紀を代表するアールデコ建築も見逃せない

20世紀を代表するアールデコ建築も見逃せない

写真:スズキ ミズエ

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歴史地区ではスペイン統治時代のコロニアル建築が多い中、この辺りは1920年代の都市計画の時に建てられたアールデコ建築が見られる場所。この博物館もその当時の建物を改装したものでとてもスタイリッシュなデザインです。

20世紀を代表するアールデコ建築も見逃せない

写真:スズキ ミズエ

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建物内は中央に吹き抜けのパテオがあり、とても開放感があり階段の手すりなどに当時の面影が残っています。

20世紀を代表するアールデコ建築も見逃せない

写真:スズキ ミズエ

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この博物館はメキシコの民芸の保存とメキシコ内外の人たちにもっとその素晴らしさを知ってもらう目的で建てられました。古いものから新しいものまで数多く展示されています。その多くが賛同した個人からの寄付によるものだそうです。

是非、メキシコ人の感性に触れてみて下さい。

アルテ・ポピュラール(民芸)博物館の基本情報

住所:Revillagigedo 11, Colonia Centro, Centro, 06050 Ciudad de Mexico, CDMX
電話:+52-55-5510-2201
最寄駅:Juarez駅
開館時間:10:00〜18:00(火曜日〜日曜日)、10:00〜21:00(水曜日)
休館日:月曜日

2018年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

掲載内容は執筆時点のものです。

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