異教徒はギャップで落とす!フランス・アルビは驚きに満ちた世界遺産

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異教徒はギャップで落とす!フランス・アルビは驚きに満ちた世界遺産

異教徒はギャップで落とす!フランス・アルビは驚きに満ちた世界遺産

更新日:2018/05/28 19:51

藤 華酉のプロフィール写真 藤 華酉
アルビと言えば、悪名高い第三次十字軍に攻撃された異端の地。今でも大聖堂が城塞のような威圧感で町を睥睨しています。しかし、ひとたび町を訪れれば、可愛らしい旧市街、パリのモダンな風を伝えるローレック出身地というギャップに、驚くに違いありません。知られざる司教座の一工夫に唸らされる事間違いなし。現代人をも驚かせる世界遺産・アルビのギャップ、歴史好きなら一度は驚きに行ってみましょう
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ヨーロッパの負の歴史をおさらい!アルビ派とは

ヨーロッパの負の歴史をおさらい!アルビ派とは

写真:藤 華酉

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西洋史の負の歴史として悪名高い、第三次十字軍。異教徒と戦う事を目的に結成されたはずの十字軍が、南フランスに急行し、キリスト教徒の地元民を虐殺して回った事件です。この時、ターゲットにされた異端キリスト教の一派がアルビ派。ここアルビに多く存在していた事から、この名前がつきました。

異端、というと、後世の邪教的な風説が付随している事もあり、何やら禍々しい雰囲気です。アルビ派も例外ではありませんが、神学者にしか分からない難しい学説を除けば、その目立つ教義は「どんな人間も労働者として働く!」という健康的なもの。領主や貴族と言った人々も、信者は機織りや工作に従事し、黙々と働いていたそうです。当時はカトリック教会の腐敗が激しかった事もあり、真面目な勤労態度のアルビ派の皆さんは広く地元に受け入れられ、着々と信者数を増やしていました。

アルビ派の人々を雇い使っていたアルビやトゥルーズの支配者としても、教派を理由にローマ教皇やフランス国王に口を挟まれては鬱陶しくて仕方がありません。商業都市である南フランス各地の利益が奪われかねませんでした。はいはい改宗させますのでその内、と何やらあいまいな態度で異端を擁護し続けます。

ヨーロッパの負の歴史をおさらい!アルビ派とは

写真:藤 華酉

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やがて宗教的・政治的・経済的な対立が激しくなった結果、南フランスはついに十字軍の攻撃に晒され、最終的には異端も正統も問わない戦争に巻き込まれて行きました。
ここ、アルビも、激しい攻撃と略奪の対象になった、悲劇の土地なのです。

脅したり宥めたり!威圧と優美のセント・セシル大聖堂

脅したり宥めたり!威圧と優美のセント・セシル大聖堂

提供元:Wikimedia Commons

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Albi_Saint…

異端の弾圧と言えば、拷問、虐殺、火炙りと中世ヨーロッパの闇を煮詰めたかのようなイメージ。しかし、それはキリスト教の本懐ではありませんでした。できる事なら、異教徒の皆様にも説教などで正しいカトリックの道に帰ってきて頂きたい。正しいキリスト教の教義が異端に負ける筈がないのですし、何と言ってもカトリック教徒が増えると税収が増すのです。

目立った異端者を一網打尽にした後、荒れ果てたアルビでは、新しい大聖堂を建設しました。それがこの大聖堂。小高い丘の上に建ち、遠くからでも目立つその外観は、見下ろされているかのように威圧的で分厚い外壁を持ち、教会と言うよりは城塞のようです。
この地にこれ以上異端がはびこる事は許さん、と言った強い意志を感じます。
 

脅したり宥めたり!威圧と優美のセント・セシル大聖堂

提供元:Wikimedia Commons

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Nave_of_th…

しかし、一歩中に足を踏み入れれば。その内装は外観からは想像もできない程に優美。レースのように繊細な彫刻、パステルカラーの壁画、カラフルなステンドグラスが人々の視線を奪います。

