写真:藤井 麻未
地図を見るギリシャ共和国を取り囲む海としては、半島東南部に広がるエーゲ海、そして西部に広がるイオニア海があり、いずれも地中海域のひとつだ。エーゲ海に位置するサントリーニ島やミコノス島などを擁するキクラデス諸島は、アテネ発着のクルーズなども多く出ており馴染み深いかもしれない。
しかし、西側のイオニア海に浮かぶケファロニア島やザキントス島の存在をご存知の方はそれほど多くないだろう。
写真:藤井 麻未
地図を見るもちろんエーゲ海の一番人気、白い街並みが素敵なサントリーニ島から眺める海も美しいが、その色はどちらかというと深い濃紺。それに比べてイオニア海最大の島ケファロニア島の海は、まさにインクをそのまま流し込んだかのような明るいコバルトブルー。いや「イオニアンブルー」とでも名付けたいほど独特の美しさをもつ青色だ。
日本ではまださほど知名度が高くない穴場でありながら、ヨーロッパではセレブも注目する長閑で美しい島。ギリシャきっての美食の島としても知られている。
写真:藤井 麻未
地図を見るそれでは、実際にケファロニア島で目の当たりにする嘘のような青色の風景をご紹介しよう。どこをとっても美しい海が広がるケファロニア島だが、まずはその中でも最も美しいと賞される「ミルトスビーチ」へ。
ミルトスビーチは、島北部に広がる入り江のような形をしたビーチだ。白い砂浜、そして、まるでインクをそのまま流したかのような真っ青な海のコントラストがたまらなく美しい。背後には荒削りの岩山が聳え、小高い山の上からビーチへ下って行く際のブルーのグラデーションには思わず溜息を漏らしてしまうだろう。
写真:藤井 麻未
地図を見るシーズン中はバカンスを楽しむ欧米からの旅行者も多いミルトスビーチ。しかし、サントリーニ島やミコノス島など完全に観光化されたビーチとはひと味違い、ここはどこかしら荒々しい自然の息吹が感じられる。
カフェバーやタベルナなどはほとんど設置されず、そこにあるのは美しいケファロニアの自然美のみ。耳を澄ませば打ち寄せる波の音が定期的に響き、ギリシャらしく眩しい太陽は、海の青をいっそう神秘的に輝かせる。目の前には空の青と海の青を分ける完璧な水平線のみ。ミルトスビーチの美しさを目の当たりにすれば、幸か不幸か、大抵の海では満足できなくなるだろう。
写真:藤井 麻未
地図を見る続いてもう一つ、この世のものとは思えない美しいスポットが「メリッサニ洞窟」だ。島の東部に位置し、なんと数千年前からこの場所に存在していた。島を襲った大地震により地表に穴が開いたことから、ここに地底湖があることが発見されたのだ。
その青の輝きは半端なものではなく、また海とはひと味違った神秘性を感じる。洞窟内部へはスロープを降りてゆくが、水面がゆらゆらときらめいているのが数十メートル手前からでもはっきりと分かる。
写真:藤井 麻未
地図を見る内部は奥行き160メートル、幅40メートル。天井には地震の際にできた穴がぽっかりと口を開け、ここから太陽光が差し込むことによって洞窟内を見事な青色に輝かせている。「妖精の棲む洞窟」とも呼ばれるように、陽の光が柱となり、それが水面に反射して洞窟内を様々な色に染めている様子が実に神秘的だ。まるで本当に妖精が現れてもおかしくないとさえ思ってしまう。
写真:藤井 麻未
地図を見る洞窟内はひんやりとしていて湿度が高く、頭上からは水滴が滴り落ちる。ときおり何か鳥か動物かの鳴き声がこだまし秘境の雰囲気たっぷりだ。シーズン中は洞窟内をボートでクルーズすることができる。
カプリ島の青の洞窟をはじめ世界には青い水の風景がたくさんあるけれど、そのどれとも異なった不思議な風景がここにはある。水深39メートルもあり、絵の具をそのまま流したかのように真っ青な色をしていながら水底まで透ける驚異の透明度、一度目にしたら忘れられない風景となるだろう。
写真:藤井 麻未
地図を見るメリッサニ洞窟からさほど離れていない場所に、ほとんど日本人には知られていない穴場がある。ケファロニア島にはごく小さな村があちらこちらに点在しているが、そんな村の一つカラヴォミロス村は海沿いの長閑な村だ。車を止めて磯の香に誘われるまま歩くと、クリアブルーの優しい青をした海が姿を現す。
写真:藤井 麻未
地図を見るそしてここにはもう一つ不思議な場所がある。海のすぐ側なのに、ここだけ淡水が湧いているのだ。遠くの湧き水が地下を通りここに湧き出ているのだとか。木漏れ日が優しく影を落とす木のトンネルを抜け視界が開けると、なんとも美しい淡水湖が現れる。藻に覆われた水底までが透け、爽やかな風が頬を撫でる。湖の背後には緑の木々が茂り、教会の塔が聳える風景は牧歌的だ。時を忘れて何時間でもボーっとしていたくなる。
写真:藤井 麻未
地図を見るそして、ケファロニア島でぜひ訪問したいのが、近年欧米のセレブ達にも人気のフィスカルドの街だ。ケファロニアを襲った大地震でも奇跡的に生き残り、昔ながらの家々がそのまま残る。
港町フィスカルドは眩しい太陽がすこぶる似合う。陽の光に煌めくエメラルドグリーンの海にはシーズンになるとセレブの豪華クルーザーが停泊し、小さな港はエレガントな雰囲気に早変わりする。
写真:藤井 麻未
地図を見るそしてフィスカルドと言えば、何といっても絵本から飛び出してきたかのようなカラフルな街並みが見ものだ。ピンクやオレンジ、ブルーなどのポップな家々が並ぶ様子はまるでおもちゃ箱のよう。蔦の絡む路地裏や古びた石段などと相まって、どこを切り取っても絵になる風景が続く。
今回はよく知られたエーゲ海ではなく、ギリシャを囲むもう一つの海、イオニア海に浮かぶケファロニア島をご紹介した。ケファロニア島で出会う水の風景はどれも嘘のような青色をしている。自然界のものとは思えない底知れぬ美しさを秘めたケファロニア島の海や湖。一生に一度は目にしたい驚愕の青色を求めて、ぜひここを訪れてみて欲しい。
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(2024/10/4更新)
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