写真:よしおか
地図を見る桶滝は輪島市大沢町にあります。
金沢市内から自動車でお越しの方は、のと里山海道の穴水ICで降り、輪島市門前町方面に向かって40分ほどでしょうか。
大沢町は、家々が3m以上の竹で作られた「間垣(まがき)」で囲われており、「間垣の里」として知られている集落です。
「間垣」は、冬の日本海から吹きつける強い季節風から家屋を守る役割を果たしています。
冬の強風による被害を防止するだけでなく、夏の強い日差しも遮ることもでき、大沢町に住む人々にとって欠かせないものとなっているのです。
能登の集落に限らず、日本海側ではこの間垣のような風よけを見かけることが多いと思いますが、実際に「竹」でつくられた能登の間垣は全国的にも珍しいとのこと。
能登の厳しい自然の中で生きていくために生まれた生活様式が、今なお現代に生き続け、観光スポットとしても注目を集めている地域なのです。
写真:よしおか
地図を見る大沢町から輪島市街地方向へ海岸線沿いを道なりに行くと、途中で「桶滝」と書かれた看板が見えてきます。
(看板は小さいので、見逃さないようにご注意ください。)
細い道を進んでいくと、桶滝に続く森への入り口がお目見え。
入り口付近には小さな駐車場スペースもあるので安心です。
その森は「桶滝の森」と呼ばれており、桶滝に続く遊歩道が整備されています。遊歩道を歩いていると、あちらこちらで小鳥のさえずりが響きわたり、開放感たっぷりな空間なので、ついつい「やっほー」と叫んでしまいたくなります(叫んでも良いですよ)。遊歩道は雨の日に行くと滑りやすいので十分ご注意してください。
周囲はアテ(あすなろ)の人工林や、約40年生のコナラ林のほか、ケヤキ、ヤブツバキからなる天然林が多く点在。シダ類も群生しており、ヒメアオキも見られます。
辺りを流れる水が美しく、森林浴に最適なこの森は、輪島市大沢町の水源地として重要な森林なのです。
写真:よしおか
地図を見る遊歩道を進んでいくと、水の勢い良く流れ落ちる音が次第に大きくなり、ついに桶滝が現れます。
「世にも珍しい滝」と聞いて、皆様はどのような滝を浮かべますか?
様々な妄想が浮かぶと思いますが、桶滝はその名の通り、大きな桶をもつ滝。
底の抜けた桶のような岩穴から、勢い良く水が抜け落ちているように見えることから、極めて珍しい滝として知られることになったのです。(もっとすごい滝をご想像していた方、ごめんなさい!)
落差は約30m。滝としてはそれほど大きいとはいえませんが、水が激しく落ちる姿は、迫力満点。さらに滝壺から三段にわたって流れる様子も独特です。
写真:よしおか
地図を見る桶滝の「桶」の部分を近くで見てみると、岩が長い年月をかけて浸食され、穴が次第に大きくなっていったことがわかります。そして、桶の穴から流れる水は想像以上の量!
私は岩場にしがみつきながら登り、間近で桶穴部分を見ましたが、滝壺付近は水しぶきが舞い上がり、近場の岩肌が濡れて大変滑りやすくなっていました。天候が悪く、足元の悪い日は滝壺付近に近づかない方が良いかと思います。
また、遠くから滝全体を眺めてみても、自然の造形美に圧巻されることでしょう。
桶滝は、石川県の天然記念物および名勝に指定されています。
是非一度、皆様にご覧になっていただきたい奥能登の滝です!
人気(ひとけ)のない森の中にあるため、一人で行くには少し心細いかもしれません。しかし、勇気をもって行ったからこそ出会える「自然の美」というご褒美が待っています。
奥能登の自然が造り出した、珍しく美しい桶滝。
きっと感動すること間違いなしです。
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(2024/10/16更新)
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