写真:モノホシ ダン
地図を見る鳥取県・鳥取砂丘で“砂像”の展示が始まったのは、2006年のイタリアをテーマにした第1期展示から。このときの作品の展示はすべて屋外での展示でした。その後、2008年の第2期展示から、2010年までの第4期展示までは、屋外に大型仮設テントを設置し、その中での展示となりました。
しかし、糊などの接着剤を一切使用せず、砂と水だけで固めた彫刻である“砂像”は、風雨に弱く、維持管理の苦労は並大抵のものではありませんでした。写真は、メインゲート前にある「ウェルカム砂像」。
写真:モノホシ ダン
地図を見るそこで、展示・観覧環境の改善と、より大規模の展示を実施するため、2012年に世界初の全天候型砂像展示施設として、現在の砂の美術館が誕生しました。このときのテーマはイギリスで、壮大で美しい歴史的建造物や大英帝国繁栄の足跡を砂で再現。来館者に“奇跡の造形美”と惜しみない称賛を浴びたのでした。
写真は、砂の美術館の建物です。3階建てになっていて、1階はパネル展示室、2階が砂像展示室、3階が展示の全景を見ることのできる回廊とミュージアムショップになっています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る砂の美術館の1階のパネル展示室では、記念撮影用のパネルがあります。砂像彫刻家になった気分で写真を撮ってみましょう。
写真:モノホシ ダン
地図を見る今回の第12期展示の「南アジア編」では、世界10ヶ国21名の砂像彫刻家が集い、日本の砂像彫刻家の第一人者で、砂の美術館総合プロデューサーの茶圓勝彦(ちゃえんかつひこ)氏の指揮のもとに、21作品が製作されました。写真は、3階回廊からの様子です。
写真:モノホシ ダン
地図を見る2階の砂像展示室を入ったところで最初に来館者を出迎えるのは、「独立の父 マハトマ・ガンディー」の砂像。言わずと知れたインド独立の指導者で、2019年に生誕150周年を迎えます。
「非暴力・不服従」を提唱し、イギリスからの独立運動を指揮し、1948年にインドは悲願の独立を果たしました。ちなみに“マハートマー”とは「偉大なる魂」という意味で、ガンディーの尊称です。
写真:モノホシ ダン
地図を見るさらにマハトマ・ガンディーの隣には、「幸運の神 ガネーシャ」の砂像が。インドではとても有名な神様で、身体は人間、顔は像という不思議な姿をしています。世の中のあらゆる困難や障壁を取り除き、幸運を招く神として、とくに商売・学問の神としても人気があります。
写真:モノホシ ダン
地図を見る砂像にはそれぞれタイトルがついています。「聖なる河ガンジス 沐浴と祈り」は、ヒンドゥー教徒に女神ガンガーとして神格化されているインド最大の河、ガンジス河で、巡礼者が沐浴により穢れを洗い清め、祈りを捧げている様子を描いています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る歴史教科書などでおなじみの“世界四大文明”のひとつ「インダス文明・モヘンジョダロ」は、パキスタンにある遺跡モヘンジョダロを紹介。町並みは、東西南北に碁盤の目のように整然と区画され、上下水道設備や沐浴場など、高度に整備された文明都市でした。
写真:モノホシ ダン
地図を見る小説「ジャングルブック」は、イギリスの小説家、ラドヤード・キップリングの小説『ジャングルブック』の世界観を現したもの。ジャングルで、オオカミ、クマ、クロヒョウなど動物たちに囲まれて育った少年モーグリの物語で、近年、ディズニーアニメや実写版にもなったので、ご記憶の方も多いと思います。
写真:モノホシ ダン
地図を見る砂像展示室のいちばん奥にあるのが「ムガル帝国 皇帝シャー・ジャハーンと王妃の愛の物語」。ムガル帝国は、インド史上、最大にして最後のイスラム帝国です。
シャー・ジャハーンは、ムガル帝国の第5代皇帝で、豪奢な宮廷文化を開花させ、ムガル朝の黄金時代を築いた人物です。皇紀ムムターズ・マハルとの夫婦仲の良さは有名で、14人もの子宝に恵まれました。
最上部にある砂像「霊廟タージマハル」は、シャー・ジャハーンが愛妃ムムターズ・マハルを埋葬するために建造したものです。総大理石で造られた白亜の霊廟は世界一美しい霊廟と評されています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る「仏陀の入滅」は、80歳のときにインド北部クシナガラにある沙羅双樹のもとで横になり、静かに最期を迎える仏陀。のちの時代に描かれた涅槃図では、菩薩や弟子たちだけでなく、様々な動物たちも仏陀の入滅を嘆き悲しむ様子が描かれています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る「ヒンドゥー彫刻 コナラークの車輪」は、インド東部コナラークにあるヒンドゥーの太陽神スーリヤを祀るスーリヤ寺院にある車輪。太陽神スーリヤは、インド神話の中で「7頭の馬が引く戦車に乗って天空を駈ける」と言われていて、この寺院全体が大きな馬車に見立てられています。
基壇には直径3mを超える車輪が両側面に12ずつ、合計24個配置されています。その貴重な形状から1984年に世界遺産に登録されています。
写真:モノホシ ダン
地図を見る館内の作品鑑賞を楽しんだら屋外の展望広場に行ってみましょう。雄大な鳥取砂丘を一望できます。
写真:モノホシ ダン
地図を見る砂の美術館では、総合プロデューサー茶圓勝彦氏による公開砂像制作も行われています。写真は会期中に、毎年1回だけ行われている公開砂像制作風景(2018年の様子)。砂と水だけで作られる砂像の様子をじかに観察できます。なお、2019年の公開砂像制作につきましては、関連MEMOの「砂の美術館」までお問い合わせください。
このように鳥取砂丘「砂の美術館」は毎年テーマを変えて、「砂で世界旅行が楽しめる」素晴らしい美術館です。鳥取砂丘を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみて、砂と水だけで造られた奇跡の砂の造形美を楽しんでみてください。
住所:鳥取市福部町湯山2083-17
電話番号:0857-20-2231
見学料:一般600円、小高校生300円
営業時間:9:00〜18:00(最終入館17:30)
展示期間:2019年4月13日(土)〜2020年1月5日(日)
休館日:展示期間中は無休
アクセス:JR鳥取駅から路線バスで約20分
2019年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
この記事の関連MEMO
この記事を書いたナビゲーター
モノホシ ダン
旅行業に30年以上携わってまいりまして、おもに団体旅行の手配・企画・添乗業務などをおこなってきました。お客様には、次回もご指名いただくために、新規の観光地や、穴場の名所・旧跡めぐりの開拓のため現地への…
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