写真:村井 マヤ
地図を見る宗像大社は、三つの宮で構成されています。1つは、宗像市田島にある辺津宮(へつみや)。こちらには、宗像三女神の一柱である市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)が祀られています。
まずはここで、「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群について、簡単にご説明します。
構成遺産は、宗像大社沖津宮(1.沖ノ島、2.小屋島、3.御門柱、4.天狗岩)、5.宗像大社沖津宮遙拝所、6.宗像大社中津宮、7.宗像大社辺津宮、8.新原・奴山古墳群の8カ所です。このうち1から4は沖ノ島近辺となります。
今回ご紹介するのは、5から7までの関連遺産となります。
写真:村井 マヤ
地図を見る宗像大社辺津宮は、九州本土に所在する宗像三女神信仰の拠点で、露天祭祀の周辺にあった下高宮祭祀遺跡が最初の信仰の場でした。現在そこは、高宮祭場として受け継がれています。社殿は、その後麓に造営されたものです。
写真:村井 マヤ
地図を見る辺津宮の本殿は、最後の大宮司となった宗像氏貞によって、拝殿は小早川隆景によって16世紀末に再建されました。本殿・拝殿は国の重要文化財となっています。
辺津宮の巡り方に特に決まりはありませんが、最初に拝殿・本殿、次に高宮祭場、第二宮・第三宮、神宝館と巡ると良いでしょう。
写真:村井 マヤ
地図を見る宗像大社辺津宮での参拝が終わったら、高宮祭場と第二宮・第三宮へ。本殿の境内から、樹木の参道を通り、高宮祭場へ。
本殿の傍には、ご神木の樹齢500年の楢(なら)の木があります。「楢の葉紋」は、宗像大社の裏紋として使用され、宗像大宮司家の家紋でもあります。ちなみに「菊の御紋」は、大社の表紋として利用されています。
写真:村井 マヤ
地図を見る神秘的で、厳かな空気が漂う高宮祭場。こちらは、社殿による祭祀以前の自然祭場が残っています。ここからは、釣川や海が眺められます。
宗像大神降臨の地と伝えられ、宗像大社境内でも神聖な場所である高宮祭場。神籬(ひもろぎ)として樹木を依りしろとし、社殿が建立される以前の祭祀の形を継承しています。
緑の静寂が心地よく、しばらく留まっていたい癒し空間。ここもぜひ立ち寄って欲しい場所です。
写真:村井 マヤ
地図を見る「洗心」と刻まれた岩の手水鉢に出迎えられ、第二宮(ていにぐう)・第三宮(ていさんぐう)へ。
中世の時代には、辺津宮境内に第一宮(現在の本殿・拝殿)と第二宮・第三宮の三宮がありました。
第二宮には、沖ノ島にある沖津宮の田心姫神(たごりひめのかみ)、第三宮には大島にある中津宮の湍津姫神(たぎつひめのかみ)が祀られています。大島や沖ノ島へ行けない方は、こちらで参拝を。
写真:村井 マヤ
地図を見る神宝館へは、ぜひ足を運んでください。沖ノ島の祭祀で用いられた奉献品は実に約8万点。奉献品に加え古文書などの文化財を展示しているのが神宝館です。
奉献品はどれも最高級のものばかり。ほとんど完全な形で残っており、その精巧さには驚かされます。沖ノ島の奉献品はすべて国宝です。まさに「国宝の島」ですね。
<宗像大社神宝館の基本情報>
住所:福岡県宗像市田島2331(宗像大社辺津宮境内/第2駐車場側)
電話:0940-62-1311
開館時間:9:00から16:30まで(最終入館16:00)
写真:村井 マヤ
地図を見る神宝館と同じくより詳しく沖ノ島や宗像大社について学びたい方は、写真の「海の道 むなかた館」へも立ち寄ってください。こちらでは、通常立ち入ることができない沖ノ島を3D映像で体感できますよ。
写真は3D映像ではありませんが、こんな映像の他にも、学びやすい工夫がなされた施設です。無料ですのでぜひ立ち寄って下さいね。
<海の道むなかた館の基本情報>
住所:福岡県宗像市深田588
電話:0940-62-2600
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)
