写真:乾口 達司
地図を見る中国共産党の起源は1921年にさかのぼります。1921年7月23日から7月31日まで開かれた全国代表者会議(第一回党大会)で党としての綱領や活動方針が採択され、それをもってはじまりました。当時、使われた建物が、「中国共産党第一次全国代表大会会址」の名のもと、記念館として保存されています。
写真手前の建物が中国共産党第一次全国代表大会会址。19世紀中盤から20世紀後半まで各地で普及していた石庫門(せきこもん)のスタイルをとった建物であり、当時は上海代表の共産党員・李漢俊とその兄の自宅でした。入館は無料。日本人の入館も認められていますが、パスポートの提示を求められることもあるため、あらかじめ用意しておきましょう。
写真:乾口 達司
地図を見る入館してすぐのロビーには、ご覧のような中国の国旗が掲げられており、その前で記念撮影をする中国人がたくさん見られます。
写真:乾口 達司
地図を見る同じくロビーには、このような人物群像をかたどったプレートも掲げられています。かたどられているのは、当地に集った第一次全国代表大会の参加メンバー。各地で活動していた共産主義グループの代表者たちで、李漢俊・李達・陳公博・包惠僧・張国トウ・劉仁靜・陳潭秋・董必武・毛沢東・何叔衡・トウ恩銘・王尽美・周仏海とコミンテルンより派遣されたマーリン・ニコリスキーを加えた計15名です。
写真:乾口 達司
地図を見るロビーの奥には、中国共産党の結党前夜から第一次全国代表大会、初期の党活動の様子などを紹介したパネルと資料が多数展示されています。
数百年にわたって中国を支配して来た清朝は辛亥革命によって打倒され、1912年、中華民国が成立。しかし、諸外国の干渉は続き、軍閥も各地に台頭。混乱にいっそうの拍車がかかりました。そのような混乱のなか、新たな社会体制の構築を目指した人たちがマルクス主義というイデオロギーを掲げて活動をはじめます。したがって、展示の内容は中華民国の成立からはじまります。辛亥革命を成し遂げた孫文の写真と中華民国の当時の陸軍旗が展示されているのには、以上のような経緯を踏まえているからです。
写真:乾口 達司
地図を見る写真はタイプライター。『共産党宣言』を翻訳したときに使われたものとされます。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらは第一次全国代表大会に集った各地の代表者13名のプロフィールを紹介したパネル。それを見ると、最年少の劉仁靜は、当時、北京大学に在学していた19歳でした。最年長は教師をしていた何叔衡で45歳。李達や周仏海のように日本の大学に留学していた青年たちもいます。彼らの多くは当時の裕福な知識階級出身者であったことがうかがえますね。
写真:乾口 達司
地図を見る第一次全国代表大会に集った中国人とその関係者にちなんだ資料も展示されています。たとえば、代表者の一人・毛沢東を紹介したコーナーでは、毛沢東が寄起した雑誌「天問」の民国9年(1918)7月4日号が展示されています。「天問」は上海霞飛路277に住所のあった天問週間社によって刊行された雑誌で、展示されているものには「湖南人民的自決」と題した毛沢東の論文がおさめられています。
写真:乾口 達司
地図を見るこちらは陳独秀のコーナーに展示されている雑誌「新青年」。陳は第一次全国代表大会には欠席していますが、中国共産党の創設者の一人。初代の総書記に選ばれた人物で、1915年に帰国した陳は上海で後の「新青年」を創刊。近代化の必要性を舌鋒鋭く説きました。その主張は当時の青年たちに強い影響を与え、共産党の結党を後押ししました。
写真:乾口 達司
地図を見るほかにも、第一次全国代表大会の出席者を紹介したコーナーがあり、それぞれにゆかりの雑誌などが展示されています。
写真:乾口 達司
地図を見る記念館の裏手には、実際に代表大会が開かれた部屋も保存されています。内部の撮影は認められていませんが、狭い部屋にテーブルが一つあり、代表者たちはそのテーブルをかこんで議論しあいました。
写真:乾口 達司
地図を見る向かいの施設は、企画展示のスペース。このときは周恩来生誕120年記念展がもよおされていました。
写真:乾口 達司
地図を見る記念館の裏手には、共産党関連のグッズを販売するコーナーも付設されています。書籍のほか、中国共産党の党員手帳や毛沢東グッズが多数取りそろえられており、旅の記念となることでしょう。
いかがでしたか?中国共産党が上海で誕生したことをはじめて知った方も多いのではないでしょうか。「新天地」と呼ばれる繁華街のなかにあり、アクセスも良好。中国共産党第一次全国代表大会会址で中国共産党の起源を学び、これまでにない新たな旅の魅力にひたってください。
住所:中国上海黄浦区黄陂南路374号
電話番号:+86-0-21-5383-2171
アクセス:地下鉄1号線「黄陂南路」駅より徒歩約5分
2018年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/8更新)
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