学生時代の友人から、仕事を辞めて独立したと連絡をもらったのは半年ほど前のこと。学生の頃、彼とは毎日のように一緒に飯を食べたりしていたのだが、大学卒業後はスケジュールが合わず、数年に一度会う程度になり、10年以上の月日が流れて……。
そんな友人と「時間が取れるなら久しぶりに飯でも食べよう」といった会話から、旅行を兼ねて夜中まで語り明かすことにしました。
目的地はお互いの住まいの中間に位置する滋賀県。建築家で古民家のリノベーションに関心を持っている友人の要望で「民泊」を利用することにし、Airbnbのサイトを見て、即決で決まったのが滋賀県長浜市にある「キシダハウス」です。
写真:旅人間
地図を見る今回の旅行プランで選んだ観光は、お互いの家族がそれほど関心をもっていない古戦場や山城跡。特に山城に関して言えばプチ登山になり、小さな子供が一緒の場合は難しい。歴史好きな男二人には調度いい場所です。
長浜の周辺には姉川や賤ヶ岳の古戦場、また関ヶ原があります。城跡を巡るなら羽柴秀吉の長浜城跡、国宝の彦根城や石田三成の佐和山城跡、小谷城跡や横山城跡といった山城も見どころ。
そこで私たちが足を運んだのが、織田&徳川と浅井&朝倉が壮絶な合戦を繰り広げた姉川の古戦場跡。多くの死者を出したと伝わる激戦区は、血原や血川といった地名が今も残り生々しい。地元のボランティアガイドの方に合戦の様子を聞くと臨場感満点!もしガイドさんを見かけたら話しかけるのが絶対におすすめです。
写真:旅人間
地図を見る古戦場の次は戦国時代に難攻不落の城と呼ばれた「小谷城跡」へ。麓にある小谷城戦国歴史資料館から1時間ほどかけて自然散策をしながら歩くのが人気ですが、中腹まで車で行って20分ほど歩くと言った楽チンな手段もあります。
登山道を歩き始めると、城跡の遺構が所々残る中で「クマ出没注意」の看板が多数目に入ります。深と静まり返る山の中、男二人だと少しは心強い。一人でなくて良かったと感じながらも、熊の看板を見るたびにドキドキし不安になる。そして鈴やラジオを持たない臆病者の二人は、スマホの音楽を大音量にして山道を進むことにしました。
写真:旅人間
地図を見るこの小谷城は、かつてNHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』の舞台にもなった浅井三姉妹の生まれた場所。本丸跡近くにある桜馬場跡はロケ地の中心地で琵琶湖を背景に大パノラマが広がり、ここまで来ると気分爽快です。
自刀した浅井長政の石碑は赤尾屋敷跡で見られます。1575年に廃城となった小谷城の資材は長浜城に移され、その長浜城も大阪夏の陣の後に廃城となります。その後は彦根城に流用されたと言われ、国宝の彦根城に行けば小谷城の名残を感じることが出来るかも…、そう思うと旅に続きが出来た心地になる。だから歴史散策は面白い。
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地図を見る歴史巡りをし、長浜市内で食事をした後、予約していた「キシダハウス」へ。この宿は初めての利用でしたが、泊まる前から不思議なほど親しみ感がありました。
それは宿泊前に問い合わせた時の誠実さ。ホストのMayumiさんとのメッセージのやりとりは、初めての民泊という不安な気持ちを一瞬で吹き飛ばし、さらに出会いを楽しみにさせてくれる期待感を生んでいたのです。
実際に、キシダハウスに到着するや否や、まるで旧来の友達のような会話に。そして出会って10分も経たないうちに、長期滞在している韓国人のゲストも一緒に加わって乾杯!
