更新日:2018/07/18 13:30
写真:津田 泰輔
地図を見る下北山村というのは奈良県でも最も南に位置しており、アクセスはなかなか大変な場所にある。大阪方面からなら、奈良県の吉野を経由して、さらに国道169号線経由で南に1時間以上車を走らせなければならない。
国道169号を南下し、下北山村に入ると池原ダムの湖が見えてくる。そのダム湖をまたぐように架かる橋を越えたところに右に入る道があるので、そこが不動七重の滝へ向かう道になる。看板もあるのだが、壮大なダム湖の景色に見とれて見落としがちなので、あらかじめナビ登録しておいた方が良いだろう。
そこからはすれ違い困難な細い悪路で、約30分の道のり。対向車は少ないが、たまに滝から帰ってくる車が来るので注意して運転を。
道路横の川が細くなり、深い谷になってきたころに不動七重の滝の展望所に到着する。看板があるので見落とすことはないだろう。
道路が少し広くなっているので、車を停めて外に出れば、前方に山を切り裂くように落ちる壮大な滝の姿を見ることができる。
写真:津田 泰輔
地図を見る不動七重の滝はその名の通り7段の滝で、総落差は160メートルを越えると言われている。
7段それぞれに深いグリーンの滝壺を持ち、滝壺から溢れ出した水が滝となってまた一つ下の滝壺へと連なって落ちていく。その美しさとスケール感を兼ね備えた姿は、まさに日本屈指の名瀑と言える。
全国の滝マニアたちが一度は訪れたいと思う知る人ぞ知る滝で、一般的には知られていないが、全国トップクラスの絶景スポットなのである。
写真:津田 泰輔
地図を見る不動七重の滝は深い切り立った崖にあるため、一見すると近づくこともできそうにない場所なのだが、実は遊歩道が整備されていて間近で滝を見ることもできる。
展望所より700メートルほど手前の道路沿いに看板があり、車数台停められるスペースがある。そこから川に降りる階段があり、10分程降りていくと滝の下流へとたどり着くことができる。
写真:津田 泰輔
地図を見るこの川がまた美しい。
青く透き通った水。これがいわゆる前鬼ブルーとも称される前鬼川である。高知県の仁淀川や長野県の阿寺渓谷など、ブルーと称される清流はいくつかあるが、この前鬼ブルーもまたそれに負けず劣らず透明度抜群の透き通った青い水を湛えている。
写真:津田 泰輔
地図を見る前鬼川は上流にダムなどの人工的な施設がほとんどなく、自然なままの美しい水が流れている。
さらに滝よりも上流に進めば水の青さは一段と凄みを増し、神秘的なまでの美しさへと変貌する。そんな美しさを求めて沢登りに訪れる人が多く、知る人ぞ知る人気スポットにもなっている。
ただし、そこは道のない本格的な沢登りの世界。普通の観光客なら、この不動七重の滝までが一般的なコース。ここでも充分その魅力は堪能できるはずだ。
写真:津田 泰輔
地図を見る不動七重の滝へは川沿いの道を上流に向かって続いている。一度、橋を渡って対岸に渡り、さらに川沿いの岩場を上流へ進んで行こう。
すぐ横に流れるのは前鬼ブルーと呼ばれる清流。特に橋を渡った後が絶景ポイント。非常に美しい淵や瀬が連続する。深い場所は碧く輝き、浅い場所は蒼く透き通っている。
しばらくは目を飽きさせない絶景ポイントが続く。
写真:津田 泰輔
地図を見るやがて縞模様の岩肌が特徴の小さな滝が見えてくる。この滝の横を越えれば、川沿いを外れて今度は階段を登る道となる。
向かって右側の山に鉄製の階段が取り付けられているので、そこを登って行こう。階段の登り口まで急な岩場になっているので気を付けたい。ロープが設置されているが、足を滑らせないよう注意して登ってほしい。
写真:津田 泰輔
地図を見るここから先は地獄の階段祭り。
およそ900段とも言われる急階段なので、日頃山登りに慣れていない人なら割と堪えます。しかも川まで降りてくるまでに100メートルぐらいの標高差を降りてきて、さらにこの険しい登り。帰り道のことを考えると、マイペースで余裕を持って歩くことをオススメする。
もともと不動七重の滝は修験者たちの秘密の行場だったと言われている。
前鬼川と言う一風変わった名前は、奈良時代に修験道の開祖と呼ばれる役行者の従者「前鬼」が住み着いた場所というのが由来になっている。
前鬼川の上流は大峰奥駈道になっていて、修験道の整地中の聖地。世界遺産にもなった大峰山の核心部にも繋がる場所なのだ。
階段地獄も修行だと思えば乗り切れるかも!?
写真:津田 泰輔
地図を見る階段地獄を乗り越え、入り口から歩くこと40〜50分ぐらいで、不動七重の滝のすぐ真横の展望台までたどり着くことができる。
7段の滝の中でも一番大きな3段目の滝。細い落ち口から一気に広がりながら激しく水が落ちていく大迫力の眺望が広がる。
この3段目だけでも落差80メートルもあると言われているので、納得の迫力。水量が多いとこの展望台まで水しぶきが飛んできます。
写真:津田 泰輔
地図を見る前鬼川本流にかかる滝と言うことで、いつでも豊富な水量を保っている。その流れはまさに爆流で、雪崩のように白い水の塊が崩れながら岩肌を落ちていく。
高さ200メートルぐらいはあろうかと思われる切り立った崖の中を爆音を響かせながら落ちて行く水塊。そして怖いくらいに青い滝壺。ここには日本とは思えない絶界の光景が広がっている。
展望台からは近づきすぎて7段全ての滝を見ることはできないが、覗き込めば4段目、5段目の吸い込まれそうな深い谷底の滝壺を見ることができる。
展望台からはまた苦労して登って来た階段を降り、さらに道路までの階段を登り返さなければならない。携帯電話の電波も届かない山奥に位置しているので、体力配分と怪我には十分注意してほしい。体力に自信のない方は最初の遠望ポイントだけでも絶景は楽しめる。
遊歩道は整備されているとは言え、普通の観光地と言えるような場所ではない。かつてきびいい自然の中で修行を行っていた行者の聖地であることを心に留めて、十分な準備と覚悟を持って訪れてほしい。
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この記事を書いたナビゲーター
津田 泰輔
ブログを書き始めたのをきっかけに関西の秘境巡りを始めて約6年。まだまだ知られていない魅力的な絶景スポットをたくさん発見しました。今までアウトドアとは無縁だった私が手軽に行ける秘境を関西中心に紹介してい…
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