脅したり宥めたり!威圧と優美のセント・セシル大聖堂

写真:藤 華酉

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「正統な信仰を持たないと大変な事になりますよ!」とばかりに地獄の描写に若干必要以上に力が篭っている点を除けば、世界遺産に選ばれるのも納得の美しさです。
 
これぞカトリックの本気、飴と鞭。
一見恐ろしげな大聖堂ながら、訪れた者を優しく迎え入れ、そのギャップで心を蕩かした……かも知れません。この美しさが効いたのか、はたまた全て焼き尽くされてしまったのか、大聖堂の完成後、アルビで再び異端信仰が流行する事はありませんでした。

<基本情報>
住所:5 Boulevard General Sibille, 81000 Albi,France
電話番号:+33-5-63-43-23-43
開館時間:
6月-9月 9:30〜18:00
9月-6月 10:00〜17:00

南仏に吹くパリのそよ風 ロートレック美術館

南仏に吹くパリのそよ風 ロートレック美術館

写真:藤 華酉

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大聖堂のお隣の立派な建物は、13世紀に建てられた麗しの宮殿です。建物の外観こそ中世風ですが、今は美術館。日本人でも一度は見た事がある、パリを代表するモダンでアバンギャルドな画家、ロートレックの作品が展示されています。

南仏に吹くパリのそよ風 ロートレック美術館

写真:藤 華酉

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お城の構造を遺した重厚な美術館に、現代的なポスター画が展示されていると言うのもステキなギャップ。石造りの中世の町並みに、葡萄畑の広がるのどかなアルビで、パリの都会的な夜の空気を吸う事ができます。

<基本情報>
住所:Palais de la Berbie, Place Sainte-Cecile, 81000 Albi,France
電話番号:+33-5-63-49-48-70
入館料:大人9Eur
開館時間:9:00〜18:00 
(4月・5月・10月)10:00〜18:00

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歴史ある憩いの場 サン・サルヴィ教会

歴史ある憩いの場 サン・サルヴィ教会

写真:藤 華酉

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中身がどれ程豪奢でも、セント・セシル大聖堂の威圧感を浴び続けては疲れてしまいますね。大聖堂から僅か徒歩1分、歴史あるカトリック教会のサン・セルヴィ教会の回廊で一休みするのはいかがでしょう。

11世紀から、焼かれたり壊されたりアルビと共に苦難の歴史を辿りながら、18世紀まで改装の続いた素朴な教会です。内装こそ派手ではありませんが、手入れの行き届いた回廊と庭園が心を癒してくれます。
往時のカトリックの虚飾と腐敗がアルビ派隆盛の原因であるなら、本来こうした素朴な美しさが信仰の本懐なのかも知れませんね。

<基本情報>
住所:29 Rue Maries, 81000 Albi,France
電話番号:+33-5-63-43-2343

アルビへのアクセス

アルビへのアクセス

写真:藤 華酉

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空港のある南仏の大都市・トゥルーズから、普通列車で1時間程で到着する事ができます。駅から旧市街までは徒歩15分程ですが、どこからでも目立つセント・セシル大聖堂が目印となる為、道なりに進んで行けば迷う事はありません。

感じましたかこのギャップを

今はのどかな南仏の観光地でありながら、数々のギャップを秘めたアルビです。他にはない過剰な圧迫感を持つアルビ大聖堂、のどかな田舎にパリのモダンな風を運ぶ美術館。中世の町並みと合わせて、世界遺産にも登録されています。歴史がお好きな方は是非アルビの旧市街を訪れて、ギャップずくめの観光をお楽しみ下さい。

2018年5月現在の情報です。最新の情報は公式のサイトなどでご確認ください。

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掲載内容は執筆時点のものです。 2018/04/03 訪問

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