写真：松縄 正彦
地図を見る飛騨小坂は御嶽山、下呂温泉、飛騨高山のトライアングルの中心に位置する場所です。小坂町には落差5m以上の滝がなんと200ヶ所以上もあり、バラエティに富んだ滝めぐりを楽しむ事ができます。またこの多数の滝は「小坂の滝」として平成20年に「岐阜の宝物」第一号に認定されました。この「小坂の滝」は、ＮＰＯ法人によりガイド付きのコースなども用意されています（ＭＥＭＯ欄参照）。
この小坂の滝の中で、下呂温泉から比較的手軽に楽しめる滝として「厳立（がんだて）峡」の「三ツ滝」を紹介しましょう。
この厳立峡の入り口（厳立公園）にあるのが、御嶽山の火山活動でできた日本一の柱状節理（高さ72ｍ、幅120ｍ）で、公園駐車場の目の前に大パノラマが広がっています。ちなみにこの柱状節理ですが岐阜県の天然記念物に指定されています。
写真：松縄 正彦
地図を見るこの場所のすぐ近くには中部電力の小坂川水力発電所もあり、いくつかの滝からの水を利用して発電も行われています。まさにここは水の里が実感できる場所です。
厳立公園からは、旧登山道伝いに三ツ滝、「からたに滝」などを楽しめる遊歩道が整備されています。ちなみに公園の駐車場から三ツ滝までは片道15～20分ほどですが、前述のＭＥＭＯ欄のガイド付きの場合、三ツ滝へは約2時間、上流のからたに滝へは5時間かかります。
写真：松縄 正彦
地図を見るさあ、透き通った清流沿いを、飛沫をたっぷりと浴びながら滝めぐりに出発しましょう。川沿いといっても馬鹿にしてはいけません。迫力ある水流（まさに“龍”の勢いの水流です）がすぐ眼の前にあります。
写真：松縄 正彦
地図を見るしばらく行くと、赤い橋が見えてきます。これは滝見橋といい、ここから見える滝が三ツ滝です。滝見橋を渡り、右手の道を上って行くと三ツ滝の全景が現れます。
写真：松縄 正彦
地図を見る三ツ滝は下段、中段、上段の三つの滝からなり、各々に3～5mの深さがある滝壺があります。特に上段の滝壺は広いため、日が差すとエメラルドグリーンに色が変わるといわれます。遊歩道を行くと、上からも滝を楽しむ事ができますので、天気が良ければぜひ上からも観察してください。
写真：松縄 正彦
地図を見る三ツ滝の中段部の近くには「円空の座禅岩」があります。円空はあまたの仏像を造ったので有名ですが、この地に立ち寄った時に美女に出会い、心動かされて業が鈍ったのだとか。この時に思い立って、この三ツ滝の岩に座して心を静めていた所、夢の中で滝不動明王の暗示を感得し、聖観音など3尊像を造る事ができたといわれます。
このいわれにちなみ、座禅岩には不動明王像が置かれています。円空さんの心も動かしたとは、美女の力はたいしたものですね。
ちなみに下呂温泉の「合掌村」には円空館があり、円空についての詳しい展示がされています（ＭＥＭＯ欄の記事参照）。時間があればこちらにもどうぞ。
さて、足に自信のある方はここから、上流の滝へと挑戦して下さい。ただし上の滝まではトイレ等の施設がありませんので気を付けて下さい。
写真：松縄 正彦
地図を見る水の豊富な小坂ですが、実はもうひとつ名物があります。“花桃（はなもも）”です。春先にはあまりの見事さに、道路の真ん中で車を止め、カメラで撮影する人もいる程です（危険ですので、絶対にしないで下さいね）。この花桃を愛でる場所としては、「道の駅南飛騨小坂はなもも」がおすすめです。厳立峡へ行く途中にありますので、ぜひここにも立ち寄って下さい。
道の駅裏手の川沿いに遊歩道が整備されており、写真のように見事に咲き誇る花を楽しむ事ができます。
＜道の駅南飛騨小坂の基本情報＞
住所：下呂市小坂町赤沼田811-1
電話：0576-62-1010
写真：松縄 正彦
地図を見るまた、ここには“一枝で3色の花をつける”という珍しい花桃の木があります。これは福沢諭吉の娘婿、福沢桃介（電力王ともいわれる人物です）が大正時代にドイツのミュンヘンに発電機の買い付けに行った際、持ち帰ったものだといわれています。白、ピンク、赤の花が同一の木に咲いているのは一寸奇異な感じがしますが、“桃”介がこの木を持ち帰ったのも何かの縁があったのでしょう。
住所：岐阜県下呂市小坂町落合2375
電話：0576-62-2911（がんだて茶屋）
アクセス：下呂温泉から国道41号線を高山方面へ。飛騨小坂で県道437号に入り、「ひめしゃがの湯」を左手に見ながら直進。道路沿いにたっている“滝めぐり”の旗の方向へ。（下呂温泉からは車で約40分）
2018年5月現在の情報です。最新の情報は公式のサイトなどでご確認ください。
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(2024/4/20更新)
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