写真:旅人間
地図を見るこのキシダハウスは、入口の扉を開けるとバーカウンターのような共有スペース。梁を剥き出しにした日本家屋の風情、伝統的な建て方で金物を使わない工法が目を見張ります。朱色のクロスにインドネシアのバリで買い揃えたという絵画やインテリアは実にセンスが良い。
古民家にアジアンな雰囲気、間接照明のトーンを落とした空間の居心地の良さは語るまでもない。夜が深まれば深まるほど会話は弾み時間と国境を忘れてゆく。これが民泊の面白さと言うなら、旅好きにはたまらないでしょう。
写真:旅人間
地図を見る古民家と言えば古めかしい和というイメージを抱きがちですが、古民家を鮮やかにリノベーションさせたキシダハウスは、建築のプロも唸る質の高さ。これから民泊を始めようという人達の手本にもなりそうです。
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地図を見る「どうして民泊を始めたんですか?」と質問すると、お爺さんが大事にしていた家を大切に残したいと言う想いが民泊のキッカケだそう。
アジアン風に再生させた古民家はとってもお洒落で素敵。でもそれだけではない。隅々まで丁寧に掃除され建物に対する愛情を強く感じます。単に泊まるだけでなく、民泊を運営する側の気持ちなど知ると旅を素敵に彩るスパイスになりますね。
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地図を見る朝、起きると目覚めのコーヒーと共に「寝心地は大丈夫?不自由は無かったですか?」とホストのMayumiさんからの質問。「大丈夫ですよ」と答えながらも、民泊がこれほど魅力的とは思わなかったと言うのが正直な回答かな。
キッチンは自由に使えて食器や鍋もある。洗面所には歯ブラシやタオル、バスタオルも用意され、シャワートイレも完備、部屋には机もあり仕事を持ち込んでも環境は十分。もちろんWi-FiもOK。大型の駐車場もあるし、ホストの人柄も良い。私たちには大満足の内容。
写真:旅人間
地図を見るこの満足度から考えると、宿泊費が実にリーズナブルに感じられます。「もう少し商売っ気を出しても良いんじゃないですか?」と言うと、「田舎だからね」と言葉が返って来ました。確かに少し歩けば周囲は田んぼに囲まれ、夜はカエルがゲコゲコと鳴いている。
カエルの大合唱は日常の喧噪を忘れるのに心地良い。そして海外のゲストハウスのような旅先での素敵な出会い。キシダハウス……、爽やかで人情味あふれ、実に良い宿だった!
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地図を見る長浜と言えば、後に天下統一を果たした豊臣秀吉が初めて城を築き、初めて城持ち大名となった場所。もともと今浜と呼ばれていた地名に信長の名から一字を用い「長浜」と改名したのは有名な話ですね。小谷城跡に行ったら長浜城跡も見たくなり足を運んでみました。
さすが戦国屈指の山城!と険阻な山を活かした要塞感を今に残す小谷城跡に対し、現在の長浜城は展望台と歴史博物館として鉄筋コンクリート造りなのが印象的。しかし、かつては湖水に石垣を浸し、城内の水門から直に船の出入りが出来る見事な城だったとか。これらの遺構は琵琶湖に沈む太閤井戸などに見ることが出来ます。
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地図を見る城下町として賑わった北国街道沿いに続く古い町並みを歩いて行くと伝統的建造物群を生かした観光スポット「黒壁スクエア」が見えて来ます。旧第百三十銀行の保存と再生を見事に成功させた「黒壁ガラス」は、明治の洋風建築の中でガラス細工が販売され、ノスタルジックな雰囲気は旅心を盛り上げてくれます。
また、この黒壁界隈で黒いグルメを発見!それが竹炭とココアパウダーで黒を演出した「96CAFE」の黒壁ソフトです。味はチョコレートで食べやすく、黒い町並みで黒色のソフトをペロペロ舐めながら町を散策するとテンションも上がり大満足。
写真:旅人間
地図を見る黒壁スクエアで黒色グルメは探していると、黒壁スクエアのすぐ近くで上質な近江牛が低価格で食べられる「忠太郎」で竹炭入り黒パン粉を使った黒とんかつも見つけました。
かつ丼を注文すると、黄色いふわふわ玉子に黒いカツ。真っ黒な衣に包まれた黒いカツは珍しい。口に運べば驚くほどサクッとした食感。そして柔らかい。あぁ、これは美味しい。黒壁スクエアを散策する時に黒グルメ!おすすめですよ。
写真:旅人間
地図を見る今回は学生時代からの友人と久々に語り明かそうと二人で旅を企画し、民泊を利用しました。それが二人だけの世界に閉じこもらず、初めて出会う人達と乾杯し、語り合ったり出来たのは民泊だからこそでしょう。今回の旅はイメージしていたより10倍楽しかった。これも民泊でキシダハウスに泊まったおかげと思っています。
2018年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
取材協力:Airbnb
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