アクセス:JR東郷駅(大社口)「東郷駅前」から神湊方面の西鉄バスに乗車し、約10分「宗像大社前」下車
写真:村井 マヤ
地図を見る宗像大社辺津宮周辺を散策し、いよいよ大島へ。大島までは、神湊港から船で向かいます。フェリーと旅客船での運航で、約15〜25分の船旅です。
当日、船の出航時間・状況などは下記HPをご確認下さい。車でお越しの方は、第1駐車場(12時間/300円)をご利用ください。
<神湊港渡船ターミナルの基本情報>
住所:福岡県宗像市神湊487-51
電話:0940-62-3494
アクセス:JR東郷駅(大社口)「東郷駅前」から神湊方面の西鉄バスに乗車し、約20分「神湊波止場」下車すぐ。「宗像大社前」から約10分。
写真:村井 マヤ
地図を見る宗像三女神の次女にあたる湍津姫神(たぎつひめのかみ)が祀られている大島の中津宮。その境内に流れる天の川を挟むように「織姫」と「牽牛」をおまつりする祠もあります。このことから、日本における「七夕伝説発祥の地」ともいわれています。
毎年8月に開催される中津宮七夕神事は、鎌倉時代までさかのぼることができる歴史ある神事。
写真:村井 マヤ
地図を見る大島でも沖ノ島のような祭祀が行われていました。その場所は、大島で最も高い御嶽山の山頂です。その御嶽山祭祀遺跡を起源として麓の海に面した高台に社殿が造営されました。現在では、祭祀遺跡を境内に含む御嶽神社となって、参道によって麓の中津宮社殿へと結ばれています。
中津宮の本殿は、17世紀に再建されたもの。特徴としては、神殿の屋根!よく見ると、鰹木(かつおぎ)が3本束ねてあります。これは、全国的にも珍しいですよ。
写真:村井 マヤ
地図を見る中津宮の鳥居越しに見える玄界灘。
<宗像大社中津宮の基本情報>
住所:福岡県宗像市大島1811
電話:0940-72-2007
アクセス:大島港渡船ターミナルから徒歩10分
写真:村井 マヤ
地図を見る徒歩で巡られる場合は、中津宮社殿裏を通り抜け、木の鳥居(写真)を目指してください。この鳥居の向こうが御嶽山山道入口となっています。約800m、徒歩なら40分くらいで御嶽神社へ。天候が良く、時間に余裕がある方はぜひチャレンジを!
写真:村井 マヤ
地図を見るここから約50kmにある沖ノ島は、通常、一般の人は渡れないため、ここから拝みます。
空気の澄んだ日には、直接沖ノ島を見ることができますが、見えなかったときには心の目で見てください。
<沖津宮遙拝所の基本情報>
住所:福岡県宗像市大島1293
アクセス:大島港渡船ターミナルから徒歩約40分、自転車で約20分
写真:村井 マヤ
地図を見る沖ノ島に宿る神を信仰を守ってきた人たちが暮らす大島。その大島の魅力について知るなら、ここ!
1階では、巨大3面スクリーンで、大島の人びとの沖ノ島への思いを紹介。2階の展示室では、大島の見どころや沖ノ島と大島の関係などを学べます。映像展示室では、毎年10月1日に行われる「みあれ祭」という祭の映像も見られます。
<大島交流館の基本情報>
住所:福岡県宗像市大島901-4
電話:0940-72-2797
アクセス:大島港渡船ターミナルから徒歩約10分、自転車で約5分。
今回は、1日で巡る旅のご案内です。かなり時間に追われる旅ですが、「神宿る島」沖ノ島の魅力とそれを守る人々が深く心に刻まれる旅となるでしょう。
海を介した日本と大陸との交流によって、航海安全を願う祭祀が行われた世界遺産「神宿る島」沖ノ島。その島に古代の人々が残した国宝。宗像大社辺津宮から大島にある中津宮や沖津宮遙拝所を巡ることで、なぜか心が穏やかになれる、そんな旅の後味は感奮もので、これからの旅の安全も願ってくれそうです。
また、大島港渡船ターミナルには、電動アシストレンタサイクルもあります。時間のない方は、ご利用くださいね。
2018年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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