奥之院は、大門から東へ進んだ壇上伽藍、金剛峯寺や苅萱堂の先にあります。奥之院まで2km弱の参詣道は、一の橋(写真)から入場し、中間点の中の橋、そして弘法大師空海の御廟がある御廟橋まで、三つの橋を越えていきます。
一の橋で弘法大師空海が参詣者を出迎え、帰路まで同行するといわれています。一の橋を渡る前に脱帽一礼しましょう。
入場後はまばらな燈籠ですが、次第に間隔が狭まり数が増えていくのを感じることでしょう。参詣道は緩やかに上ったり下ったりして進んで行きます。
雨の後など石畳が濡れているとすべりやすい場所が少しありますが、なだらかで歩きやすい参道。少しの雨なら気にならないくらい深い木立ちの下を歩きます。
おすすめは、燈籠が参道を照らし始める夕暮れの時間帯。この頃から参詣道を歩いてみてはいかがでしょう。
暗くなるにつれ、燈籠が密集するエリアは趣が深まります。
織田信長、豊臣秀吉、武田信玄、上杉謙信など誰もが知る戦国武将の慰霊碑が敵も味方もなく並んでいます。その他、江戸時代の諸藩の墓所や、企業の慰霊塔、無名の人々の墓標が20万基以上ならぶ風景は壮観かつ荘厳。
著名人の墓所は墓石が大きく、オーディオガイドの標識があるので、すぐに見つけることができます。
樹齢700年の杉の巨木が立ち並ぶ沿道は、日が暮れるとあっという間に闇がせまります。燈籠の他は、ところどころに建つ街灯以外に光がなく、燈籠からまるい光が浮き上がってきます。
世界遺産に指定され外国人にも人気の高野山では、奥之院でも外国人参詣者が多くみられます。そのほとんどの方が「こんにちは!」と日本語で声をかけてきます。
中の橋付近のゆったりと曲がる参道と、橋の擬宝珠(ぎぼし:欄干の飾り)越しに燈籠の光が連なる風景は、ぜひ見ていただきたいおすすめの風景です。
午後7時に出発したナイトツアーのグループや個人の参拝者が、三々五々御廟がある奥之院を目指します。
護摩堂(写真中央奥)を超えると御廟橋、その向こうに弘法大師御廟と燈籠堂があります。橋の手前から撮影禁止の神聖な霊域です。
御廟の拝殿の燈籠堂でお参りしたら、時計回りにお堂の裏側に回ると弘法大師御廟です。荘厳な空気が漂う一方、無数の燈籠が頭上にぶら下がり、包み込まれるような温かみのある空間を感じることでしょう。御廟前は弘法大師に最も近い場所です。弘法大師と結縁の再拝をしましょう。
時間が取れる方は、奥之院を早朝にもう一度歩いてみてはいかがでしょう。中の橋から一の橋方面に燈籠が並ぶ風景は、夜とはまた一味違う印象。寄進された燈籠は、古いものだけでなく真新しいものもかなりの数が目にはいります。
中の橋の袂にあるのが「汗かき地蔵」のお堂。この汗かき地蔵は人々の苦しみを引き受けるために、いつも汗をかいているといわれています。そんなお地蔵様を眺めてみてはいかがでしょう。
地蔵菩薩はお釈迦様の入滅後、56億7千万年後に弥勒菩薩が出現するまで、現世で衆生(しゅうじょう)を救うといわれている菩薩。汗かき地蔵は、56億7千万年も人々を助ける苦行を背負っていらっしゃいます。
汗かき地蔵の右奥にあるのが「姿見の井戸(すがたみのいど)」。覗き込んで自分の姿が映らなければ三年以内に亡くなる、の言い伝えがあります。
「覗いてみたいけど、自分の姿が映らなかったらどうしよう!」そのため、この井戸を覗き込む人は勇気のある人だ、と言われています。
住所:和歌山県伊都郡高野町高野山550
電話番号:0736-56-2011(金剛峯寺)
備考:燈籠堂は8:30〜17:30
2018年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/12/5更新)
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